遺族年金とは|国民年金・厚生年金の寡婦年金支給要件(条件)手続きと死亡一時金!

 

 

遺族年金とは?国民年金厚生年金

寡婦年金支給要件(条件)手続きと死亡一時金

 

 

今回は遺族年金についてのお話です。一言で遺族年金といっても色々な種類があり、また条件付きのものが多いです。それでは遺族年金の種類から概要まで詳しく解説していきます。まずは国民年金の遺族年金制度について説明します。

 

 

国民年金の遺族基礎年金とは?

 

国民年金の遺族年金には「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」の3つがあります。

 

まず遺族基礎年金というのは、遺族補償の基本となる年金といえます。国民年金に加入している人はもちろん、厚生年金や共済年金に加入している人がなく奈多場合にも支給されます。遺族基礎年金の受給資格は以下のとおりです。

 

遺族基礎年金は、国民年金加入者または老齢基礎年金の受給資格を満たしている人が死亡した場合に受けることができます。ただし、死亡した人については、保険料納付済の期間が加入期間の2/3以上であることが条件となっています。

 

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また年金を受け取る人の年収が850万円以下または所得が655万5,000円未満でないと支給を受けることはできません。この遺族基礎年金をもらえるのは、子供のいる配偶者または子供に限られ、子供が18歳に達した年度末、3/31までの支給となっています。

 

ただし、子供が障害を持っている場合には20歳に達した年度末までの支給となります。なお、事実婚関係の夫婦であっても遺族基礎年金の受給権者になります。

 

 

遺族基礎年金はいくらもらえるの?

 

遺族基礎年金をもらえる金額は全員一律です。ちなみに、平成28年4月からの支給額は1年間で780,100円でした。本来、老齢基礎年金は加入期間によって加入額が変わります。ですが、遺族基礎年金の場合は受給額は全員同額です。

 

さらにもう1点、老齢基礎年金との違いがあります。それは、子供の人数によって受給額が変動するということです。子供のいる配偶者に支給される額については・・・

 

子供が1人の場合には780,100円に224,500円がプラスされ、子供が2人の場合にも同様に224,500円がプラスされます。子供が3人目以降は人数に応じてそれぞれ74,500円がプラスされます。

 

■子供1人:780,100円+224,500円
■子供2人:780,100円+(224,500円×2)
■子供3人:780,100円+74,500円
■子供4人:780,100円+(74,500円×2)
■子供5人:780,100円+(74,500円×3)

 

また、両親がおらず子供のみに支給される場合には以下のとおりです。

 

■子供1人:780,100円
■子供2人:780,100円+224,500円
■子供3人:780,100円+74,500円
■子供4人:780,100円+(74,500円×2)
■子供5人:780,100円+(74,500円×3)

 

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前述のとおり、遺族基礎年金は子供が18歳に到達した年度末で支給が終了します。なお、子供が複数いる場合には、下の子供が18歳に到達した時点で支給が終了します。これは子供の数に応じた加算についても同様です。

 

 

国民年金の寡婦年金の支給要件(条件)手続きは?

 

続いて、国民年金の遺族年金制度における寡婦年金と死亡一時金についてのお話です。まずは寡婦年金から解説していきます。

 

寡婦年金というのは、国民年金の被保険者として保険料を納めた期間が25年以上ある夫が年金をもらわずに亡くなった際に、10年以上継続して婚姻関係にあって生計を維持されていた妻が60〜65歳の5年間に支給される年金のことをいいます。

 

また遺族基礎年金と同様、妻の年収が850万円あるいは所得が655万5千円未満でないと寡婦年金の支給を受けることはできません。寡婦年金は、生計を一にしていた妻に支給される年金ですから、妻が死亡したからといって夫がもらうことはできません。

 

なお、妻が自分自身の老齢基礎年金をもらっていた場合、あるいは再婚した場合には、支給は打ち切られます。

 

 

寡婦年金の支給額は?

