遺言執行者の報酬と義務|遺言執行費用と遺留分の侵害

 

 

遺言執行者報酬義務とは?

遺言執行費用と遺留分の侵害

 

 

今回は、遺言執行の費用と報酬についてのお話です。遺言執行者というのは、遺言の内容を実現するために活動する人のことを言います。遺言執行者の活動には、当然費用がかかります。

 

例えば、財産目録を作成するための費用であったり、相続財産を実際に執行するまでの管理をするための費用であったり、また、遺言執行の内容として訴訟や裁判をしなければならない場合の訴訟費用などもかかります。

 

またそれ以外に、ほとんどのケースで遺言執行者の報酬もかかります。このような遺言執行の費用については相続財産から払うという形になります。

 

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遺言執行費用でも遺留分の侵害はできません!

 

ただし、これらの費用を相続財産から払う際に、もともとの法定相続人が最低限とることのできる遺留分の侵害はできないとされています。

 

遺留分の部分まで遺言執行費用がかかってしまうようなときには、その負担は受遺者、つまり遺言によって利益を得る人が負担をすべきものとされています。

 

この遺言執行者の報酬に関しては、どのように決めるのかというと、遺言書の中で決めている場合にはその定めに従うことになります。

 

また、その遺言書の中に定めがないケースでは、協議で決めたり、家庭裁判所に「報酬を決めて下さい」と審判を申立て決めていくことになります。

 

家庭裁判所の審判では、遺言の執行にどのような報酬が認められるのかというと、通常は、遺産の金額であったり、遺言執行者の実際の活動の大変さなどで決められます。

 

このように、遺言執行に関しては、相続財産から費用や報酬が差し引かれるという形になりますので、もめたりトラブルが予想される場合には、その報酬も含めて遺言を考えておいた方が無難です。

 

 

遺言執行者の義務とは?

 

遺言書を書いても、その内容が執行されなければ意味がありません。では、実際に遺言者が亡くなった後、その遺言書の内容に沿って、誰が財産の引き渡しや名義変更を行うのでしょうか?

 

その役割を担うのが“遺言執行者”になります。

 

遺言執行者は必ず選任する必要はありませんが、遺言で選任しておいた方がよいです。遺言執行者は相続人を含め誰でもなれますが、相続人を選任する場合は、他の相続人と利益相反の関係になる点を考慮した方がいいです。

 

遺言執行者は遺言に従い、相続財産を調べて財産目録を作成し、財産の引き渡しや名義変更を行います。相続人全員に連絡を取り、金融機関などに出向いて解約手続きや名義変更の手続きをします。こうした手続きはとても大変です。

 

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選任した遺言執行者が高齢で実務を行えないケースも少なくありませんから、こうした点も考慮した方が親切です。

 

一連の面倒を引き受けるために、遺言作成から遺言書製本・管理・保管、遺言執行を代行してくれる遺言信託を利用するのも一つの方法です。こうした信託銀行の商品もありますので、相談してみるのもよいかもしれません。

 

 

遺言執行者とは?

 

遺言書を書いたとしても、それを実現する人がいないと意味がない、ということで定めるのが遺言執行者です。一般的に遺言執行者の職務というのは難しくて、弁護士や司法書士、行政書士などに依頼しないといけないように思われているかもしれません。

 

ですが、遺言執行者はすべての業務を自分でしなくても構いません。いわゆるコーディネーター的な役割を担うのが遺言執行者だからです。

 

自分は遺言執行者であるけれども、例えば、不動産登記については司法書士にお願いするとか、不動産の売却については不動産会社にお願いするとか、そういった遺産の処分全体をコーディネートできればいいのです。

 

なので、そういったことが得意であれば、無理に専門家を遺言執行者に選任しなくても大丈夫です。

 

また、親族のうち一人を遺言執行者にするのはどうも不安だということであれば、共同で複数の人を遺言執行者に選任することもできます。

 

遺言執行者は、共同相続人全員の代理人という位置づけになっていますから、すごく権限が大きいです。実際、相続人の許可なく意思に反しても、遺言内容を実現するための手続きを行うことができます。

 

また、不動産登記なども遺言執行者である旨の遺言書があれば、それによって手続きを行うことができます。

 

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