遺産分割協議で集まれない場合|話し合いしない時は応じないで拒否してもいいの?

 

 

遺産分割協議集まれない場合は?

話し合いしない時は応じないで拒否してもいいの?

 

 

今回は、遺産分割協議の手続きについてのお話です。遺産分割協議というのは、相続人が全員で行う遺産の分け方についての話し合いのことです。この話し合いがまとまったら、その結果を遺産分割協議書という書面にまとめます。

 

遺言書のない相続の場合、遺産分割協議書がなければ、原則として不動産の名義変更や銀行預金の解約ができません。

 

つまり、遺産分割協議書は相続手続きにおいて非常に重要な書面といえるのです。遺産分割協議をめぐっては、よく以下のような相談があります。

 

「先日亡くなった親御さんの相続に関して、長男が全ての遺産を管理していて、どれだけの遺産があるのか全く分からないのにもかかわらず、突然長男から書類にハンコを押せと言われています。このまま印鑑を押してしまってよいものでしょうか?」というものです。

 

このような場合、通常、本来の相続分と比べてかなり少ない金銭の提供がなされるケースが多いです。これを「判子代(ハンコ代)」と言ったりします。

 

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しかしながら、一旦そのような不公平な遺産分割協議をにハンコを押してしまうと、後からこれを覆すことが非常に難しくなってしまいます。

 

ですから、遺産分割協議書に印鑑を押す場合には、遺産がどれだけあるのかを正確に把握して、その上で本来であればいくら相続できるのか、ご自分が相続される金額をきちんと知ったうえで、提案された内容を承諾するかどうかを慎重に決めることが大切です。

 

 

遺産分割協議で集まれない場合は?

 

続いて以下のような相談も比較的多いです。

 

「遺産分割協議をしたいけれど、相続人が全国各地に散らばっていて、場合によっては海外に住んでいて、簡単に集まって協議をすることができません。」というものです。

 

このような場合は、郵便などを利用して持ち回りで協議を進めざるを得ません。しかしながら、中心となって話をまとめる人がいない場合には、いつまで経っても協議がまとまらないということもあります。

 

遺産分割協議書には印鑑証明書が必要となりますが、手続きによっては印鑑証明書の有効期期限が問題となることもあります。

 

そのためあまりに時間がかかりすぎると、また印鑑証明書を取り直してもらわなければならないという事態の陥ってしまうケースもあり得ます。また、相続人の一部が海外に居住しているような場合は、そもそも印鑑証明書という制度がないということもあり得ます。

 

この他、相続人の仲が悪くてそもそも話し合いができないというケースや、相続人の一部に未成年者がいるケースでは、代理人を立てて遺産分割協議をする必要があります。

 

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以上はほんの一例ですが、様々な要因で遺産分割協議そのものが簡単にはできない場合がありますので、そのような場合は一度専門家に相談されることをおすすめします。

 

 

遺産分割協議とは?

 

相続手続きに当たり、遺産をどのように誰が何を指定するのかという話し合いのことを「遺産分割協議」と言います。この遺産分割協議は、相続人の確定、また遺産の状態の確定、具体的には遺産目録の作成などを経たうえで話し合い、協議に入ることになります。

 

ただし、この遺産分割協議は、スムーズにまとまることもあれば、いわゆるもめる争う「争族」になってしまうこともままあります。

 

遺産分割協議については、単純に財産を分けるという側面だけではなく、亡くなった人に対する貢献や、その人から過去に財産をもらっていたなど、相続人の気持ちが非常に絡んできますので、場合によってはスムーズに進まないこともあります。

 

そして、スムーズに進まない場合に感情的になってしまうと、その後の親族関係が非常に悪化してしまう場合もありますので、具体的な進め方などについて弁護士など専門家に相談されるとよいと思います。

 

 

遺産分割協議は丁寧に!

 

遺産分割というのは、相続人の間でどのようにでも分けることができます。それだけに相続人間の力関係が大きく影響します。

 

最近は、相続人の中にリーダーシップを発揮して円満に相続を取り仕切る人が少ないので、それぞれみなさん、相続の後で残る心のしこり、後味の悪さ、その後の関係のギクシャクなどで悩んでいる人も多いです。

 

司法統計年報によると、平成21年には114万人が亡くなり相続が開始されていますが、家庭裁判所に持ち込まれた相談件数はなんと16万6千件にも及びます。つまり、10人に1人以上が裁判所に相談しているのが事実なのです。

 

裁判所なんて行けないと考える人が10倍いたとしたらどうでしょうか?全員が相続で不快な思いをしていることになります。だからこそ相続は、丁寧に進める必要があるのですね。

 

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