高齢化により請求されない未払い保険金が急増中!
認知症や要介護になった時の手続きや対策を..
日本では高齢化が進み、それがる社会問題になっていますが、実は保険の分野でも高齢化の影響を受けています。
その1つが未払いの保険金です。つまり、高齢化した契約者や被保険者の安否が確認できないことから、未払いになっている保険金のことです。この未払いの保険金は、2014年以降の各保険会社の調査によると、およそ20億円あるとされています。
20億円もの保険金が受け取られていないというのは、普通に聞くとちょっとした異常事態ですよね。加入者は何年、何十年にもわたり保険料を支払ってきたのに、何てもったいないのだろうと思います。
今、高齢化が進むに従い、未払いの保険金の問題も増え続けています。
例えば、高齢で認知症や寝たきりになってしまうと、保険会社の担当者とコンタクトが取れなくなってしまいます。また、受取人となっている人が死亡していたり、存在そのものを知らなかったりして、保険金の請求自体がなされていないことも多々あります。
そもそも保険金というのは、自分から請求しないともらえないものですから、保険会社としては、言われないと把握できない状況になっているのです。これが20億円もあるのです!
請求されない保険金の未払いが急増中!
現在、多くの保険会社では、契約者のおよそ2割前後が70歳以上になっている現状もあって、早急な対応が求められていました。そこで、各保険会社は金融庁の指示のもと、高齢者世帯の調査を行いました。
例えば、富国生命保険と太陽生命保険では、70歳以上の契約者に連絡を取るなどして、死亡や入院された時の保険金を請求しましたかという調査を行っています。
その結果、判明した未払いの保険金は、富国生命保険では446件、約12.3億円、朝日生命保険では104件、約4.3億円、その他、三井生命保険では35件、約3億円、住友生命では20件、約4,800万円などとなっていました。
また、未払いの保険金の金額は判明してませんが、太陽生命保険では約30件、明治安田声明では約70件、日本生命でも約20件あったそうです。これらはもちろん、把握できたものについては無事処理が行われました。
一方、富国生命保険や太陽生命保険などでは、所在不明、要はどこにいるのかわからないとか、未払いの保険金があるのかどうかもわからないという契約者が続出したそうです。
ちなみに、こうした契約者は、富国生命保険では約1,600人、太陽生命保険では約300人もいたとか。ただ、こうした契約者については、どうにもならないというのが正直なところなのです。
保険金の未請求はもったいない!
保険というのは、そもそも保険金を受け取るために加入しているはずですから、本来、受け取れる保険金を受け取っていないというのは、本当にもったいないことです。
ただ、高齢者世帯が増えていくと、どうしても忘れてしまったりして、未請求というケースが出てきてしまいます。
そこで、現在、いくつかの保険会社では、こうした事態が実際に起きているので、それを未然に防いでいこうということで、色々な取り組みが行われています。
例えば、アフラックでは、今年から日本郵便と提携をして、郵便局員が高齢の保険契約者の所在を確認する新たなサービスを始めています。ちなみに、アフラックと日本郵便は、2013年にすでに提携をしています。
具体的には、70歳以上の契約者の一部に該当する約10万人を対象に、7月から郵便局の配達員が実際に保険契約者のところに伺っています。
実際、保険契約上の住所を訪問して、アフラックからの案内を手渡しして、ここにいるのかどうか安否の確認をしています。
また、入院の保険金を請求する際などには、医師の診断書を受け取る必要があるのですが、朝日生命では、この診断書の取得を無料で代行するサービスを4月から始めています。
認知症や要介護になった時には
手続きを代行してくれる..
高齢者の中には、保険金を請求したくても、手続きが面倒だとか難しいといった声も少なくありません。実際、保険金の請求ができることをわかっていてもあきらめてしまう高齢者もいらっしゃいます。こうした声に対応するサービスも出てきています。
これは、要介護認定を受けている人が対象になりますが、書類などの手続きを保険会社の方でやりますということで、負担を軽減して、保険金の請求をしやすくするという流れになってきています。
高齢化して認知症や要介護になった時の
手続きについて早めの対策を!
上記以外にも、保険会社によっては、色々な高齢者向けのサービスというものが、今できてきています。
ですから、自分だけではなくて、例えば、自分の親の保険がどうなっているのかとか、それはどうやれば請求できるのかなど、一度確認をする機会を設けてみることをおすすめします。
保険というのは、遺された家族を守るために加入しているものですし、せっかくお金を支払ってきたわけですから、しっかり受け取るものは受け取るというスタンスでいて下さい。
これから益々高齢化が進んでいくと、やはりこういった問題はさらに大きくなっていくはずですから、早めに対策するようにしたいですね。
日本では高齢化が現実に起きていますし、今後も高齢者の数は増えていくとわかっているわけですから、私たちができることをやっておくということが大切です。
もちろん、保険会社も色々な取り組みで頑張ってくれていますが、本人や家族がきちんと見ていくというのが基本になります。