必要経費を実額で計算したいのですが…

 

 

必要経費を実額で

計算してもいいの?

 

 

サラリーマンの実際の必要経費を把握するのは難しい面もありますが、他方、実額で経費を把握できる場合には、それによって給与所得の計算をすることを認める必要があります。

 

そこで、特定支出をした場合に限って、年間の特定支出の合計額が給与所得控除額をこえる場合には、そのこえた分の金額を、給与所得控除後の金額から、さらに差し引ける制度が設けられています。

 

もちろん、この場合は、確定申告する必要があります。とはいっても、特定支出方式を実際に利用されたケースはめったにありません。

 

 

特定支出とはどのようなものですか?

 

特定支出とは、次のものをいいます。

 

■一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
■通勤に伴う転居のために通常必要と認められる通勤のための支出
■職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
■単身赴任などの場合で、勤務地と自宅の間の往復のために通常必要な支出

 

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[ポイント]
特定支出は、会社(給与の支払者)が証明した者に限られます。また会社が補填する部分があって、それに所得税が課税されていないときは、その部分は除きます。

 

 

事例で検討

 

職場で現場監督をしていて、職務に直接必要な資格を取得である1級建築士の資格取得のため、専門学校へ通うことになりました。この資格取得にかかった費用は、特定支出金控除の適用を受けることができるでしょうか?

 

アドバイス

 

最近は、サラリーマンの特定支出金控除について、メディアで取り上げられることも増えてきたりして、以前に比べると利用している人も多くなってきています。

 

実際、適用できるハードルも以前に比べて大分下がってきているのも事実です。ですが、まだまだ一般の人が適用するには難しい面もあるのです。

 

例えば、適用を受けることができるのは、「給与の支払者が証明したものに限られ」と限定されていて、その給与の支払者(勤務先)も「職務の遂行に直接必要なものであると認められる場合」に証明するものとされているからです。

 

これは、不動産業での宅建の取得や、運送業者での大型免許の取得を想定しているからなのでしょう。

 

それから、特定支出金控除の適用を受ける金額は、特定支出が給与所得控除額の1/2を超える部分とされています。

 

これはどういうことかというと、例えば、あなたが年収500万円であれば、給与所得控除額が154万円ですから、77万円を超える金額を自腹で負担していれば、そこで初めて特定支出金控除が認められるということになるのです。

 

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住民税の普通徴収と特別徴収は

どう違うの?

 

サラリーマンの給料から、税金が天引きされることをよく源泉徴収されているといいますが、これは、実は、国税である所得税に限ってのことなんですよね。地方税である住民税の場合は、特別徴収されるといいます。

 

天引きされることが一般的なので、天引きの方を普通徴収と呼ぶのでは・・・と思われるかもしれませんが、住民税を天引きすることを、特別徴収といいます。

 

本来、税金は自分で納めるものですが、会社が代わりに天引きして支払ってくれるわけですから、そういう意味で特別というのでしょうね。

 

 

普通徴収にするには

どうしたらよいのですか?

 

サラリーマンで副業していて、会社に副業していることがわからないようにするために、住民税を普通徴収にして自分で支払うといったことはよく行なわれています。これは、確定申告するときに、申告書の住民税の欄の普通徴収に○をつけることでできます。

 

 

住民税の特別徴収と

所得税の源泉徴収はどう違うのですか?

 

住民税の特別徴収とは、会社(給与支払者)が本人の給与から、所定の住民税額を天引きする形で徴収し、その金額を市町村などに納付することになりますが、住民税は、前年の所得に対してすでに確定した税金を天引きしているので、当年の概算を天引きしている所得税の源泉徴収とは、その意味で少々性格が異なるといえます。

 

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