事例で検討
妻が、ガンになり、入院することになりました。
このとき、妻が自分を被保険者とし、保険金(付加給付金も含みます。)の受取人を私とする災害特約付の生命保険契約をしていることがわかりました。この契約では、契約者と保険料の負担者は妻になっています。
所定の手続きをすれば、妻の入院日数に応じた一定の入院給付金が私に支払われるそうですが、これに税金はかかるのでしょうか?
アドバイス
奥様が契約した保険契約によって、あなたが受け取る入院給付金は、非課税所得とされていますので、所得税はかかりません。また、この場合は、贈与税もかかりません。
生命保険契約の保険料を
保険金受取人以外の人が負担したときの税金は?
原則としては、生命保険契約の保険事故が発生した場合で、その保険料を保険金の受取人以外の人が負担している場合には、その保険金の受取人は、保険料の負担者から贈与によって取得したものとみなされることになっています。
しかし、この中には、傷害、疾病その他これらに類似する保険事故で、死亡を伴わないものは含まれないことになっています。よって、ご質問の入院給付金にも、贈与税は課税されないことになります。
では、所得税はどうなるのですか?
所得税についてですが、生命保険契約にもとづく給付金で、身体の傷害によって受け取るものには、所得税も課税されないことになっています。
「身体の傷害によって受け取るもの」
とはどのようなもの?
この場合の「身体の傷害によって受け取るもの」とは、受取人自身の身体の傷害によって支払を受けるものをいいます。
ですから、たとえば、事業主が従業員を被保険者とする保険に加入して、保険金を受け取ったような場合には、身体の傷害を受けた人と、保険金の受取人が異なりますので、保険金等には税金がかかってきます。
ということは、身内が受け取る場合でも
税金がかかるのですか?
身内が受け取る保険金等というのは、自己の身体の傷害によって受け取るものと、実質的には同じことですよね。
ですから、実務では、保険金等を受け取る人と、身体に傷害を受けた人が異なったとしても、その受取人が、身体に傷害を受けた人の配偶者(妻または夫)、直系血族、生計を一にするその他の親族である場合には、自己の身体の傷害によって受け取るものと同じように非課税になることとされています。
普通に考えれば、当然ですよね。