未上場株式の売却と配当の税金はどのようになっているのですか?

 

 

未上場会社の株式売却益と

株式売却損の税金は?

 

 

未上場会社の株式売却益は、申告分離課税で税率20%、株式売却損は株式売却益と相殺後切捨てになります。また、未上場会社の株式配当の場合は、配当課税の軽減措置の適用はありません。

 

まず、未上場会社の株式売却益ですが、これは平成16年1月1日以降未上場会社の株式売却益については申告分離課税で、税率20%になっています。

 

また、株式売却損の方ですが、これは同じ年の株式売却益との相殺が認められていますので、この場合は他の未上場会社の株式売却益と相殺し、その後で上場会社の株式売却益と相殺することになります。

 

もし、相殺した後で未上場株式の売却損が残った場合ですが、これはそこで切り捨てになります。

 

これは、「3年間の繰越控除制度」というのが、上場株式等の売却損にだけ認められている制度なので、未上場株式の売却損は翌年以降に繰越せないからです。

 

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ただし、株式公開を目指す会社など一定の要件を満たす未上場会社の株式の場合には「エンジェル税制」といって、株式の売却益の特例、売却損の繰越の特例があります。

 

未上場会社の株式配当の税金は

どのようになっているのですか?

 

未上場株式の配当については、平成15年改正の配当課税の軽減措置が適用されません。なので具体的には、次のようになっています。

 

未上場株式の配当を受ける際に、所得税20%が源泉徴収されます。

 

配当は確定申告の際、総合課税になりますので、他の所得と合算して累進税率が適用されます。

 

ちなみに、未上場株式が日本の会社のものであれば配当控除の適用があります。

 

 

未上場会社からの配当が

少額の場合は?

 

1銘柄1回に受ける配当が5万円以下、計算期間が1年以上の場合は10万円以下の少額配当については、確定申告をしないこともできます。

 

この場合は、源泉徴収された20%の所得税で税金関係は完了します。

 

ただし、住民税の方は、平成15年からは少額配当でも総合課税によって税金がかかりますので、所得税の申告をしない場合には住民税の申告が必要ですので注意が必要です。

 

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非公開株式を売却すると有利?

非上場株式譲渡益課税のペナルティとは?

 

非上場株式(非公開株式)を売却するメリットとして、事業承継に使うケースが考えられます。一般的な中小企業の株式(非公開株式)を後継者に事業承継させる場合、通常は相続で行われます。

 

一方、事前に非上場株式(非公開株式)を売却しておくと、かなり有利になるケースがあるのです。それは以下のような理由からです。

 

@みなし配当の回避
相続の後、相続人が自己株式では納税ができません。ですが、それを会社に買い取ってもらえば、「みなし配当」を回避しつつ納税資金を確保することができます。

 

A後継者の経営の安定
少数株主が持っていると帳簿閲覧請求や株主代表訴訟を起こされる可能性がありますが、これを回避できるので、後継者の経営を安定化させることができる。

 

B一定の議決権の確保
親戚等に散らばってしまった株式を買い集めて議決権を確保することができる。

 

C遺留分の減殺請求の回避
相続等と比べて譲渡は、遺留分の減殺請求の対象にならないというメリットがある。

 

ただし、売却(譲渡)の時は、相続の時とは異なる「時価」をきちんと計算するようにしてください。

 

そうでないと、いわゆる三重課税(トリプル課税:「みなし譲渡」「みなし贈与」「みなし配当」)がペナルティとして課されてしまいますので注意が必要です。

 

節税するつもりが、余計に税金を支払うことになってしまったら本末転倒ですからね。

 

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