会社を辞めた後の国民健康保険と任意継続の保険料と手続き

 

 

会社を辞めた後の健康保険は

どうしたらいいの?

 

 

会社を辞めた後の健康保険についてです。私たちが病気になったりケガをして病院に行くときには、健康保険証を出します。この健康保険証を出すことにより、医療負担が3割でよいという医療保険の仕組みになっています。

 

当然、今会社から支給されている会社で加入している健康保険証というのは、会社を辞めたら手続きをして切り替える必要があります。

 

これから会社を辞める予定のある人もない人も、自分の健康保険や保険証がどのような仕組みになっているのかということを、一般知識として知っておくと後々役に立つと思います。

 

 

では、具体的にどうしたらいいの?

 

退職と言っても定年退職するケースもあれば、20代や30代、40代で転職や独立起業で退職するケースもありますよね。

 

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そういった色々なケースがあるわけですが、ここでは60歳未満での退職、他社へ転職するとか独立するといった中途退職の場合の健康保険証について解説していきます。

 

60歳未満での退職では、大きく分けると、どなたでも以下の2つのケースのどちらかに該当します。ですから、この2つのパターンでどういった健康保険の切り替えが発生するのかを知っておくようにしてください。

 

@再就職までの空白期間の問題

 

まず再就職する場合、現在の会社を辞めて、他社の面接を受けて他社に再就職するというケースがあります。このような場合、再就職までの空白の期間がありますよね。

 

例えば、今月末で会社を辞めて、来月末にまた次の職場がすぐに決まっていればよいのですが、そうもいかなくて2か月後、3か月後というように、次の会社に転職するまでの空白の期間です。

 

このような時でも、もし病気になってしまったり、ケガをして通院しなければいけなくなったら、当然健康保険証が必要になるわけです。そんな時はどうしたらいいのでしょうか?

 

ただ、いずれにしましても、最終的には転職先の会社に再就職するので、その後はその会社の健康保険に加入して、転職先の会社から保険証が渡されることになります。

 

A自営業や起業する人、フリーランス、自分でビジネスを起こしていくというケースの準備

 

今、自営業者の人やフリーランスの人、自宅で農業をしている人は、健康保険はどうしているのでしょうか?これについても知っておく必要があります。

 

(参考)1年分の国民健康保険料を前納したのですが、全額を社会保険料控除にできますか?

 

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健康保険の選択肢

 

健康保険の選択といっても、大きく分けると以下の2つしかありません。

 

@任意継続

 

これは、今あなたが勤めている会社で加入している健康保険の仕組みを、そのまま引き続き、会社を辞めた後も続けることができるという仕組みです。つまり、会社を辞めた後も、会社を辞める前の保険をそのまま続けることができるのです。

 

A国民健康保険

 

これは、いわゆる自営業者や農業の人や独立してフリーでやっている人たちが加入する健康保険です。

 

上記@とAのいずれかの選択肢から選ぶことになります。わかりやすく言うと、サラリーマン(会社員)は、会社で加入している健康保険があるので、それを辞めても任意継続ができるということです。

 

また、それ以外のサラリーマン(会社員)以外の自営業者などは、会社の健康保険には入っていないので、みな国民健康保険の加入になるということです。

 

日本の現在の健康保険は国民皆保険といって、法律上、すべての国民がなんらかの健康保険に必ず加入しなければならないということになっています。

 

ですから、「自分は病気などしないし、健康保険料を支払いたくないから健康保険には入りたくない」と言っても、それは認められないわけです。つまり、健康保険は必ず入らなくてはいけない義務になっているのです。

 

ですから、@任意継続かA国民健康保険のどちらかを選ばなければなりません。

 

 

扶養家族としての健康保険とは?

 

実はもう一つ、扶養家族として自分が誰かに養われる立場なら、その扶養家族としての健康保険に入るというケースもあります。これは、あなたが親の扶養に入る場合や、配偶者の扶養に入る場合です。

 

ただ、あなたが独立起業して自分で稼ぐというのなら、やはり前述した任意継続か国民健康保険のどちらかになります。

 

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任意継続の注意点は?

 

任意継続を選択した場合には、次のような点に注意が必要です。

 

@手続きは退職から20日以内に!

