遺産分割の方法|現物分割/代償分割/代物分割/換価分割/共有分割とは?

 

 

遺産分割の方法とは?

現物・代償・代物・換価・共有分割

 

 

次に遺産分割の5つの方法についてのお話です。この遺産分割も相続発生後3ヶ月以内に行なうことの1つです。

 

まず1つ目の分割方法は、現物分割です。この現物分割は、相続において一番ポピュラーな方法です。具体的には、一つ一つの財産についてその取得者を決めていく方法になります。

 

例えば、不動産は長男、預貯金は長女、株式は次男、というように財産をそのまま分割します。

 

ただ、相続人それぞれの意見や希望が絡んでくるので、意見を調整する上で長引くケースもあります。なので、遺言で指定する、あるいは現物を調整するための現金を用意しておくなどすると、比較的スムーズに進められます。

 

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2つ目の分割方法は、代償分割です..

 

この代償分割は、相続人の一部が現物を取得した上で、他の相続人にそれに見合った金銭を支払う方法になります。

 

例えば、相続財産が分割に適さない不動産などの場合、相続人の1人がその不動産などを自分の相続分を超えて相続します。そして超過分については、その相続人の財産の中から金銭で支払います。

 

この代償分割は、遺産を分割せずに相続できるというメリットがある反面、他の相続人に支払う金銭を用意できないと、再度遺産分割協議を行うことになるというデメリットもあります。

 

 

3つ目の分割方法は、代物分割です..

 

代物分割は代償分割とよく似ていますが、相続分を超えて一旦相続財産を取得した人が、自分の財産の中から株式や不動産、債券などの現物を、他の相続人に譲渡することで帳尻を合わせる方法になります。

 

この代物分割は、遺産を分割せずに相続できるとういメリットがある反面、代償金の代わりに土地などを与えた場合には、譲渡所得などが課税されるというデメリットもあります。

 

 

4つ目の分割方法は、換価分割です..

 

換価分割は、相続財産をすべて売却するなどして現金に換えて分割する方法になります。

 

一般的には、法定相続分どおりに分割したいという場合などによく使われます。換価分割は、均等に分割できるというメリットがある反面、譲渡税や譲渡所得税の対象になるというデメリットもあります。

 

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5つ目の分割方法は、共有分割です..

 

共有分割は、不動産などのように相続財産が分けにくいものがある場合に、相続人の共有という形で相続する方法になります。

 

共有分割は手軽ですが、後々処分が持ち上がったときにトラブルになるケースもあります。

 

この共有分割は、相続人全員が持分にかかわらず権利を主張できるというメリットがある反面、双方の同意が必要になった場合に意見がまとまらないとトラブルに発展するというデメリットもあります。

 

以上、5つの分割方法のうち、代物分割と換価分割については、譲渡した資産の譲渡益は所得税の課税対象となりますので注意が必要です。

 

 

遺産分割協議とは?

 

遺産分割協議も相続発生後3ヵ月以内に行います。遺言書がある場合は、法定相続分に優先して遺言書のとおりに分割していきます。このとき、遺留分の侵害がないかどうかを確認していきます。

 

遺言書がない場合は、法定相続分を参考に遺産分割協議を進めていきます。ここで、「法定相続分」「遺留分」という専門用語が出てきましたので、これらについて説明しておきます。

 

 

法定相続分とは?

 

まず法定相続分というのは、民法で定められた相続財産の取り分を示したものになります。法定相続人が配偶者と子供のみの場合、取り分は2分の1ずつです。また、相続人である子供が複数いる場合は、2分の1をさらに子供の数で割ります。

 

例えば、子供が3人の場合は、子供1人当たり6分の1(1/2÷3)が法定相続分となります。

 

続いて、相続人が配偶者と親の場合です。配偶者は3分の2、親は3分の1となり、この割合が法定相続分となります。最後に、相続人が配偶者と被相続人の兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

 

仮に配偶者がいない場合は、子供→父母→兄弟姉妹の順で相続財産を相続することができます。ただし、優先順位の高い相続人が1人でもいる場合は、その下の順位の相続人は相続財産を受け取ることはできません。

 

 

遺留分とは?

 

遺留分というのは、相続財産の一定割合を法定相続人に対して確保するために設けられた相続財産のことを言います。ちなみに、兄弟姉妹には遺留分は認められません。

 

遺留分の計算は、相続人が直系尊属のみの場合を除いて、法定相続分の2分の1を掛けた数字が遺留分として認められます。一方、相続人が直系尊属のみの場合は、3分の1を掛けた数字が遺留分として認められます。

 

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