任意後見制度とは?メリット・デメリットは?法定後見制度との違いは?

 

 

任意後見制度とは?

メリット・デメリットは?

法定後見制度との違いは?

 

 

今回は、任意後見制度についてのお話です。

 

終活を考える際、例えば自分の判断能力が低下した時に、誰かに見守ってほしいと考える人は多いです。その際に成年後見制度について考えるわけです。

 

ですが、一般的に言われている成年後見制度というのは、自分の判断能力が低下してから申立てで使うものです。

 

一方、任意後見制度というのは、自分が元気なうちに自分が選んだ人に、「この人に後見人になってほしい」という人に、契約を結んで自分が判断能力が低下した時に色々な事務処理、財産管理であるとか身上監護といわれる事務などをやってもらう、という制度です。

 

ここで任意後見制度の一番のメリットは、自分が選んで信頼できる人に頼めるということです。一般の法定後見制度ですと、自分が選んだ人が後見人になるとは限りません。

 

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また、もう1つのメリットとして、任意後見制度を利用すると自分の死後の手続きまで依頼することができるということがあります。

 

例えば、財産処分もそうですが、埋葬や葬儀の手配、お墓の購入などそういった一式、年金や保険手続きなどもありますがそういったものまで頼めます。

 

一般的な法定後見制度であれば、自分が亡くなると成年後見自体が終了してしまいます。なので、後見人は何もできなくなります。この点においても任意後見制度を利用するメリットが、終活を考える上ではあるのかなと思います。

 

 

任意後見制度のメリット・デメリットは?

 

続いて、任意後見制度のメリット・デメリットについてのお話です。

 

最近、任意後見制度が脚光を浴びています。というのも、任意後見制度のメリットとして、「自分のお願いしたい人に後見人をお願いできる」ということがあるからです。

 

これに対して、法定後見制度ですと、自分が会ったこともないとか、そういう人が選ばれてしまう可能性があります。この点、任意後見人でしたら「この人にやってほしい」という人と契約して選んでおけるというメリットがあります。

 

また、任意後見制度を利用すると契約内容も自由に決められますので、一般的な法定後見制度とは違い自分がして欲しいこと、不動産を持っていればそういった辺りのこともやってもらうことができます。

 

さらに任意後見制度では、委任契約で死後の事務委任契約というものを付ければ、生前の後見制度から死後の事務処理まで、トータルして一貫して依頼できるメリットもあります。

 

 

任意後見制度のデメリットは?

 

任意後見制度のデメリットは2つあります。

 

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1つは、任意後見人に取消権がないことです。任意後見人は取消権がありませんので、例えばご本人が認知症などで詐欺に遭ったとしても、それを取り消す権利はありません。

 

これはかなりのデメリットです。ですから、消費者被害に遭う恐れのある人とっては任意後見制度は使いづらいかなと思います。

 

もう1つのデメリットは、その仕組みです。任意後見人に報酬を支払うのが一般的なのですが、任意後見制度を利用する際には“任意後見監督人”が選任されますので、この任意後見監督人に対しての報酬も発生してしまいます。

 

年1回の監督なのでそれほど費用は大きくはなりませんが、やはり一般の成年後見制度よりは費用がかかってしまうというデメリットがあります。

 

 

法定後見制度と任意後見制度との違いは?

 

続いて、法定後見制度と任意後見制度との違いについてのお話です。法定後見制度と任意後見制度との違いについては、よくわからないという声が多いです。

 

まず法定後見制度は、すでに判断能力が低下している人が利用する制度になります。認知症が見られる方などですね。

 

一方、任意後見制度は、判断能力がしっかりしているときに前もって契約を結ぶものです。つまり、将来的に判断能力が低下したら後見をして下さいねという契約を結びます。

 

次に、法定後見制度では後見人を家庭裁判所が決めます。候補者を決めて申し立てをすることは可能ですが、最終的には家庭裁判所が決めることになります。なので、自分が後見人になってほしいという人が必ずしもなるとは限りません。

 

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これに対して、任意後見制度は、自分で選んだ人に「あなたお願いしますね」ということで契約を結びます。つまり、その人が後見人になります。ですから、あなたに後見人にしたい人がいるという場合はこちらを利用するのがいいのかなと思います。

 

次に、法定後見制度は原則として家庭裁判所が後見人を監督します。

 

年に1回報告義務があります。具体的には、財産状況などを家庭裁判所に報告することになります。なお、稀に後見監督人が選任されることもあります。

 

一方、任意後見制度では、最初に任意後見監督人を選任しますので、その任意後見監督人が監督してくれます。

 

最後に、法定後見制度では、本人が死亡した時点で後見業務が終了します。

 

ですから、その後の例えば葬儀や福祉施設からの退去といったことに関しては、原則として法定後見人の業務ではありません。できないことになっています。

 

一方、任意後見制度でも後見は死亡時に終了するのですが、死後の事務委任契約といったものを最初の契約の時に合わせて結んでいれば、葬儀の手配や供養のこと、福祉施設からの退去など、そういったものも委任できます。

 

なので、身寄りのない方の場合は、任意後見制度の方がメリットが大きいのかなと思います。

 

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