相続放棄と限定承認の手続きと期限についてわかりやすく!

 

 

相続放棄限定承認

手続き期限についてわかりやすく!

 

 

今回は、相続放棄と限定承認についてのお話です。前回までは遺産をもらうことを前提に「どうやってもらおうか」「何をもらおうか」というお話でした。今回は遺産をもらいたくないというお話です。

 

例えばどのようなときにこういうことを一番考えるのかというと・・・

 

負債がある、「親の借金が結構あるな」「借金は相続したくないな」というときに、相続の放棄をしようか限定承認をしようかということを考えます。

 

 

相続放棄と限定承認の違いは?

 

相続放棄と限定承認では何が違うのでしょうか?相続放棄はすべてもらわない、一方、限定承認はプラスの財産はもらい、マイナスの財産はプラスの財産の範囲で相続するということです。

 

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若干、これですと意味がわかりにくいですが、どういうことかというと・・・

 

相続放棄はいいと思います。とにかく何もかも関係ありません、親の財産をもらい間千よということですからわかりやすいですよね。他方、限定承認というのは何かというと、例えば被相続人Aさんがいて土地建物と預金が遺産としてあったとします。

 

また土地建物が3,000万円で預金が1,000万円あったとします。一方で借金が5,000万円あったとします。この場合、限定承認をするとどういうことになるのかというと・・・

 

限定承認をすることによって、この不動産の預金は相続できます。ところが、借金は5,000万円あります。もらったプラスの財産よりもこの借金の方が多いですよね。そうなるともらっただけ損ですよね。

 

それではどうするのかというと・・・

 

あくまでもプラスの財産の範囲でもらうということなので、相続をした人は4,000万円だけ払えばいいのです。それ以上は支払わなくてもいいのです。これが限定承認という制度になります。

 

これだけみると非常に良い制度ですよね。ですが、この限定承認を実際に使うのは非常に大変です。

 

 

相続放棄と限定承認の手続きは?

 

続いて、限定承認はどのように手続きしたらいいのかというお話です。これは相続放棄と限定承認のいずれにも共通することなのですが、どちらも家庭裁判所で行われます。

 

ですから、何か書類を書いて印鑑を押して他の相続人に「私は相続を放棄します」と出しても意味がありません。家庭裁判所に「相続放棄をします」「限定承認をします」と言って受け付けてもらえないと、相続放棄や限定承認という効果は出ません。

 

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それからこれも共通なのですが、いずれも相続が始まった、誰かが亡くなったことを知ってから3ヵ月以内にしなければなりません。

 

さらにこれもどちらにも共通なことなのですが、ある程度遺産に手を付けてから「ちょっとこれは大変だ」ということで「相続放棄をしよう」とか「限定承認しよう」ということはできません。

 

なので、相続放棄や限定承認をするときには、絶対に遺産にさわらないでそのままの状態でやってください。

 

 

相続放棄と限定承認の手続きの違いは?

 

相続放棄と限定承認の手続きにおいて一番の違いは、相続放棄は相続人がそれぞれ自分一人でやれることです。その相続人が「遺産をいるかいらないか」という話だけだからです。

 

一方、限定承認は法定相続人全員が必要になります。なぜかというと、先ほどの事例の場合でしたら、遺産と負債を見て負債の方が大きいときには、「もらった財産の分だけ借金を払いますよ」ということになりますが、これは個々の財産ではなくて遺産全体で見るからです。

 

そうすると、誰かは限定承認したけれど誰かは限定承認しないという扱いはできませんから、相続人全員で限定承認する必要があるのです。

 

ということでいうと、限定承認というのは非常に大変です。何が大変かというと、たった3ヵ月で法定相続人を全員探し出して、法定相続人全員に印鑑をもらって手続きしないとダメですよということですから、これはかなり期間的に厳しいです。

 

 

相続放棄や限定承認はどんなときに使うの?

 

それなら実際に相続放棄や限定承認はどのようなときに使うのかというと・・・

 

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まずどう考えても借金が多いというときには、これは相続放棄ですよね。もらっても仕方ありませんから。それでは限定承認はどのようなときにするのでしょうか?

 

これは実務的には2つのパターンがあります。

 

1つは、遺産がプラスが多いのかマイナスが多いのかよくわからないというケースです。万が一マイナスの方が多いと困るから限定承認しておこうというケースです。

 

2つ目は、どうしても相続したいものがあるというケースです。遺産の中でどうしてもこれだけは現物を確保したい、例えばある不動産であるとか、親の形見の骨董品だとか、「絶対にそれに見合うお金を支払ってでも絶対にこれだけは手にしたい」というときには限定承認するしかありません。

 

限定承認しなければ、遺産である以上は相続放棄してしまったら別の相続人のところに行くか、国に持って行かれるという話ですから、自分が手に入れることが確実にできません。

 

限定承認が使われるのは、概ねこの2つのパターンになります。

 

 

相続放棄と限定承認の注意点は?

 

相続放棄をするときには、プラスの遺産とマイナスの遺産をよく考えましょうということです。というのは、借金が多いからといって必ずしも相続放棄をしなければいけないという話ではないからです。

 

例えば、保険金とか死亡退職金、こうしたお金がドンと何千万円も出るときがあるのですが、これらは多くの場合遺産ではありません。

 

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そうすると、親の借金がたくさんあって、遺産の現物には特に欲しいものはないけれど保険金や死亡退職金が欲しいというのであれば、迷わず遺産放棄ですよね。そうすれば、保険金と死亡退職金はもらって、それは一切借金の返済に充てなくて済むということになります。

 

ということで、相続放棄や限定承認を考えている人は、早めに専門家に相談されることをおすすめします。

 

 

期限3ヵ月は短いです!

 

期限が3ヵ月ということを聞くと「随分時間があるではないか」と思われるかもしれませんが、実際に申立てをするには戸籍を取らなければなりません。

 

ちなみに、相続放棄や限定承認をしようという場合は、亡くなった人と疎遠であったり、疎遠ではないけれど亡くなった人がどんな財産を持っていて借金を負っているのかよくわからないというケースが多いです。

 

そういうときには、実は相続人に自分の知らない兄弟がいたりすることも珍しくありません。そのような場合、戸籍を追うのは結構大変です。そうすると、もし相続放棄や限定承認をするという場合、3ヵ月目に入ってからやるというのではもう手遅れ気味です。

 

そういった場合には、相続放棄のこの3ヵ月を伸長してくださいという制度がありますのでそれを使ってください。いずれにしましても、「ちょっとこれどうしよう」「相続していいものなのかどうなのか迷うな」というときには、早めに専門家に相談しましょう。

 

実際、3ヵ月を過ぎてからどうにかならないかという相談を受けることもありますが、これは何ともしようがありません。

 

もう少し早く相談に来ていただいていれば、相続放棄の伸長をした上で、どれくらいの財産がありそうか、プラスの財産とマイナスの財産をある程度調べてからどうしようか決めることができたはずです。ですが、とにかく3ヵ月の期間を過ぎてしまったらどうにもなりません。

 

ですから、あまり普段から会っていない人、どういう財産を持っているのかわからない人が亡くなってしまって、相続しようか悩んでいるときは、早めに専門家に相談されることをおすすめします。

 

ということで、今回は亡くなった人がどういった財産を持っているか、借金を持っているかもわからなくて、相続するのが怖いなというときに検討する2つの制度「相続放棄」「限定承認」についてのお話でした。

 

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