住宅ローン団信とは?
保険料と保証料の違いとリスク管理!
住宅ローンには、団体信用生命保険という保険が自動的に付いています。通常、業界用語で「団信」と呼ばれています。この団体信用生命保険の特徴は、生命保険だということです。ではこの生命保険は何のための保険かというとですが…
例えば住宅ローンを3,000万円借りたとします。この場合、借りた本人が一般的な4人家族で、ご主人が家族のために家を買ったとなれば、3,000万円の借金というのはご主人が抱えることになります。
借金を抱えたご主人が、不慮の事故や突発的な死に至るというようなことで死亡してしまった場合、遺された家族に3,000万円の返済というのがそのまま引き継がれてしまうと、気の毒ですよね。
こうした考えから、生命保険をご主人にかけることによって、それでご主人が亡くなった場合にはそれと同時に生命保険が下りて、それが3,000万円の住宅ローンの返済に充てられることになるのです。
銀行側は住宅ローンを貸す際に、この団信保険に自動的に入ってもらう仕組みになっています。逆の言い方をすると、住宅ローンを組む場合は、生命保険に入れないとお金を借りることができないというケースが多いです。
特にメガバンクと言われる大手の銀行から中小銀行、農協なども住宅ローンを取り扱っていますが、どこの住宅ローンも基本的にこの団信保険に加入できるというのが前提になっています。
ですから、何か大きな病気をされたような人ですと、住宅ローンが組めないというケースもあるのです。
団信保険の保険料はいくらくらい?
団信保険は生命保険ですから、生命保険料を支払う必要があります。ただこの保険料については、お金を借りている人は支払う必要はありません。銀行が保険料を支払ってくれているという形になるからです。
例えば、あなたが3,000万円のお金を借りたとしても、この団信保険の保険料を支払う必要は全くありません。銀行があなたに代わって払ってくれているという形になっているからです。
ただ実際には、金利にその分が含まれています。団信保険に入れるということは、遺された家族も安心ですが、同時に銀行も助かるわけです。銀行は、やはり貸したお金は返してもらわないと困る商売です。
一家の大黒柱が亡くなってしまったことによって、そのお金の回収が不能になってしまうということになりますと、銀行は商売上困ってしまうわけです。
ですから、銀行にもメリットがあり、遺された家族にもメリットがあるというようになるために、この団信保険を利用しようという考えなのです。
お金を借りる人に生命保険に入ってもらって、その保険料は銀行が負担してあげて、そしてお金を借りた人が万が一亡くなった場合には、その生命保険を弁済に充てることによってチャラにするという仕組みです。
銀行は貸したお金の回収が全部できることになり、遺された家族は住宅ローンのない住宅を残してもらうことができる、これが団信保険の大きな特徴になっています。
住宅ローン団信保険の注意点とは?
一般的には銀行から借入れをして家を買いますが、その時に入る生命保険のようなものが住宅ローン団信保険です。
住宅ローンを借りた人、例えば父親が亡くなった場合に、残った借り入れを補てんしてくれる生命保険のようなものです。例えば、亡くなった時に2,000万円の住宅ローンが残っていたら、それをチャラにしてくれます。
ただ、この住宅ローン団信保険には注意点もあります。それは、亡くなった時に、連絡するのが遅れた場合です。
おおよそ色々なことを決めていくのに1年くらいかかります。例えば、1年間、本人が亡くなったことを金融機関に伝えていない場合、この間の利息については団信の適用外となります。
なので、住宅ローンを借りている本人が亡くなった場合は、すぐに金融機関に事実を伝えるようにして下さい。
なかなか色々なことが重なると、連絡することすら忘れてしまいがちですが、団信保険に加入している場合は、直ちに金融機関に連絡するということは覚えておいて下さい。
亡くなったことさえ伝えれば、金融機関は団信保険に入っているかどうかわかりますので、まずは住宅ローンが残っていたら金融機関に連絡した方がいいです。
住宅ローンの団体信用生命保険と保証料の違いは?
団体信用生命保険と保証料は混同されがちですが、全く違うものです。
保証というのは、あなたが生きているときにお金が払えなくなった際に、一旦立て替えをしてくれる仕組みです。決してあなたの債務がなくなるわけではありません。
なので、住宅ローンの保証料は、あなたが返済できなくなった場合に、立て替え払いしてもらうために支払うものです。
一方、団体信用生命保険というのは、あなたがもしもの時、残りの債務を全部払ってくれる仕組みです。
住宅ローンの保証料とは?
住宅ローンの保証料というのは、万が一住宅ローンの返済が滞ってしまって、返済できない状況になってしまった時に、まさに「保証」ということで、保証会社が借金を肩代わりしてくれるものです。
結局、最後は自分で返済しなければいけないのですが、一時的に保証会社が補償してくれるということです。
この場合、当然、期間が長いとか金額が大きいほど保証料が高くなるのが一般的です。また、保証料の取り方としては、内枠と外枠の2つの方法があります。最初に一括でもらう取り方と、普通の金利に上乗せしてその中に含めてもらう取り方です。
最近はこの保証料を取らない金融機関も出てきていますので、確認してみることをおすすめします。
団体信用生命保険でカバーされないリスクに注意!
住宅ローンを組んで家を買うと、団体信用生命保険に加入される方が大半だと思います。住宅ローンを組んでもしものことがあった時に、債務を補償してくれる団体信用生命保険というのは、非常に心強い商品です。
ただその一方で、団体信用生命保険でもカバーできないリスクがあります。それは「就労不能状態」になった場合です。命はあるけれども、十分に働くことができないというケースです。
ということで、住宅ローンを組む際には、こうしたケースも少し頭の片隅に入れて、リスク管理をされることをおすすめします。