インフレ/デフレ/スタグフレーションとは|為替市場と債券市場,為替ディーラーと個人投資家

 

 

インフレデフレスタグフレーションとは?

為替市場と債券市場の違いは?

 

 

インフレというのは、インフレーションの略ですが、これは物価が上昇することを言います。わかりやすく言うと、お金の価値が下がり、周りの物価が上昇していく状況のことです。

 

具体的に言うと、日本円の価値が下がっていくということは、外国から物を輸入するときに、たくさんのお金を支払わなければならないということになるわけです。

 

また、この先、物価が上昇していくとなれば、それを見越して人々は価格が上昇する前に物を購入しようとするでしょうから、品不足になっていくということでもあります。

 

 

インフレとデフレの違いとは?

 

インフレといって思い浮かぶ国として、アフリカのジンバブエがありますよね。ジンバブエに関する報道を見ていますと、店の窓ガラスが割られて略奪があったりと、かなり治安が悪化している様子が見て取れます。

 

スポンサーリンク

 

 

これは、品不足だけでなく、貨幣価値の不安定なジンバブエの企業と取引する海外の企業がないことから、失業率が増加して、それが治安の悪化につながったとみられているのです。

 

こうしたことがインフレの負の側面と言えるわけです。これに対して、デフレというのは、デフレーションの略ですが、これはインフレの逆で物価が下落していくことを言います。日本も長らくデフレに苦しんできましたよね。

 

物価が下落していくということは、買い物をする場合には安く物を買うことができるので、良いではないかと思いがちです。

 

でも、デフレになると、住宅ローンの負担が増えたり、失業率が上昇したりと、経済が低迷していくという負の側面があるわけです。また、デフレになると、全ての物価が一律に下がっていくことはないわけです。

 

例えば、金融資産・負債(住宅ローン、預金残高、現金)などは、デフレでも名目価値は下がらないんですよね。

 

どういうことかと言いますと、預金者はデフレによって得をしますが、ローンなど借り入れのある人はデフレによって損をするということなんです。これは、給料についても言えます。

 

経営者は、デフレになると賃金を減らしたり、職員の人数を減らしたりしますよね。これは最終的には、失業率の上昇や消費の低迷につながって、景気が悪化してしまうという結果になるわけです。

 

 

スタグフレーションとは?

 

スタグフレーションというのは、stagnation(経済の停滞)とinflation(物価上昇)を組み合わせた言葉です。

 

その意味は、経済が停滞しているのに、物価が上昇していくことを言います。通常ですと、経済が好調であれば物価は上昇していきます。これは、雇用の回復や賃金の上昇につながるからです。

 

これに対して、経済が低迷すると、賃金は低下します。そうなると、財布のひもが固くなりますから、当然、お金は消費に回らずに、企業は価格を下げることによって消費を促そうとするわけです。

 

スポンサーリンク

 

 

上記が一般的な話なわけですが、スタグフレーションというのは、これとはちょっと違います。

 

前述したように、スタグフレーションというのは、経済が低迷しているにもかかわらず、物価が上昇していくことだからです。日本でスタグフレーションになっていたと言われているのは、オイルショックの時代です。

 

オイルショック時は、原油の供給不安から価格が急騰して、日本経済に深刻な打撃を与えたわけですが、それにもかかわらず原油価格はその後も上昇していきましたから。

 

その後の2008年以降にも、やはりこのスタグフレーションが注目を集めました。これは、リーマンショックにより世界経済が悪化したからです。

 

この時は、投資資金が商品へと流れたことから、商品価格が急騰し、経済を圧迫したことから大問題になったわけです。これこそがスタグフレーションなのです。では、このスタグフレーションに対しては、どのように対応したらよいのでしょうか?

 

これに対する対応は、本当に難しいと言われています。実際、経済の回復を優先して利下げなどの金融緩和策を行うと物価は上昇してしまいますし、反対に利上げなどを行って金融の引き締めをしてしまうと、今度は経済がさらに悪くなってしまうからです。

 

 

為替市場と債券市場はどんな関係?

 

為替市場と債券市場とは、実は密接な関係にあります。債券というのは、わかりやすく言えば借金のことですから、これは基本的に利息を付けて返済すべきものと言えます。

 

この点に関しましては、株などとは異なり、リスクは低いと言えます。また、債券のうちでも国債は最も信用度が高いと言えます。では、この国債と為替とはどのような関係にあると思いますか?

 

例えば、日本人が米国債を買おうとした場合には、日本円を売ってドルを買わなければなりませんよね。

 

これは、米国債の購入にはドルが用いられるからです。このように、その国の債券を購入するためには、その国の通貨が用いられますから、必然的にその国の通貨が買われやすくなるのです。

 

スポンサーリンク

 

 

ちなみに、その国の債券を購入したいと考えるのは、その国の債券に魅力があるからですよね。では、この魅力とは何だと思いますか?これは、何と言っても利回りが良いということです。

 

利回りとは、投資したお金に対してどれくらいの収益が期待できるのかということです。ただし、利回りの高い国債というのは、信用度の低い国債である傾向にありますので注意も必要になります。

 

例えば、経済大国である米国が発行する国債と、常に政情不安にある国が発行する国債とでは、利回りが違っていて当然ですよね。これは、それだけの金利を支払わなければ、誰もその国の債券を買ってくれないからです。

 

なので、一般的にはリスクが低いと言われている債券であっても、このような信用度の問題などで、リスクの度合いが変わってくるわけです。

 

なお、市場のリスク許容度が高まってくると、高利回りの債券に資金が流入しやすく、その国の通貨が買われやすくなる傾向にあるということは、FX取引をする上でも覚えておくと役に立つと思います。

 

 

為替ディーラーと個人投資家との違いは?

 

為替ディーラーというと、何だかすごい人のように思えるかもしれませんが、全然そんなことはありません。

 

要はサラリーマンですからね。実際、一口に為替ディーラーと言っても色々なわけで、欧州通貨全般をチェックしているディーラーもいれば、米ドルを専門にしているディーラーもいたりと様々なんです。

 

ちなみに、為替ディーラーなら金融市場において誰もが知りえない情報を握っているかと言えば、そんなことは全くありません。

 

もちろん、カウンターパーティと言われている、いわゆる取引先金融機関からの情報を知る機会はありますけど。これは例えば、どこの筋が売買しているかといった情報ですね。

 

でも、こうした情報はFX取引をする上ではそれほど重要度の高いものではありませんし、こうした情報でさえ、FX取引会社のニュースサイトなどで後から得られる情報がほとんどですから。

 

なので、一般的には個人投資家と為替ディーラーとの情報ギャップはないと考えてよいと思います。

 

ただし、そのような情報を得るための設備が整備されているのは、個人投資家とはちょっとした違いかもしれません。

 

とはいえ、そういった設備で得られた情報、例えば、要人発言や経済指標なども、個人投資家よりも手に入れるのが若干早いというだけですから、その内容自体に関して言えば、ほとんど差がないといえるでしょうね。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)