事例で検討
これまで医療費の領収書を保存していなかったのですが、このたび健康保険組合から「医療費のお知らせ」が届き、自己負担額が10万円を超えていたので、医療費控除を受けたいと思っています。
この場合、「医療費のお知らせ」は領収書の代わりになりますか？
アドバイス
「医療費のお知らせ」は、領収書の代わりにはなりませんので、医療費控除を受けることはできません。
医療費控除を受けるためには、
必ず領収書が必要なのですか？
医療費控除を受ける場合には、「医療費についてこれを領収した者のその領収を証する書類の確定申告への添付又は当該申告書の提出の際、提示しなければならない」ことになっています。
健康保険組合の医療費のお知らせは、
上記の書類にはならないの？
そういうことになります。
健康保険組合が交付している「医療費のお知らせ」というのは、健康保険を使って治療などを受けた組合員に対して、医療費の節約や医療機関の不正請求のチェックなどを目的として、その組合が補てんした費用を通知するための書類です。
ですから、これは、「医療費を領収した者のその領収を証する書類」である領収書とはいえないのです。
私は、医療費控除は
受けられないのでしょうか？
「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付したり、確定申告書の提出の際に提示したとしても、領収書を添付・提示したことにはなりませんので、それによって、医療費控除の適用を受けることはできません。
もし、どうしても控除を受けたいとお考えでしたら、医師等から領収書を再発行してもらう必要があります。