住宅ローン借り換え目安・条件
メリット出る金利差は?デメリットは費用?
住宅ローンの借り換えというのは、今借りている住宅ローンを、違う銀行の違う商品に借り換えることによってメリットを出す仕組みです。どのような場合に借り換えた方お得なのか、その目安・条件は3つあります。
まず1つ目の目安・条件は、今、借りている住宅ローンと次に借り換える住宅ローンとの金利差が0.7%以上の場合です。
場合によっては、0.5%以上程度でもメリットが出ることもあります。ただ、一般的には0.7%以上の金利差があると、借り換えのメリットが出ると言われています。ちなみに、1%以上の金利差があれば、間違いなく借り換えのメリットを享受できます。
2つ目の目安・条件は、今借りている住宅ローンの残高が1,000万円以上あることです。
ちなみに、800万円でも借り換えのメリットが出たケースもありますので、必ずしも1,000万円ということではありませんが、一つの目安として1,000万円を頭に入れておいて下さい。
3つ目の目安・条件は、今借りている住宅ローンの残りの期間が10年以上あることです。
この10年以上というのは絶対条件になります。過去に色々な相談ケースを見てきましたが、住宅ローンの残期間が10年を切っている場合で借り換えのメリットを享受できたケースはなかったからです。
借り換えのデメリットは費用?
住宅ローンの借り換えというのは、本や雑誌などメディアでも取り上げられていてお馴染みかと思いますが、実は借り換えには諸々の費用がかかります。これは借り換えのデメリットと言えます。
そういった諸費用を含めて借り換えをするわけですから、その諸費用を支払っても、なお上記の3つの条件に合致していれば、借り換えのメリットを享受できるということになります。
一方、「そんな費用は手元にない」という方もいるかもしれません。そういった方は、借り換えを考える前にやるべきことがあります。それは「条件変更」です。
この条件変更は意外に知られていませんが、ほとんどお金がかかりません。今住宅ローンを借りている銀行にお願いして、条件を変えてもらうだけだからです。
例えば、35年返済で借りていたものを「30年返済に変えて下さい」とお願いしたり、あるいは元利均等返済で返済しているものを「元金均等返済に変えて下さい」とお願いして、銀行からOKをもらえれば条件変更ができます。
この条件変更は、利息を軽減する効果があります。条件変更にはお金はかかりません。一般的には5千円プラス消費税くらいの費用でできます。
ですから、借り換えを考えると同時にこの条件変更も検討してみて、どちらがお得なのかを比較して判断されることをおすすめします。
元利均等返済の借り換えデメリットとは?
やはり見た目の良い住宅ローンというと、短期の固定金利のものです。
金利を見ると非常に低金利に見えますので、ついつい飛びついてしまいがちです。そして中には、短い固定金利を何回も何回も借り換えしていくことで、ずっと低金利でいけると考える方もいるようです。
ですが、この方法には落とし穴があります。なぜかというと、住宅ローンの多くは元利均等返済方式だからです。
例えば、当初10万円を支払っているとしたら、その6割の6万円が利息で、元本の返済は4万円です。つまり、返済当初は返済額のほとんどが金利なのです。
最初は利息ばかりを支払っているのに、また借り換えをして利息ばかりを支払うことになってしまうと、全然元金が減っていきません。
ですから、見た目の低金利に飛びつかずに、金利と元金がどういう内訳になっているのかもしっかり把握する必要があります。実際、10年以上払い続けないとこのバランスが変わりませんので、そうすると、借り換えのメリットが出ないことになるのです。
なお元利均等返済でない方式で住宅ローンを組むのも1つの方法です。
住宅ローン借り換え目安・条件のまとめ!
住宅ローンの借り換えでメリットが出るのかどうかを見極めるには、3つのポイントがありました。住宅ローンを以前から借りていて、何か金利が高いなと思って、別の銀行の住宅ローンに切り替えたいと考えているときの目安・条件となる3つのポイントです。
1つ目の目安・条件は、住宅ローンの残高が1,000万円以上あることです。2つ目の目安・条件は、借り換えをした時に1%以上の金利差があることです。3つ目の目安・条件は、住宅ローンの借入期間が10年以上残っていることです。
この3つにすべて当てはまる場合は、ほぼ借り換えのメリットが出ると考えられます。
それから、借り換えをする前に、今住宅ローンを借りている銀行に条件変更をお願いすると、借り換えと同じメリットが出ることを紹介しました。
金利を変動金利から固定金利にとか、返済期間を短くとか、条件を変更してもらえると借り換えを同じメリットが得られるだけでなく、借り換えにかかる諸費用を抑えることができます。
実際に住宅ローンを別の銀行で借り換えするとなると、手続きやら書類やらものすごく大変ですし面倒です。ある意味、新規で住宅ローンを組むようなものです。
それと比較したら、一概に借り換えがベストとは言えませんので、まずは今住宅ローンを借りている銀行に相談に行かれることをおすすめします。