事例で検討
他社からの借入金で増資の払込みをしました。借入金の条件は次のとおりです。
返済日:私の所有する土地を担保として提供し、譲渡した時点で、元利合計を返済する。
利率:年利7.295%
※関係会社から各年末に元利残高の通知書が送られてきます。
上記のとおり、利息は、土地を譲渡するまで支払わなくてよいので支払っていません。この場合、配当所得の計算上、借入金の未払利息を控除できるのでしょうか?
アドバイス
ご質問の利子は、元本を所有している限り、その年中に支払うものとして、元本の所有機関に対応する部分を、配当所得の計算上控除できます。
配当所得の計算上控除できる利子とは
どのようなものですか?
配当所得の計算上控除する負債利子の計算の基礎になる利子は、「その年中に支払うもの」とされています。
「その年中に支払うもの」とは、
どのように解釈したらよいのですか?
これは、医療費控除における「支払ったもの」の規定のように、その年中に支払ったものだけを認めるといったものを予定しているものでもなく、また、「支払期日が到来したもの」を予定しているものとも解釈されていません。
また、必要経費にする時期というのは、「債務の確定」によることとされていて、収入の計上時期のように、「支払うべき日」の到来まで計上できないものではありません。
利子は、通常、日々成立し、確定するものですので、「その年中に支払うもの」とは、その年中の借入期間に対応する利子と解釈されます。
では、私の場合はどうなりますか?
ご質問の借入金は、利子も明確ですし、各年末に元利合計が債権者から通知されていますので、土地を譲渡して元利合計を返済するまでの各年分に対応する利子は、それぞれ各年の「その年中に支払うもの」として差し支えありません。
よって、ご質問の利子は、元本を所有している限り、その年中に支払うものとして、その年中の元本の所有機関に対応する部分を、配当所得の計算上控除することができます。