企業型個人型確定拠出年金のメリットデメリット違い|日本の年金制度の仕組みとは?

 

 

企業型個人型確定拠出年金

メリット・デメリットは?その違いは?

日本の年金制度の仕組みとは?

 

 

「年金の制度って何だか複雑でよくわからない」など、自分の年金がどういうものか、意外と知らない人が多いです。年金というのは、老後の生活資金を手当てする制度です。この年金制度は、大きく2つに分かれます。

 

1つは国からもらえる公的年金と呼ばれるものです。もう1つは会社からもらえる企業年金と呼ばれるものです。1つ目の国からもらえる公的年金ですが、これは国が運営する社会保障制度の一種で、死ぬまでもらうことができます。

 

掛金は、国と企業と社員が負担します。具体的には、国民年金、厚生年金保険の2つです。国民年金は、どんな人も全員がもらいます。サラリーマンはそれに加えて厚生年金保険ももらうことができます。

 

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一方、2つ目、会社からもらう企業年金ですが、これは会社が社員に支払う給料の後払いとしての退職金のことを言います。一般的に退職金を年金形式でもらうことが多いので、“企業年金”と呼んでいます。企業年金の掛金は、原則として会社が負担します。

 

具体的には、厚生年金基金、退職一時金、確定給付年金、確定拠出年金、中小企業退職共済、特定退職金共済といったものがあります。

 

例えば、サラリーマンなら国民年金と厚生年金保険を国からもらい、企業年金の制度のある人は、それに加えて会社から企業年金ももらうことができます。

 

サラリーマンの妻は、国民年金がもらえます。自営業の人は、国からもらえるのは国民年金だけになります。ただし、国民年金基金や確定拠出年金に任意で加入している自営業の人はそれももらえます。

 

以上が日本の年金制度の概要になります。これに加えて、自分で財形年金や個人年金保険などを準備している人もいるかもしれません。

 

若干わかりにくいのが、国からもらえる厚生年金保険と、企業年金の1つである厚生年金基金というのが、言葉がよく似ているので混同しがちです。しかしながら、これらは全くの別物です。国からもらえるものと、企業が独自に行っているものという違いがありますから。

 

 

個人型・企業型確定拠出年金とは?違いは?

 

確定拠出年金を使って、例えば、毎月3万円の積み立てをしていくとします。その積み立てをすると、国は所得税と住民税を戻してくれます。

 

これは、積立金額の20%、30%が国からもらえるのと同じことです。積み立てをしなければもらえなかったお金が戻ってくるわけですから。

 

そして、その積立金額を投資信託などで運用して利益が出た場合、通常、銀行や証券会社で投資信託を購入して利益が出ると20.315%の税金が取られてしまいます。それが、確定拠出年金に預けて投資信託を購入すると、その税金も取られません。

 

つまり、運用益は非課税、100%自分の利益になるということです。

 

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ただし、投資信託の場合は値動きがあるので、資産の全体の金額が上下するというリスクはあります。これは、個人の人が個人型の確定拠出年金を利用した場合の話です。

 

一方、企業が確定拠出年金を導入して、それを企業の従業員がその中で確定拠出年金で積み立てをする企業型もあります。会社としてはそれを損金で積み立てをすることができます。

 

例えば、1人社長の会社の場合なら、会社が毎月3万円社長のために積み立てるとしたら、その3万円は会社側としては損金(経費)として出すことができるのです。

 

そして、受け取る側の社長個人としては、会社で積み立てた場合には最初から所得税と住民税が取られないという形になります。つまり、会社もお得ですし、個人としてもお得になるのが確定拠出年金なのです。

 

確定拠出年金で積み立てたお金は、60歳になったら下ろすことができます。60歳になるまで下ろせないのが確定拠出年金の最大のネックとも言われていますが、貯めるためには下ろせない方がいいわけです。下ろせなければ絶対に使ってしまうことがないですから。

 

ちなみに、60歳以降は、確定拠出年金で積み立てたお金を年金形式で受け取ることもできますし、一時金で受け取ることもできます。

 

この制度がさらにすごいのは、入口では所得税と住民税が戻ってきましたが、出口では税金が取られるものの、非常に優遇されていることです。しかも、全く税金がかからないケースさえあります。

 

退職所得控除や公的年金控除を使えるので、非常に税金がお得になっています。

 

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なお、確定拠出年金制度は、年収によっても、あるいは毎月の積立額によっても、戻ってくる税金の金額は変わってきます。

 

 

企業型確定拠出年金のメリット・デメリットとは?

