ボリンジャーバンドとは?一目均衡表とは?
遅行線と雲、期間設定と使い方見方..
ボリンジャーバンドというのは、比較的新しい分析手法なのですが、わかりやすく言うと、統計学を使ったアプローチ方法です。ボリンジャーバンドを使うと、相場の反転や保ち合い放れを判断することができるので、覚えておくと非常に役に立ちます。
ちなみに、ボリンジャーバンドでは、上下に1標準偏差、2標準偏差乖離したラインを引きますので、合計5本引くことになります。
ボリンジャーバンドの見方は?
統計学的に言うと、価格の動きが正規分布に従うと仮定した場合、価格が上下の1標準偏差間で推移する確率は63.8%、2標準偏差で推移する可能性は95.5%となります。
1標準偏差と2標準偏差を表す線全体の幅が大きくなりますと、その分相場の変動率(ボラティリティ)も大きくなりますし、反対にバンドが狭くなりますと、変動率(ボラティリティ)は小さくなるわけです。
ちなみに、バンドが一定の幅で水平な時期というものもあるわけですが、こうした相場はそのバンド内でのレンジ相場となるわけです。つまり、売買方針としては、バンドの下限では買いをいれ、バンドの上限では売りを入れるということでOKなわけです。
ボリンジャーバンドの使い方・欠点は?
ボリンジャーバンドのバンドが狭いところから拡大していくところには注意してい下さい。というのは、このバンドが拡大していくところこそ、トレンドが発生する場面だからです。
つまり、このバンド拡大局面では、相場の変動率(ボラティリティ)が大きくなり、上昇トレンドあるいは下降トレンドが発生するということです。
具体的には、バンドの上昇に合わせて上昇した場合には、価格はバンドの上限での推移となる一方、バンドが下落方向に合わせて下降した場合には、下限での推移となるわけです。
ただし、その後調整が起こると、上昇した後には21日移動平均線あたりまでが押しの目途になる一方、下降した後には21日移動平均線あたりまでが戻りの目途になるのがよくあるパターンです。
なので、このパターンを押さえておくだけでも、取引が上手くいくと思います。また、大きな2番底を探っていくときなどにも、このボリンジャーバンドは有効です。
さらに、バンドの上限や下限で反転するケースが多いですから、逆張りをする際にも有効です。ただし、トレンドが強い場合など、反転しないでそのまま上限・下限に張り付いて推移するケースも多々あるので、そこは欠点といえるのかもしれません。
なので、逆張りをする際には、ストップロスをしっかり入れて、ローソク足が陰転・陽転したのを確認してからエントリーするというのも一つの方法です。
なお、ボリンジャーバンドは、一目均衡表の雲の上限や下限よりもさらに乖離し過ぎていますので、バンドが上限・下限にいるのかどうかで、ダブルで確認することができます。
一目均衡表とは?期間と設定は?
一目均衡表というのは、買い方と売り方の均衡が崩れたときに、その崩れた方向に動くという考え方に基づいたテクニカル分析のことです。一目均衡表は、価格の動向よりも時間を重視しているということが特徴的です。
具体的なチャートとしては、ローソク足に、次のような基準線、転換線、遅行線、先行スパンA、先行スパンBという補助線を加えて描かれています。
■転換線…過去9日間の高値と安値の平均値
■基準線…過去26日間の高値と安値の平均値
■遅行線…本日の終値を26日前にさかのぼって記入したもの
■先行スパンA…転換線と基準線の平均値を26日先に記入したもの
■先行スパンB…過去52日間の高値と安値の平均値を26日先に記入したもの
ローソク足チャートの中に、上記の5本の補助線を挿入していくのですが、先行スパンAと先行スパンBに挟まれた地帯を色別にすれば見やすくなります、これで全体が完成したことになります。
一目均衡表の遅行線・雲の使い方見方は?
一目均衡表は、見た目にもたくさんの補助線がありますので、何だか難しい感じがするかもしれません。ですが、一目という名の通り、「ひとめでわかる」非常に便利やチャート分析手法なんです。
さて、この一目均衡表の基本的な見方ですが、次のようなことを覚えておけば、まずはOKです。
■転換線と基準線との関係
転換線が基準線を上回っていれば買いトレンドです。反対に、下回っていれば売りトレンドです。
■基準線も傾きで判断する
基準線が上向いていれば買いトレンドです。反対に下向いていれば売りトレンドです。
■雲の見方
先行スパンAと先行スパンBに挟まれた部分を雲と呼びますが、相場がこの雲よりも上にあれば下値目途となります。反対に雲よりも下にあれば上値目途になります。ちなみに、この雲部分の厚みが抵抗力の強弱を示します。
■遅行線と日々ローソク足との関係
遅行線と26日前の日々線とを比較して、遅行線が26日前の日々線を上回っていれば買いトレンドが続いているとみなします。反対に、下回っていれば売りトレンドが続いているとみなします。
上記以外としては、雲が厚ければ抵抗力が強く、反対に弱ければ抵抗力が弱いと判断します。また、先行スパンAと先行スパンBがクロスするところは「変化日」と言われていて、ここが相場の転換点となるケースが多です。
基本的には、一目均衡表の見方はこれくらい押さえておけば大丈夫だと思います。応用編としては、雲から乖離したときにボリンジャーバンドやローソク足のパターンを見ていくと色々と見えてくると思います。
一目均衡表の開発者とは?
一目均衡表を開発したのは何と日本人なんです。多くの解説では、一目均衡表の開発者は一目山人であると書かれていると思いますが、これはペンネームであり、本名は細田吾一と言うのです。
細田氏は、1898年山口県生まれで、大正時代に都新聞(現在の東京新聞)に入社して、商況部長として活躍したんだそうです。
終戦後は日商新聞などでも記事を書いていたそうなんですが、このときに学生アルバイト2,000人を動員して、一目均衡表を開発したらしいです。特に時間分析に重点を置いていて、ビジュアルでわかりやすいテクニカル分析を目指したそうです。
「一目」というのは、その名の通り、「ひと目で相場がわかる」ということですね。なお、1969年から1981年にかけて著作全7巻が出版されていますが、現在は絶版になっているものもあります。
インターバンク市場の動向も注視しておこう!
テクニカル分析というのは、売買するための具体的なポイントを教えてくれる便利なツールでしたよね。
でも、これ以外にも注目しておいた方がよいものがあるのです。それは、インターバンク市場の注文動向です。これはマーケットの核になるものですから、かなり参考になるはずです。
外国為替市場は株式市場のように板がないですから、需給状況をつぶさに見ることのできる一つの機会といえるはずです。
自分が口座開設しているFX会社の提供している情報の中に、いくらあたりにストップ注文が多く並んでいるとか、オプションのための売りがあるとか、買い注文が並んでいるなどといったものがあるはずです。
こうした情報を見れば、マーケットで意識されている価格がどの辺りなのかということがわかりますので、色々と役に立つと思います。
ただし、インターバンク市場の動向というのは、ある時間の現在地からその前後にどれくらいの注文があるのかが表示されているだけとも言えますので、あくまでも超短期の値動きをみるのに適しているといえそうです。
実際には相場の流れによって状況は変わっていきますから、やはりテクニカル分析によるポイントも参考にして、マーケット参加者がどのあたりを意識しているのかを探りたいところです。