 

退職から20日以内に手続きをしなければなりません。もし20日を過ぎてしまうと、任意継続はできなくなってしまいます。任意継続ができなくなったら国民健康保険に入らざるを得なくなります。20日以内ですと、あまり余裕がありませんね。

 

例えば、3月末で会社を辞める場合に任意継続したいのであれば、4月の20日までに手続きをしなければならないわけですから。忙しくてなかなかできなくて気がついたら2、3か月過ぎてしまっていたとなったら、残念ですが任意継続はできないということになります。

 

A最長2年が限度です!

 

任意継続はできるのですが、最長でも2年しかできません。ですから、仮に今年会社を辞めて今年から任意継続にしたら、来年、再来年までの2年間は任意継続も可能ですが、それが限度となります。

 

3年目からは国民健康保険に切り替えるか、あるいは別の会社に再就職した場合は、その別の会社の健康保険に加入することになります。

 

B保険料は全額自己負担です!

 

現在あなたが会社に勤務されているのなら、毎月の給与明細を見れば、そこから毎月健康保険料が天引きされているのがわかると思います。

 

この明細に載っている金額は、会社員であるあなたが負担している金額なのですが、実はこれは半額なのです。実際にはその2倍の金額が必要で、残りの半分は会社が負担してくれているのです。

 

つまり、会社員が加入している健康保険の保険料というのは、社員個人と会社で半分ずつ払っているということです。

 

ところが、会社を辞めた場合は、これが全額自己負担になるわけですから、会社を辞めて任意継続をした場合は、単純に考えれば、これまで支払っていた毎月の保険料が2倍になるのです。

 

ただ、厳密には細かい計算式があって上限が決まっていたりもしますので、一概に2倍とはなりません。おおよそ2倍ぐらいだと覚えておくとよいと思います。

 

ですから、その金額を会社を辞めてから支払っていけるのかということを、あらかじめしっかりシミュレーションしておく必要があります。

 

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国民健康保険に加入する際の

注意点は?

 

国民健康保険に加入することを選択した場合には、次のような点に注意が必要です。

 

@手続きは退職してから14日以内に!

 

これは、もう自分は退職して国民健康保険に加入するので任意継続はしないと決めたのであれば、退職から14日以内にあなたが住んでいる地域の市区町村など役場の窓口に行って、国民健康保険に加入する手続きをします。

 

A遡って請求されます!

 

国民健康保険への加入手続きが、会社を辞めてから14日を過ぎてしまった場合でも手続き自体はできます。ただし、加入日はその役所に行った日ではなくて、退職した日の次の日からになります。

 

ですから、たとえ国民健康保険への加入を先延ばしにしても、先延ばしした分は遡って全額請求されてしまうので得はしないということです。

 

つまり、2〜3か月先延ばしにしたからといって、その2〜3か月分の保険料を支払わなくてよいわけではないのです。これも日本には国民皆保険という決まりがあるからですね。結局のところ、会社を辞めたら早めに手続きをしてしまった方がよいということなのです。

 

B資格喪失証明書が必要

 

会社を辞める際に保険証を返却すると、その会社の健康保険から抜けるので、健康保険に加入しているという資格を失います。ですから、退職時に「私は健康保険に加入しているという資格を失いました」という書類を会社から渡されます。

 

その証明書類を持って役所に行き、「私は今資格を失っているので健康保険に入っていませんので、国民健康保険に加入したいです。」と言って手続きをしなければなりません。。この資格喪失証明書は、会社を辞めるときにしっかり受け取るようにしてください。

 

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任意継続と国民健康保険

保険料が安いのはどちら?

 

会社を辞めた後、任意継続をするのか、あるいは国民健康保険に入るのか、どちらかしかないわけですが、どちらが得なのでしょうか?

 

保険料はできるだけ安い方がいいですが、保障はできるだけ手厚い方が良いですからね。まずどちらを選択しても、窓口負担は基本的には3割なので同じです。

 

ただし、毎月支払う保険料が任意継続と国民健康保険では人によっても違ってきますので、どちらが得なのか私たちそれぞれで比較する必要があります。

 

@条件により違ってくる!

 

国民健康保険であれば、住んでいる地域や前年の所得などで様々な計算式があって異なるという意味です。ちなみに、あなたが現在会社で加入している健康保険が、毎月いくら天引きされているかというのは給与明細を見ないとわかりません。

 

このように条件によっても異なりますので、一概にどちらが得かというのはなかなか判断が難しいといえます。最終的にはあなた自身で決めなくてはいけません。

 

A任意継続は固定額の支払い!