 

受け取れる金額は、死亡した夫が受け取ることができた老齢基礎年金の3/4が寡婦年金として支給されます。妻が自分自身の老齢年金を受け取る場合には、寡婦年金といずれかを選択することになります。

 

 

死亡一時金とは?

 

死亡一時金というのは、国民年金の被保険者として保険料を納めた月が36ヶ月以上ある人が、その人と生計を共にしていた遺族が受け取ることができるものです。

 

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保険料の納付済期間によって受け取ることのできる金額は変わってきますが、35年以上納付していた場合には32万円が支給されます。ちなみに、死亡一時金については年収制限はありませんので、申請すれば受け取ることができます。

 

以上が国民年金における遺族基礎年金の概要になります。

 

 

遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金の注意点は?

 

一番の注意点・ポイントは、遺族基礎年金と寡婦年金、死亡一時金はどれか1つを選ばなければならないということです。

 

例えば、子供が小さいうちに遺族基礎年金を受け取っていて、18歳に到達したといった理由により寡婦年金に移行することは可能ですが、一度に複数の給付を受けることはできませんので注意して下さい。

 

また、遺族基礎年金と寡婦年金は、被相続人が亡くなってから5年以内、死亡一時金は2年以内に申請しなければなりません。

 

色々と注意点があるだけでなく一つしか選択できませんので、迷ってしまうこともあるかもしれません。そんな時には、日本年金機構のホームページを参考にしてみたり、問い合わせをしてみると多少は不安が解消されると思います。

 

 

厚生年金と共済年金の遺族年金は?

 

先ほどは国民年金の遺族年金についてのお話でした。ここからは、厚生年金と共済年金の遺族年金のお話です。

 

まずは遺族厚生年金についてです。遺族厚生年金というのは、厚生年金に加入中の人が亡くなった時、その人によって生計を維持されていた遺族に支払われる年金のことを言います。

 

支給額は、死亡した配偶者が受け取ることができた老齢厚生年金の3/4の金額になります。

 

また、受給できる要件(条件)は、被保険者が死亡した時、または被保険者期間中の病気やケガがもとで初診の日から5年以内に死亡した時です。

 

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あるいは、老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人が死亡した時、もしくは1級2級の障害厚生年金を受給できる人が死亡した時です。

 

以上が遺族厚生年金の受給要件(条件)になります。ちなみに、18歳未満の子供がいる配偶者が受給できる遺族基礎年金との併給が可能となっています。

 

 

遺族基礎年金の注意点は?

 

遺族基礎年金の保険料納付済期間は、国民年金の加入期間の2/3以上でなければなりません。

 

遺族厚生年金も遺族基礎年金と同じで、受給者の年収制限があります。つまり、年収が850万円あるいは所得が655万5千円未満でないと遺族厚生年金の支給を受けることはできません。

 

具体的な支給額は、遺族基礎年金を妻が受け取る場合で、妻の年齢が40歳以上65歳未満の期間内に年間約58万円が加算されます。これは「中高齢の加算」と呼ばれています。

 

遺族厚生年金は受給者が配偶者の場合には、原則として生涯にわたり受け取ることができます。ただし、受給者が65歳に到達し自身の年金を受け取ることができるようになった場合には、遺族厚生年金と自身の年金のどちらかを選択する必要があります。

 

 

遺族共済年金とは?

 

遺族共済年金の受給資格は遺族厚生年金とほとんど一緒です。ただし、遺族厚生年金の要件(条件)に加えて、組合員期間が25年以上である必要があります。

 

また遺族共済年金の支給額は、他の遺族年金と違って平均月額給与をもとにして計算していきます。

 

さらに、遺族厚生年金と同様、中高齢の加算も適用されます。なので、受給者が妻の場合で年齢が40歳以上65歳未満の期間の間は追加で加算されることになります。

 

以上が遺族年金の概要になります。

 

亡くなった人が厚生年金と共済年金のどちらにも加入していたというようなケースでは、双方から遺族年金が支給される可能性があります。その際には加入期間などが重要になってきますので、自分自身で把握しておくことをおすすめします。

 

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