事例で検討
特定口座で株式売買をしていた父が亡くなりました。相続及び相続人への特定口座への移管はどうなるのでしょうか?
アドバイス
まず、遺産分割協議を相続人間でして、遺産分割を決めます。そして、その遺産分割協議書に基づいて、被相続人の特定口座から相続人の特定口座へ移管します。
遺産分割協議とは?
特定口座で株式売買をしていたお父様が亡くなられたとのことですが、その場合には、まず相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
そして、上場株式だけでなくその他の財産についても遺産分割を決定します。遺産分割が整い、誰がどの銘柄を相続するのかが決まったら、遺産分割協議書に基づいて株式の名義変更をします。
ちなみに、相続財産というのは、遺産分割が決定したら、相続開始の時にさかのぼって実際に相続した人の財産になります。
被相続人の特定口座から
相続人の特定口座へ移管とは?
被相続人であるお父様と相続する人が同じ証券会社に特定口座を開設している場合でも、また、違う証券会社で特定口座を開設している場合でも、特定口座にある上場株式等は、相続する人の特定口座に移管(移動)することができます。
ただし、これは被相続人の特定口座から1度株券を引き出して、それを相続人の特定口座に入れるということはできませんのでご注意ください。
具体的には、証券会社に「相続上場株式等移管依頼書」を提出して移管を依頼し、被相続人の取引証券会社から相続した人の取引会社に移動しなければなりません。
ちなみに、平成21年5月までは、被相続人の特定口座から1度株券を引き出して、それを相続した人のタンス株券として相続人の特定口座に入れるということはできます。
しかしながら、平成21年6月以降はタンス株券を特定口座に入れることができなくなりますので、この方法はとれなくなってしまいます。