 

会社を辞めた後も任意継続を続ける場合には、その会社の健康保険組合にそのことを申し出るのですが、その際に、年収や過去の支払いから任意継続する場合にはどれぐらいの金額を支払うのかが決まります。

 

その金額が決まり任意継続で払い続けるのですが、払い続ける金額は2年間ずっと固定ということです。固定の方が良いのではないかと思うかもしれませんが、会社を辞めた後もその金額を払い続けることができるかどうか、きちんと考えておく必要があります。

 

B国民健康保険は前年度所得

 

国民健康保険というのは、前年度の所得に応じて保険料が変わってきます。ですから、国民健康保険に加入した場合は、前年度の所得が多いと保険料が高くなってしまうのです。

 

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極端な例では、会社を辞める前の年はかなり頑張って働いたので所得が高かったので、その所得にかかってくる国民健康保険の保険料はかなり高くなってしまうはずです。

 

その一方で、会社を辞めて2年目、3年目となると、今度は会社を辞めた後の1年間は、おそらく年収は下がっているでしょうから、その下がった年収に対して保険料がかかってくるので、かなり安くなってくるということになります。

 

ですから、任意継続で固定にした場合と、国民健康保険で前年度にした場合を比較すると、固定はずっと同じ金額ですが、国民健康保険でも最初の1年はきついですが、その後はグッと下がることになるので、その辺りを考慮する必要があります。

 

C健康保険組合のサービス

 

それから、単純に保険料だけではなく、例えば会社の健康保険であれば、医療保険の保険料以外にも、健康保険の加入者が利用できる様々な待遇・処遇があります。保養所や健康保険組合が持っているサービスを受けられるというメリットもあるわけです。

 

ですから、総合的な判断がポイントとなります。

 

 

会社を辞める前の

健康保険の準備は?

 

@健康状態を万全にしておく

 

まずよく言われていることですが、治療を受けておくことです。会社員の時であれば、現在持っている保険証で治療できますので、会社を辞める前に歯の治療をしたり、病気があるのなら早めに検査を受けて治したりすることをお勧めします。

 

会社を辞めた後というのは、次の仕事を探したり、会社を辞めた後の手続きの準備など、色々とやることがあるわけでかなり忙しいです。

 

そんな時に体を壊してしまったら、さらに忙しくなってしまいますから、会社を辞める前に一度健康状態を万全にしておきたいところです。

 

A手続きの日程を立てておく

 

前述したとおり、会社を辞めた後14日以内とか20日以内とか期限が決まっています。会社を辞めた後、つい手続きを忘れてしまったり、焦って手続きをすることのないように日程をあらかじめ作っておくのが理想的です。

 

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B保険料を計算しておく

 

任意継続する場合は、現在加入している健康保険組合に問い合わせれば、おおよその目安はわかります。国民健康保険に加入する場合も、色々な計算方法がインターネットを検索すれば出てきますし、直接窓口に問い合わせることもできます。

 

このとき、任意継続した場合と国民健康保険に変えた場合でどう違うのか、その金額を自分が会社を辞めた後も支払わなければいけないのだということを頭に入れておくようにします。

 

そして、お金のシミュレーションをしてみて、そのためにはどれくらいの蓄えが必要になるのかということもきちんと計算するようにしておきます。

 

 

会社との手続きは?

 

会社を辞めるに当たり、会社と従業員との関係で健康保険で手続きをする必要があるのは以下のものになります。

 

@保険証の返却

 

まず会社に保険証を返却する必要があります。あなたも現在手許に保険証を持っていると思いますが、会社を辞める際には、それを会社に返す必要があるのです。その際に、番号を控えておくようにしてください。

 

よくそれを丸ごとコピーして、情報を取っておいてから返却すると良いと言われます。これは、任意継続をする時に、保険の加入者番号などを書かなくてはいけないからです。

 

A資格喪失証明書の受け取り

 

これは保険証を返却して、「私はもう健康保険の資格を失いました」ということを証明する書類を、会社から渡されるものです。この資格喪失証明書は、役所に行って国民健康保険に加入する際に提出しなければなりません。

 

B健康保険組合の調査

 

これは現在あなたが加入している会社の健康保険で任意継続する場合、どこで手続きをすればいいのか、自分の会社が所属している健康保険組合の窓口や場所はどこか、具体的にどのように問い合わせをしたらよいのか、というようなことを事前に調べておくようにします。

 

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