大学生のFXの税金と
確定申告について
次のようなケースで考えてみます。
■現在、アルバイトをしている大学生で、年間の収入は約40万円である。
■FXの利益が約25万円ある。
■FXの利益は38万円までは確定申告が不要で税金を支払わなくてもよいのか?
■親の扶養から外れるのは、FXの収入がいくら以上になったときか?
■国民健康保険に加入しなければならなくなるのは、FXの収入がいくら以上になったときか?
アドバイス
まず、国税庁のホームページ(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2020.htm)に「確定申告をする必要のある人」として詳しく記載されています。これによりますと、次のように解釈できるわけです。
■原則として確定申告が必要な人
・その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合
■給与所得者の所得金額が20万円以下である場合云々
・原則に該当する人の中でのあくまでも例外規定
というわけで、上記のケースですと、原則として確定申告が必要な人にも該当していないわけですから、20万円云々というのは考える必要はありませんよね。
なので、アルバイトからの給与収入が65万円(給与所得控除)を超えずに、FXによる所得が38万円以下であれば、親の税金の扶養の範囲内でいられます。
健康保険について
健康保険については、FXからの収入が、現在、ご自身が認定を受けている健康保険組合の基準において、どのように取り扱われているのかにもよりますよね。
というのは、退職手当や譲渡所得などの一時的な収入は、収入の範囲としていないところが少なくないですが、投資収入については含むとしているところも多いですからね。
ただし、仮に投資収入について含めるとしていても、その投資収入について、継続性のある配当等とされている可能性もありますので、その辺りについても健康保険組合ごとに基準が異なるところかと思います。
なので、今、被扶養者として認定を受けている健康保険組合に問い合わせてみるのが確実ですね。
とりあえずは、FXと給与収入の合計が130万円未満と考えておけば、被扶養者を外れる心配はないのではないかと思います。
FXで確定申告が必要なケースとは?
38万円基準とFXの税金で学生は?
そもそもFXで利益が出た場合、どういう時に確定申告が必要なのでしょうか?まずFXで利益が出ている人としては、以下の2つのケースが考えられます。
@会社から給料はもらっていなくて、FX専業での収入しかないケース
A会社に勤めていて給料をもらっていて、副業でFXをやっているようなケース
この@とAのケースでは、確定申告で必要な条件が変わってきます。
まず@の場合は、FXから出た利益(売買利益+スワップ利益)が38万円を超えた場合には、必ず確定申告が必要になります。
なぜ38万円なのかというと、確定申告をする際には、利益に対して税金がかかってくるわけですが、日本で生活している人の場合、38万円を差し引かせてもらえる基礎控除の制度があるからです。
つまり、38万円までは基礎控除が38万円あるので、38万円−38万円=0円になるのです。
0円であれば、所得税が何%であろうとも税金は0円なので、FXで利益が出ても給料のない人は、38万円までなら確定申告が不要とされているのです。
Aのケース
20万円基準とは?
次に会社から給料をもらっていて副業でFXをやっている人、上記Aのケースです。このような人は、FXから出た利益(売買利益+スワップ利益)が20万円までは、確定申告は不要です。
これは、給料をもらっていて年末調整をしている人は、20万円までは確定申告しなくてもいいというおまけのような制度があるからなのです。
ここで、確定申告をしなくていいのでもう何もしなくていいと勘違いされる人がいるのですが、若干注意が必要です。
確定申告をすると、書類を書いて税務署に提出するのですが、確定申告書を税務署に提出すると、自動的に市役所にも報告されます。市役所はこの報告を受けて住民税が計算されます。
例えば、FXで得た利益が20万円以下で税務署に確定申告をしなかった場合は、自分で市役所に申告をする必要があるのです。
つまり、所得税については20万円以下はいいですよという制度になっているのですが、住民税にはないということです。ですから、住民税の申告を忘れないように気を付けてください。