法人化すると
節税になるの？
次のようなケースで考えてみます。
■無職でFXで生計を立てている。
■法人化を検討しているが、もし500万円の利益が出た場合はどれくらい節税になるのか？
■FXを専業としている場合、個人、個人事業、法人では、どれが最も有利なのか？
法人化すると
節税になるのか？
まず、法人化を検討する際には、税金だけでなく、年金や健康保険などの社会保険についても考慮した方がいいですよね。こちらの方は考えいているよりも、ずっと高いと思いますので。
さて、FXを専業で行っている場合、個人と個人事業、法人でのケースが考えらえるわけですが、個人事業主としてFXを専業で行うのは難しいと思います。
もちろん、節税効果のみを考えた場合には、一番有利になる可能性が高いわけですが、判例などを見ますと、事業がFXのみですと、まず事業所得とみなされないのではないかと思うからです。
申告する際には問題にはならないでしょうが、後々税務調査が来て、雑所得として計算するように指摘された場合には、高い税金を支払うことになる恐れがあります。
また、個人と法人を比べた場合ですが、法人化した場合には、節税うんぬんよりも、むしろ、維持費の方を気にされた方がよいかもしれません。
たとえ利益が出なくても、毎年7万円程度の均等割がかかってくるほか、会社を設立するだけでも、最低でも20〜30万円はかかりますからね。
法人税の申告は、素人ですとなかなか難しいでしょうから、それを税理士に依頼するとなると、毎月あるいは年間で数十万円の報酬を支払うことになりますしね。
なので、トータルで考えた場合には、法人化したときのコストがかなりかかりますので、節税効果がそれを上回るほどでない場合には、個人のままの方がよいのではないかと思います。
実際、役員報酬などもコロコロ変えてはいけないことになっていますから、利益がたくさん出た年には多く支払って、少なくなったら減らすということもできないわけです。
というわけで、ある程度の利益が確実に見込めるというのなら、具体的には年間800万円〜1,000万円を超えるようでしたら、かなり有利になるでしょうから、法人化を検討してもよいかもしれませんね。
年間の利益が500万円程度でしたら、個人でも法人でもそれほどの違いはないですから、申告など手続き面を考えますと、個人のままの方が良いのではないかと思います。