事例で検討
会社を退職するに当たって、退職金の一部として、企業年金の受給権の支給を受けました。
これは、会社が役員を対象に掛けていたもので、この受給権は、年金原資相当額により退職所得として課税されています。
この場合、退職後に支給される年金は何所得になるのでしょうか?
アドバイス
退職後に支給される年金は、雑所得になります。
企業年金の受給権というのは、
退職所得なのですか?
はい。退職の際に会社から支給された企業年金の受給権というのは、年金原資相当額によって評価され、退職所得として課税されることになっています。
給与にはならないのですか?
給与所得にはなりません。なぜなら、その企業年金の受給権は、あなたが所有していていますし、あなたへの勤務の対価として支給されるものではないからです。
この場合は、継続して支給を受けることになりますので、雑所得になります。
具体的な計算は、
どうなっているのですか?
次のような計算によって求めます。なお、小数点以下2位まで計算して、3位以下は切り上げます。
雑所得の金額=基本年金年額+増加年金額−基本年金年額×A%
A%=年金原資相当額÷基本年金総額
※基本年金額・・・年金支払開始の日に支払われることが確定している基本年金総額のうち、その年に支払われる金額のことです。
※増加年金年額・・・年金支払開始の日以後の運用益のうち、その年に支払われるもので、年金支払開始の日には、まだその額が確定していない金額のことです。
※基本年金総額=毎年定率、定額で増加する年金は含みますが、年金支払開始の日に支払われる金額が確定していない増加年金額は除きます。