「特定口座(源泉徴収あり)」選択なら、
個人投資は何もしなくていいの?
「特定口座(源泉徴収あり)」を選択している場合は、取得費の管理、確定申告、納税等、個人投資は、何もする必要がないのかということですよね?
「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しているのでしたら、面倒な取得費の管理、確定申告、納税等は証券会社がやってくれますので、個人投資家は何もする必要はありません。
「特定口座(源泉徴収あり)」を選択すると、
なぜ何もしなくていいの?
個人投資家の方は、特に何もする必要はありません。これは、次のようなことをすべて証券会社がやってくれるからです。
■売却損益の計算
■利益にかかる税額の計算
■その税額の天引きと税務署への納税
よって、個人投資家は、取得費の管理も確定申告も納税も何もしなくて済むのです。ただし、他の株式売却損益との相殺等を目的として確定申告することもできます。
「特定口座(源泉徴収あり)」にするには
どうしたらよいのですか?
「特定口座(源泉徴収あり)」というのは選択制なので、特定口座を開設したら、毎年最初の売却取引の時に決めることになります。
そして、もしその時「特定口座(源泉徴収あり)」を選択したら、その後1年間は「特定口座(源泉徴収なし)」には変更できませんのでご注意ください。
これは、「特定口座(源泉徴収なし)」を選択した場合も同様で、いったん「特定口座(源泉徴収なし)」を選択したら、その後1年間は「特定口座(源泉徴収あり)」には変更できません。
よって、取得費の管理や確定申告、納税の手続きを自分でやりたくないと考えている方は、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択することを忘れないようにしてください。
特定口座を利用すると、取得費などの計算は
証券会社がやってくれるの?
特定口座を利用していれば、面倒な管理や計算は証券会社が全部やってくれますので、個人投資家は、苦労をしなくてすみます。
証券会社は「特定口座」で管理している上場株式等の売却については、「取得費」「取得日」を管理し計算します。そして、銘柄ごと、売却ごと売却損益を計算して、1年間の「特定口座」内の売却損益を集計します。
このように、面倒な管理や集計は証券会社がすべてやってくれますので、個人投資家自身はそれらをしなくてすむことになります。要するに、特定口座は、証券会社が確定申告前の準備をしてくれるものということができます。
特定口座で「源泉徴収する」を
選択しなかった場合は?
特定口座で「源泉徴収する」を選択しなかった場合は、自分で確定申告をする必要があるのかということですよね?
その場合は、自分で確定申告し、個人投資家自身が納税する必要があります。ただし、確定申告のための「取得費」の管理計算、売却損益の計算、集計や添付書類の作成などは、証券会社がやってくれます。
つまり、特定口座で「源泉徴収する」を選択しなかった場合は、証券会社は株式売却利益についての申告をしてくれませんので、自分でやらなくてはなりません。税金の納付についても、証券会社は源泉徴収していませんので、自分でやる必要があります。
とはいえ、確定申告に必要な「取得費」の管理計算や売却損益の計算・集計、添付書類の作成などは、証券会社でやってくれますので、一般口座に比べれば負担は少ないかもしれません。
確定申告はどうしたらいいのですか?
さて、確定申告ですが、株式売却利益がでたら、翌年の2月16日から3月15日までに株式売却に関する申告(所得税の確定申告)をしてください。
本来ならば、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を作成して確定申告に添付することになっているのですが、これは、証券会社から送られてくる「特定口座年間取引報告書」を添付することで代用できます。
なので、もしその年に売却した株式が「特定口座(源泉徴収しない)」の中だけであれば、「特定口座年間取引報告書」の数字を確定申告書に転記して税額計算をするだけですむということになります。
ちなみに、特定口座で「源泉徴収する」を選択しなかった場合は、当然のことながら税金が源泉徴収されていませんので、確定申告とともに納税も自分ですることになります。
よって、多額の株式売却益が生じている人は、ここでの所得税や住民税の支払いのための納税資金を別途用意しておくなど、日頃の資金管理が大切になってきます。