自己資金なし住宅ローン
頭金なしで家を買う!
今回は、自己資金ありの場合と自己資金なしの場合とでは、どちらがお得なのかというお話です。
自己資金なし、ありを保険に着目して考えるとどう違うのかについてみていきます。また、住宅ローンを組んだ時には団体信用生命保険に加入するのですが、これについてもみていきます。
自己資金なしとありとでどう違うの?
例えば、Aさん、自己資金1,000万円、住宅ローンの借入額2,000万円、預金残高0円の場合と、Bさん、自己資金0円、住宅ローンの借入額3,000万円、預金残高1,000円の場合を比較してみます。
上記の2つの例は極端ですが、要するに、自己資金を出す場合となしの場合です。これらのケースで、もし借入本人のご主人が亡くなってしまった場合どうなるでしょうか?
実際に借入本人が亡くなってしまうと、団体信用生命保険の保険が下りますので、その後は残された奥さんや子供さんは、残りの住宅ローンを返済する必要がなくなります。
ということは、預金残高が残らない場合(Aさん0円)と残る場合(Bさん1,000万円)とで差ができてしまうことになります。つまり、Aさんは家だけ残り、Bさんは家と預金が残ることになるのです。
住宅ローンの団体信用生命保険とは?
住宅ローンの団体信用生命保険というのは、住宅ローンを組む人を対象とした保険です。この団体保険とはどういったものかというと…
上場しているような大きな会社に勤めている方ですと、車の保険に会社で安く入れたりしますよね。普通に加入するより3〜4割引きで入れたりすると思います。これが団体保険です。
大企業が自分のところの社員や車に保険をかけるために、保険会社と契約している団体保険なのです。数が多いから安くして下さいと交渉しているわけです。
住宅ローンに関しては、銀行が保険会社に「うちで住宅ローンをたくさん取ってくるから、安くして下さいよ」と交渉している保険なのです。なので、団体信用生命保険は普通の生命保険より安いです。
団体信用生命保険の特徴は?
団体信用生命保険の保険の掛金がいくらなのかというと、もちろん借入本人が亡くなった場合は借入金額が0円になりますので、借入残高を掛金とした保険になっています。また、一般の保険と違い、年齢によって掛金が変わることはありません。
一般の生命保険ですと、30歳の人と60歳の人では、同じ2,000万円でも掛金が違います。例えば、今30歳だから1万円だけれど、40歳になったら1万5千円になって、50歳になったら2万円になって、というように段々上がっていきます。
これに対して、住宅ローンの団体信用生命保険の場合はそれがないのです。では、団体信用生命保険の保険料は誰が支払っているのでしょうか?
それは、銀行が金利の中から支払ってくれているのです。ただし、フラット35の場合はシステムが違いますので、ここでは銀行の話です。
銀行ローンで組まれる場合は、団体信用生命保険の保険料は金利に含まれているケースがほとんどです。ですから、ファイナンシャルプランナーの方は、生命保険を減額して住宅ローンの保険料に充てるのが有効だとよく言われます。
自己資金なしありの住宅ローンまとめ
自己資金なしとありの場合では、預金残高が変わってくるということです。また住宅ローンの団体信用生命保険というのは、一般の生命保険よりも料率が安く、保険料も上がらないのでお得だということです。
個人的には、今の低金利時代、返済が可能なら自己資金なしで預金を残しておくのも1つの方法だと思います。自分が亡くなった場合、家と現金を家族に残してあげられますからね。
もし実際に金利が上がって返済がきつくなったとしても、残していた自己資金で繰り上げ返済をすれば、その後の返済は楽になっていきます。
頭金なしで家を買う?
よくチラシやインターネットなどで「頭金なしで家が買えます」というキャッチコピーで家を販売していたりします。多いのは、すでに家が出来上がってしまっている建売業者などです。
では、本当に頭金なしで家は建つのでしょうか?
結論から申し上げますと、頭金なしで家は建てるのは難しいということになります。頭金なしでも家を建てることは可能なのですが、全くの0(ゼロ)円、1円も出さずにということになると現実問題としては難しいです。
土地を買うにしても、実際問題1円も出さないのでは、土地は買えません。
不動産屋や売主さんに対してもそうなのですが、土地を買う際には手付金を支払っていかなければならなくなるからです。通常の土地であれば手付金が10%、未完成物件については5%かかります。
例えば、1,000万円の土地なら100万円、未完成物件なら50万円という手付金を先に支払わないと契約ができませんので、50万円ないし100万円というお金は最初に用意はしておかなければなりません。
手付金0(ゼロ)円で契約できますかというと、ほとんどの会社で嫌がるケースが多いです。
なので、最低10%、ないしは5%というお金は必ず手付金で必要になります。ただ、そこで支払うのですが、例えば、1,000万円の土地に対して手付金10%払えば100万円です。
残りが900万円ですが、実際は1,000万円の土地に対して全額の借入れをしたいということで、そこで1,000万円の住宅ローンを組むことは可能です。
ですから、1,000万円の住宅ローンを組んで売主に900万円払うと100万円手元に残るので、最終的には自己資金0(ゼロ)円という状態にすることは可能です。
ですが、手付金0(ゼロ)円で契約はできません。例えば、建築会社でもそうだと思います。請負契約を交わすのに、手付金0(ゼロ)円でいいという会社は少ないと思います。最低10万円とか、通常1割で100万円とかを契約金として入れてから契約となります。
なので、最終的に契約金も含めての住宅ローンを借りるというのは可能なのですが、最初にある程度お金を入れないといけませんので、それくらいのお金は用意しておく必要があります。もちろん、そのお金は最終的には住宅ローンの中で賄うことができます。
例えば、最初に手付金として100万円支払ったとしても、最終的には返ってきて元の口座に返すことはできるのですが、土地を買ってから家が完成するまでの間に動かせるお金は必ず必要になります。大体100〜150万円くらいの動かせるお金は必要かなと思います。
なので、本当にお金を1円も動かさずに家を買うことができるのかというと、それはちょっと難しいと言わざるを得ません。
ただ、その動かせるお金が自分の手元になくても、少しの間親御さんから家が完成するまで借りるとか、身内の方にお金を借りて6〜8ヵ月回して、家が完成したら返すというのもありだと思います。
ということで、頭金なし、自己資金0(ゼロ)円でも家が建たないことはないですが、動かせるお金は用意しておくことをおすすめします。