厚生年金・国民年金はいくらもらえるのか..
25年で専業主婦の受給額は?
日本の年金制度は、現役世代が支払っている年金保険料と、国からの税金によって賄われています。
あなたもご存知の通り、日本では少子高齢化が進んでいることから、2013年の時点では、高齢者一人当たりを現役世代2.3人で支えている計算になっていました。これが2025年には1.8人になると予想されています。
つまり、日本の年金制度は、その構造上、今後さらに厳しくなっていくと想定されているのです。
こうした話を聞くと、多くの人が「将来、自分はちゃんと年金がもらえるのかな」と思ってしまうかもしれませんが、そもそも年金はいくらくらいもらえるものなのかイメージがついているでしょうか?
65歳以上の高齢者になれば、いずれ必ずぶつかる問題ではるあるのですが、将来、いくらくらいもらえるのかというのがわからないと、対策のしようもありません。
いざ高齢者になった時に愕然としても遅いですから、今から将来年金がいくらもらえるのかについて知っておいていただきたいです。
厚生年金や国民年金はいくらもらえるのか?
25年で専業主婦の国民年金受給額は?
厚生労働省の平成24年度の調査によると、厚生年金受給者の平均受取月額は約151,000円で、国民年金受給者の平均受取月額は約55,000円となっています。
例外はありますが、一般的に厚生年金というのは、いわゆるサラリーマンが入っている年金で、国民年金というのは、個人事業主や専業主婦が入っている年金になります。
厚生年金に限っては、男女別に結構差があって、男性の方が多く受け取っている傾向にあります。一方、厚生年金の受給額というのは毎年減少していて、4年前と比較すると、月額で約7,500円ぐらい減っています。
例えば、夫が平均的な収入のサラリーマンで40年間働いて、妻が専業主婦の場合、1世帯当たりの年金月額は約227,000円となっています。
年金がいくらもらえるのかについては、その人にもよるのですが、ざっくりとしたイメージで言うと、厚生年金で15万円、国民年金で6万円ぐらいです。
つまり、この時点で確定していることは、厚生年金であれ国民年金であれ、どちらにしても辛いということです。何かしらの資産でもない限り、少なくとも6万円で生活することはほぼ不可能ですし、15万円でもなかなか厳しいですよね。
ようやく訪れたセカンドライフで、毎日が自由な人生が送れるようになったのに、その途端にこれでは、うかつに旅行にも行けません。日々の暮らしさえ大丈夫なのかというくらいですから。
というわけで、これが将来の姿なのだということをまずは念頭に置いていただきたいです。
将来、厚生年金や国民年金の受給額は減らされる?
前述した通り、将来的に現役世代が支える高齢者の数というのは、多くなっていきます。ということは、この年金も、さらにここから減らされる可能性がありますから、しっかり準備しておくことを、そろそろ考えなくてはいけないかもしれません。
年金には、物価スライドという制度があって、基本的に物価の変動に連動するような仕組みになっています。
また、将来的に高齢者を支える人数が減ってくれば、当然、その人たちの負担は重くなるわけですが、その人たちの負担をあまり重くしすぎると、その人たちが生活できなくなってしまいます。
なので、今のままですと、高齢者の人たちには少し我慢をしてもらって、年金を減らしましょうという話には当然なってくると思います。
ただ、そういったことを踏まえなくても、現実問題として、これだけしかもらえないとなると、例えば、国民年金で6万円もらえたとしても、それでは家賃すら支払えないわけで、どうするの?という話になってくるのです。
厚生年金や国民年金がいくらもらえるのか
その受給額を知る方法とは?
実際、自分が年金をいくらもらえるのかについて、インターネット上で試算ができたりしますので、一度試してみていただけたらと思います。
また、自分の誕生日前後に届く「ねんきん定期便」を確認すると、厚生年金や国民年金がいくらもらえるのか、その受給額を知ることができます。
ねんきん定期便が来たら、必ず漏れがないかを確認するようにして下さい。もし年金定期便の見方がわからなければ、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談すると詳しく教えてくれます。まずは現状を知るところから始めて下さい。
そして、それがわかると、自分は将来どうしていくのか、あるいは、今からできることは何か、ということを考えるきっかけにつながっていくと思います。
厚生年金・国民年金はいくらもらえるのかのまとめ
老後の生活設計をする上で必要なことは、公的年金がいつからいくらもらえるのかということです。その上で、必要な生活費に足りない部分を計算していきます。
さて、厚生年金・国民年金はいくらもらえるのか、これについて厚生労働省が公表しているモデル世帯では、夫婦合わせて月23万円というのが平均値とされています。
一方、必要な生活費は、月28万円というデータがあります。そうすると、入ってくるお金が23万円で、出て行くお金が28万円となります。これだと月の赤字は5万円、年間だと60万円になります。
老後という期間を65歳から85歳までの20年間と仮定すると、必要な老後資金は1,200万円(60万円×20年間)となります。
また、別の調査によると、ゆとりある生活に必要なお金は、月38万円と言われています。同じ老後期間と考えたとしても、必要な老後資金は、3600万円に膨れ上がってしまいます。
つまり、必要な老後資金というのは、人それぞれということです。老後の生活設計を考える上で最も重要なことは、モデルケースではなく、自分の場合はどうなのかということです。自分の年金を調べるには「ねんきん定期便」が役に立ちます。
まず年金はいつからもらえるのかというと、50代の方の場合には、生年月日によって年金のもらい始めが違ってきます。また、もらえる年金額も人それぞれです。そのため「ねんきん定期便」を確認するようにして下さい。
ねんきん定期便の「2 老齢年金の見込額」というところをチェックしてみて下さい。そこにあなたの場合、何歳からいくらの年金が支給されるのかが書かれています。50代の方のねんきん定期便は、ここに記載されている金額がほぼその方の年金確定額となります。
ただし、50代の方のねんきん定期便には注意点もあります。
まず、ねんきん定期便の見込み額は、発行時点の年収が60歳まで変わらなかったらという前提のもとに計算されています。
なので、今後の収入に大きな変化があると、年金見込み額も変わってくる可能性があるのです。その場合、毎年ねんきん定期便をチェックする必要があります。
次に、サラリーマンで妻が専業主婦の場合、加給年金という家族手当をもらえる可能性があります。この情報はねんきん定期便には書かれていませんから、お近くの年金事務所での確認が必要になります。
それから、厚生年金の上乗せとしてもらえる厚生年金基金からの支給額は、ねんきん定期便には反映されていませんので、こちらは勤務先への確認が必要になります。
このように、ねんきん定期便を使うと、国民年金や厚生年金が、いつからいくらもらえるのかがわかります。