特定口座で管理していた日本法人の上場株式が上場廃止になってしまったのですが

 

事例で検討

 

特定口座で管理していた日本法人の上場株式が上場廃止になってしまいました。

 

その上場株式が「特定管理口座」で引き続き管理され、清算結了などになった場合、無過失損失はどうなるのでしょうか?

 

アドバイス

 

特定口座で管理していた日本法人の上場株式が上場廃止になり、その上場株式が清算結了等に至った場合には、その上場廃止になった株式の無価値化損失は、株式の売却損とみなされます。

 

具体的に株式の売却損とみなされるポイントとしては、次のものがあげられます。

 

■特定口座内の日本法人の上場株式である。
■その株式が上場廃止になり、その後も引き続き「特定口座内」で管理されている。
■株式発行会社は清算結了等に至っている。

 

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ちなみに、この制度は平成17年度の税制改正によって新設されたものですので、平成17年3月以前に上場廃止になった元上場株式については対象にはなりませんのでご注意ください。

 

 

『特定口座内の日本法人の上場株式である』

ということについて

 

これは、日本法人の上場株式以外は、本制度の適用がないということです。

 

具体的には、外国法人の上場株式は対象になりませんし、「一般口座」内の上場株式やタンス株券が上場廃止になり清算等に至った場合にも対象にはなりません。

 

ちなみに、この場合の株式無価値化損失は税務上はなかたったものとされます。

 

 

『その株式が上場廃止になり、その後も引き続き

「特定口座内」で管理されている』ということについて

 

これは、上場廃止後、「特定管理口座」内で引き続き管理されることが制度の適用要件になっているということです。

 

具体的には、特定口座というのは上場株式等のための口座ですので、上場廃止になった株式については管理することができません。なので、上場廃止になった株式というのは「特定管理口座」に移管されることになるのです。

 

 

『株式発行会社は清算結了等に至っている』

ということについて

 

これは「特定管理口座」内で管理されている株式の発行会社が、次のいずれかに至った場合に本制度の適用があるということです。

 

■清算結了(合併による解散は除きます)
■破産手続開始の決定
■会社更生法や民事再生法の更生
■再生計画に基づく100%無償減資の実行
■預金保険法の特別危機管理開始決定

 

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