遺産分割協議は遺言と違ってもいいの?遺言書のメリットとは?

 

 

遺産分割協議遺言と違ってもいいの?

遺言書のメリットとは?

 

 

今回は、遺言と遺産分割協議についてのお話です。これはどちらもよく聞く言葉ですが、それぞれの関係についてはなかなかご存知ないところだと思います。

 

一般的には遺言の方が知られていますが、亡くなった人が自分の資産に関してはこう分けたいとか、こう受け取ってほしいとか、意思を示すものが遺言です。一方、遺産分割協議というのは、亡くなった人の遺言が特にないときに、それなら家族でどう分けるかというのを話し合って決めるというものです。

 

 

遺言と遺産分割協議が違う場合は?

 

遺言がある一方で、「家族ではこう分けます」というのがもし違った場合にどうなるのかということです。これは往々にして想定できることです。

 

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結論から言いますと、遺言よりも遺産分割協議の方が優先されます。これは実際の判例でもありますし、感覚的にもわかりやすいと思います。

 

例えば、遺言で「私は1億円の資産と2億円の負債をあなたにあげます」と言われても、受け取りたくないですよね。こうした場合、遺言とは違うけれど家族で話し合ってこういう分け方にしました、というようにそれがまとまれば、遺言ではなくて遺産分割協議の分け方で分けることができます。

 

つまり、遺産分割協議の方が、最終的には家族で話し合って仲良く決まればそれが一番強い、優先されるということです。これは頭に入れておいて下さい。

 

遺言書があったらそれに従わなければと思われている人も多いのですが、亡くなった人の意思は尊重しながらも、協議によってうまく分けられるのならそれでもよいということです。

 

遺留分といって最低限家族が受け取れる割合がありますので、遺言で、それよりも少ないものしか受け取れない人がその遺留分を主張するということもできます。この場合も、遺言は負けてしまいます。

 

ですから、遺言が必ずしも一番に優先されるものではないということは覚えておいて下さい。

 

 

法定相続分と違う遺産分割協議はできるの?

 

法定相続分と違う遺産分割協議はできるのでしょうか?例えば、奥さんと子供2人が相続人だった場合、奥さんにご主人の財産をすべて相続させるという協議がまとまったとしても問題はないのでしょうか?

 

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法定相続分というのは、民法によって、その立場ごとに、その相続の中でいくらの割合で相続されるかというものが決められているものです。ただ実際に遺産をどのように分けるかというのは、各家庭の事情によって変わってきます。

 

例えば、自宅や先祖代々の田んぼや畑がある場合は、ある決められた人に引き継いでもらった方がいいでしょうし、老いた親を介護する場合には多目にもらう、そういったことも含めて遺産分割協議をするというパターンもあり得るわけです。

 

そこで、機械的に遺産の分け方を決めるのでなく、遺産の種類やその相続人の事情によって自由に決めることができるようになっているのです。なので、特に話し合いがまとまるようであれば、一人が全ての遺産を相続するというのも全く問題ありません。

 

 

遺言書作成のメリットは?

 

今回は、こんなとき遺言は効果を発揮する、というお話しです。本当にベストな遺産分割は相続が発生した時点で、その時の税制や相続人の個別事情、資産価値などを考えて、相続人全員が満足できるよう分け合うことです。

 

しかしながら、相続人同士の話し合いである遺産分割協議ではまとまらないケースも多くあります。同じ遺産分割でも、遺言書があっても遺産分割協議でまとめる場合と、遺言書がない状況で遺産分割協議をまとめる場合とでは、そのまとめ方は全然違ってきます。

 

ですから、よく私は「保険的な意味で遺言書を作成しておきましょう」と言っています。

 

私は本当に遺産分割がまとまらないときには、遺言書を執行すればよいと考えています。そして、実際にそのやり方、遺言書があっても遺産分割協議でまとめるやり方で、遺言書の分割案よりみんなが納得できる遺産分割ができたケースも数多くあります。

 

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遺言書のメリットとは?

 

一般的に言われている遺言書のメリットとしては、大きく6つあります。

 

まず1つ目のメリットは、自分の意思をあきらかにでき、自分の意思で遺産を分割できることです。2つ目のメリットは、遺産分割において故人の意思があれば、相続人もある程度納得するので、トラブルを少なくできることです。3つ目のメリットは、遺言執行人を選んでおけばスムーズな相続(遺産分割)ができることです。

 

4つ目のメリットは、長男に農業などの事業を継がせたいといった本家が中心の相続に有効であることです。5つ目のメリットは、財産の分け方を工夫することができ、相続による財産の減少を抑えられることもあることです。6つ目のメリットは、法定相続人以外のお世話になった人などにも遺贈という形式で財産を贈与できることです。

 

 

遺言書が効果を発揮できる場面とは?

 

以下のような場面において、遺言書は効果を発揮します。

 

1つ目は、遺産の種類や数が多いとき、あるいは相続人同士の分割協議ではなかなかまとまりそうにないときです。2つ目は、法定相続分と違った割合で相続させたいときです。3つ目は、推定相続人が配偶者と兄弟姉妹、あるいは、配偶者と親で、配偶者に多くの財産を残したいときです。

 

4つ目は、配偶者と兄弟姉妹しか相続人がいないときです。被相続人に子供、直系尊属がいないときは、兄弟姉妹が法定相続人になります。しかしながら、配偶者と義理の兄弟姉妹の間での話し合いというのは、なかなか難しいものです。

 

ただ、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言書を残しておけば、配偶者に遺産のすべてを相続させることができるのです。

 

5つ目は、自営業や農業を営んでいるときです。後継者の指定や資産の細分化防止に役立ちます。農家の場合の田畑や個人事業主などの店舗などの資産は、分割すると事業の継続が難しくなることがあるからです。

 

6つ目は、推定相続人以外の人、内縁の配偶者や面倒をみてもらった息子のお嫁さんなどに財産を与えたいときです。

 

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