事例検討
このたび就業規則と退職金規程の一部が改正されてことに伴い、5年ごとに退職金の支給を受けることになりました。このような打切支給は、退職所得になるのでしょうか?
※本人は退職しておらず、その予定もありません。
アドバイス
退職給与の打切支給は、退職所得ではなく、給与所得として取り扱われます。
そもそも退職所得とは、
どのようなものをいうのですか?
所得税法では、退職所得について次のように規程しています。
↓
『退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与』
所得税法では、退職所得について
次のように規程しています
退職所得にあたるのかどうかは、退職金という名称であってもなくても、実質で判断します。
では、「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与」をどう判断するかということですが、次の要件を満たすことが必要とされていますので、チェックしてみてください。
■退職すなわち勤務関係の終了という事実によってはじめて給付されること
■従来の継続的な勤務に対する報償ないし、その間の労務の対価の一部の後払いの性質を有すること
■一時金として支払われること
これらは、形式的に満たしていなくても、実質的に満たしていればOKです。
私の場合はどうなるでしょうか?
ご質問の場合は、少なくても実質的に上記の「退職すなわち勤務関係の終了という事実によってはじめて給付されること」という要件を満たしていません。
この退職したという事実がない以上、打切支給した退職給与は、税務上、賞与として取り扱われます。
よって、退職所得ではなく、給与所得として課税されることになります。