 

企業型確定拠出年金は、企業にとっても社員にとってもメリットだらけの年金制度と言われています。企業型確定拠出年金というのは、企業が確定拠出年金制度を導入して、社員あるいは社長が、その制度の中で老後の資金を積み立てていくという制度です。

 

従来から「確定給付年金」という制度がありますが、これとは違います。

 

確定給付年金というのは、会社はお金を内部に貯めておいて、会社が運用をして退職する時に社員に支払うというものです。また、支払い方は一時金または年金形式です。これが確定給付年金という制度です。

 

ここで“確定”となっていますが、実は会社は現在の時点では社員にこれだけ支払いますよという約束をしているだけです。つまり、実際にその時になって会社の状況が非常に悪くなっているとか、会社が倒産してしまっていたら、支払いがされないこともある得るのです。

 

一方、確定拠出年金というのは、会社が毎月社員の専用の金庫のようなものの中にお金を入れていくわけです。社員は会社が入れてくれたそのお金を運用していくということになります。なので、退職金の前払いのようなものと考えるとわかりやすいです。

 

そして、一旦その金庫にお金を入れたら、その時点でそのお金は社員のものになりますので、会社はそのお金を取り戻したりすることはできなくなります。その金庫から取り出せるのは、社員本人だけです。ただし、60歳にならないと取り出すことはできません。

 

また、その金庫にお金を入れる時も、入っている間も税金が取られることはありません。

 

金庫から取り出す時に税金は取られますが、その税金はかなり優遇されています。預けたお金は信託銀行が自分のお金とは分けて、分別管理という方法で管理をするので、安全性は非常に高いものとなっています。

 

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企業型確定拠出年金の社員のメリットとは?

 

企業型確定拠出年金の社員にとってのメリットは、主に6つあります。

 

1つ目は、税金がかからない、あるいは優遇されているということです。掛け金をかける時には非課税です。また、運用期間中の運用益についても非課税です。さらに、受け取る時も非課税です。

 

一時金で受け取る時は、退職所得控除という税金が安くなる措置が適用されます。また、年金で受け取る時は、公的年金等控除という税金が安くなる措置が適用されます。

 

2つ目は、会社が社員専用の金庫に入れた時点から、所有権が自分のものになるということです。つまり、仮に会社が倒産したとしても、不都合な理由で自分が退職しなければならないこといなっても、お金がもらえるということです。

 

従来の退職金制度では、もし不祥事などで自分が会社を退職するようなケースでは、退職金がもらえないということもありました。でも、企業型確定拠出年金なら必ずもらえます。

 

3つ目は、転職しても、次の会社で企業型確定拠出年金制度を導入していれば、それをそのまま持っていって移し替えることができることです。また、もしその会社に制度が導入されていなければ、個人型に切り替えて確定拠出年金を継続することが可能です。

 

4つ目は、金庫を開けたら使ってしまいますが、60歳まで開けられないので、使ってしまうことがないことです。確定拠出年金は途中で引き出すことができず、60歳になって初めてもらうことできるのですが、それは老後資金を貯めるという目的のためにはメリットとなります。

 

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5つ目は、課税の繰り延べができることです。つまり、最初に課税されませんので、たくさんのお金を預けることができるということです。

 

最後、60歳の時点で課税されますが、その時点ではかなりの税制優遇措置が受けられることになっています。最初に課税されるより最後に課税された方が、よりたくさんお金を増やすことができる可能性があるということです。

 

6つ目、投資信託の手数料が、この確定拠出年金制度の中で使われる投資信託については、一般の投資信託の手数料よりも安いものがほとんどとなっていることです。

 

 

企業型確定拠出年金の会社のメリットとは?

 

企業型確定拠出年金制度を導入した会社側のメリットとしては、主に3つあります。

 

1つ目は、退職給付債務から逃れられることです。2つ目は、運用の責任は会社になくなり、社員に転嫁できることです。

 

3つ目は、大企業では、4割近くの企業がこの企業型確定拠出年金を導入しています。つまり、中小企業がこの制度を導入すれば、大企業並みの福利厚生制度を持つ企業ということが言えます。採用時はもちろん、大企業から転職してくる人にもアピールできます。

 

大企業から転職してくる人は、この制度を使っている可能性が高いですからね。その人が転職してきた時には、それをそのまま引き継いで確定拠出年金を使うことができます。

 

4つ目は、掛金が全額損金扱いになることです。

 

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