相続登記を長期間放置するデメリット|相続人が未成年なら特別代理人に!

 

 

相続登記長期間放置するデメリットとは?

相続人未成年なら特別代理人に!

 

 

今回は相続登記を長期間放置しいているとデメリットがあるというお話です。

 

相続登記、不動産による相続の名義変更ですが、実はこれはやらなくてはいけないという法律上の義務はありません。法律上の義務がないため、場合によっては被相続人が亡くなってから何十年も放置している方が結構います。

 

ただ、相続登記をそのままやらないでいると様々なデメリットがあります。そのデメリットについて今回はお話したいと思います。

 

 

1つ目のデメリットは・・・

 

まず相続登記を行わないデメリットの1つ目は、気付いたら相続人の数が多くなっていたということです。

 

スポンサーリンク

 

 

自宅を相続した人も当然いつかは亡くなります。相続人が亡くなった場合、その相続人の相続人が自宅を相続した相続人の地位を引き継ぐという形になります。つまり、相続した地位を相続人がまた引き継ぐということです。

 

簡単に言うと、相続登記を行わずにそのまま放置しておくと、どんどん相続人が増えていくという形になるのです。要は、遺産分割協議書に実印を押してもらうことが必要なのですが、この実印を押してもらう人数がどんどん増えていくということです。

 

実際に私がこれまで見てきた中では、最高で20人というケースがありました。ここまで増えますと、各相続人の間で面識のない人がたくさんいます。なので、中には全く協力してくれないというケースも多々あります。

 

というのは、「こちらの相続の話なのに、なんで私たちに話をしてくるんだ」とか、そういったことになってきて、場合によっては裁判を行わなければならない形になります。つまり、お金も時間もかかるということになるのです。これがまずデメリットの1つ目です。

 

 

2つ目のデメリットは・・・

 

相続人が認知症になるということです。被相続人が亡くなったときに元気だった相続人が、時が経つにつれて認知症になってしまって意思能力がなくなってしまったという結果として、遺産分割協議ができなくなるというケースです。

 

この場合は最終的にどうするのかというと、家庭裁判所に後見人の申立てというのを行って、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらって、その方と一緒に遺産分割協議をするという流れになります。

 

結局これを行うと時間もかかりますしお金も当然かかることになります。

 

 

3つ目のデメリットは・・・

 

他の相続人から「気が変わった」と言われる可能性があることです。要は口約束で「自宅は兄さんが相続していいよ」と言っていた相続人が、突然自分の相続分を主張してくるというケースです。

 

スポンサーリンク

 

 

こうなってしまうと任意の話し合いというのはほぼ不可能になりますので、遺産分割調停や審判という手続きに頼らざるを得なくなります。

 

以上は代表的なデメリットですが、この3つ以外にもたくさんあります。問題が出てきて相続手続きが複雑になってしまうと、場合によっては相続登記自体ができなくなることもあります。ですから、相続登記は手続きが簡単な今のうちにぜひしておくことをおすすめします。

 

 

相続人が未成年の場合の相続登記は?

 

続いて、相続人が未成年の場合の相続登記についてのお話です。

 

かつて相続のご相談で伺った際に、例えばご主人が事故などで若くして亡くなられているようなケースで、残された奥様と打ち合わせをするときに、周りをまだ幼い子供たちが走り回って無邪気に遊んでいるという場面に出くわすことがよくありました。

 

今回はそういったときの手続きのお話です。

 

例えば若くしてご主人が亡くなられて残されたのは奥さんと2人の子供です。相続人は3人ですが、2人の子供たちはまだ未成年です。相続分はお母さんが1/2、子供たちは残りの1/2を半分ずつ分け合うので1/4ずつということになります。

 

ここでまず前提として、未成年者というのは自分で契約をしたりといった法律行為はできませんので、親権者である親が法定代理人として手続きをします。

 

ですから、この場合も3人で遺産分割協議をするに当たって、子供たちの代理人として母親が遺産分割協議をして印鑑を押して手続きをする形になります。

 

ただし、この場合、親は子供の代理人として遺産分割協議をすることはできません。

 

 

なぜ親は子供の代理人になれないの?

 

なぜかというと、母親は自分自身も相続人という立場があるからです。つまり、子供たちを代理して遺産分割協議をまとめるのであれば、子供たちの取り分を減らして自分の取り分を増やす、そういう関係に立つわけです。

 

スポンサーリンク

 

 

これを利益相反と呼びます。利益がバッティングする関係ということですね。

 

なので、この場合には母親は子供たちに代わって遺産分割協議をすることはできませんので、家庭裁判所に特別代理人という、この遺産分割協議についてだけ子供たちの代理人として付いてもらう人を選任してもらう必要があります。

 

ちなみに、この申し立てをする際には「この人が特別代理人としてふさわしいです」という候補者を書く必要があります。未成年者が2人いればそれぞれに特別代理人を付けなければいけませんので、2人候補者を探さなければなりません。

 

おじいさんおばあさんとか、おじさんおばさんとか、そういった人がいなければ知人、友人、そういった人にお願いする必要があります。

 

 

どうしても候補者がいない場合は?

 

どうしても見つからなければ、弁護士さんや司法書士さんなどの専門家を選んでもらうということもできます。ただし、この場合は遺産分割協議に参加してもらうわけですから、当然どういう遺産があるのか、そういうことはすべて知られるということになります。

 

また、この特別代理人の選任の申し立てのときには、遺産分割協議書の案を提出する必要があります。つまり、家庭裁判所に遺産分割協議書の内容を、どういうふうに分けるのかというところもチェックされることになります。

 

基本的には、子供たちの法定相続分1/4ずつを確保するようにという指導が入ると思います。

 

ただし、財産が自宅しかない、住宅ローンもまだ払い始めたばかりでほとんど残っている、預貯金もそれほどあるわけではないというケースの場合には、子供たちが幼くてこれからまだ育てていかなくてはいけない事情がありますから、そういう場合はお母さんがすべてを相続するという遺産分割協議の内容でも認められる余地があると思います。

 

その場合には、そういった事情を申し立ての際に書くということが必要になってきます。この辺りは専門家に相談しながら手続きを進めていただくことをおすすめします。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)