相続登記はいつまで?登記済証と登記識別情報の違いは?

 

 

相続登記はいつまで?

登記済証登記識別情報の違いは?

 

 

今回は、相続登記の申請は早めにした方がよいというお話です。

 

相続登記というのは、亡くなった人名義の不動産を相続人の名義に変える手続きのことです。法律上、相続登記はいつまでにしなければいけないかという規定はありません。ですが、できるだけ早めに相続登記の申請はしておいた方がいいです。

 

 

なぜ、相続登記の申請を早くした方がいいの?

 

相続登記をすぐにしなかったために、その後の手続きにおいて非常に難航したケースがありますので、ここでそのケースを紹介します。

 

父と母が父名義の自宅に住んでいましたが、父が亡くなりました。その後母が自宅で一人で住んでいたのですが、不動産の相続登記はすぐにしなくても生活に支障がないということで、長年そのままで相続登記をしませんでした。

 

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そして20年が経過しました。母もそろそろ高齢になってきたので自宅を売却して施設に入ろう、売却資金で施設に入ればいいんじゃないか、という話が母と長女の間で進んでいきます。

 

不動産屋さんに自宅の売却手続きをお願いしたところ、実は自宅の名義が20年前に亡くなった父の名義のままだということがわかりました。そこで売却のために、前提として父名義の不動産の相続登記をすることになったのです。

 

相続登記は、相続人全員で話し合いをして誰が相続をするのかを決める必要があります。これが「遺産分割協議」という話し合いです。

 

 

誰と遺産分割協議をするの?

 

今回20年前の父の名義を相続登記する場合、相続人が誰か、誰と誰との間で遺産分割協議をするのかというと・・・

 

亡き父の配偶者である母、そして長女、本来であれば長男も入れた3人で話をするべきなのですが、残念なことに父の亡くなった直後に長男は亡くなってしまっていました。

 

そうすると、父の相続権を持った長男が亡くなっていますので、この相続権を長男の配偶者である妻、お嫁さんですね、それと子供、母からすると孫ですね、お嫁さんと孫が相続人として登場してきます。

 

つまり、母、長女、亡き長男の妻と子供(孫)、の4人で亡き父の不動産の名義を誰が相続するのか話し合う必要があります。孫とお嫁さんが母名義にすることに承諾をしてくれれば、スムーズに手続きも進んでいきます。

 

ですが、中には「父の名義は亡き長男が引き継ぐべきだ、その長男がいないのであればその子である孫が承継するべきだ」と考えるお嫁さんと孫もいるかもしれません。そうなるとなかなか母名義に変更する手続きは難航しそうですよね。

 

今回のケースでは、お嫁さんと孫もお婆さんの名義にして、お婆さんが売却した代金で施設に入ることを快く思ってくれたので、無事に相続登記をすることができました。

 

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もしこの相続登記、相続人間での話し合いが難航すれば、当然名義書換ができませんので売却手続きもできません。なので、やはり相続登記は早めにしておくべきでした。

 

このように期限のない相続登記ですが、時間が経つにつれて相続人の事情も変わってきます。長年放置していれば、相続人が亡くなってさらに相続人が増えてきてしまいます。相続人が増えれば増えるほど、遺産分割協議の話し合いも難航するケースもあります。

 

ということで、相続登記は相続開始後できるだけ早めにするようにしましょう。

 

 

登記済証と登記識別情報の違いは?

 

続いて、権利証についてのお話です。実は正式名称が権利証という書類は存在しません。

 

権利証というのは、その所有者が登記をするとき、例えば売却をするとか抵当権を設定するとか、そういったときに法務局に提出をして、本当にその不動産の所有者がその登記に関与しているかどうかということを法務局が確認するために付ける書類のことです。

 

大きく分けてこの権利証には2種類あります。

 

1つ目は登記済権利証です。登記済権利証というのは、もう昔からずっと使われているもの、あなたが権利証といったら概ねイメージされるのはこの登記済権利証の方です。

 

法務局の印鑑が押されたものですね。和紙で作られたものに印鑑が押されて表紙が付けられているイメージのものです。

 

2つ目は登記識別情報というものです。登記識別情報というのは、平成17年の不動産登記法の改正によって導入されたもので、徐々にこれに置き変わっていっているものです。

 

登記識別情報はパスワードです。つまり、パスワードが法務局から不動産ごとに発行されるのです。なので、登記をするときはそのパスワードを入力したりコピーを付けたりすることになりました。なぜそのように変わったのかというと・・・

 

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インターネットで、オンラインで登記申請をするという仕組みが導入されたからです。ネット経由で色々なデータを送信しますから、紙でできた登記済証は当然オンラインに乗せられません。そうして情報としての登記識別情報、パスワードに切り替わっていったのです。

 

 

具体的な登記済証と登記識別情報とは?

 

具体的な現物を見ますと、まず登記済権利証はコピーを取ったものを司法書士事務所が表紙を付けて挟み込んであります。中を見ると、不動産の表示や申請人の名前などが書かれています。

 

重要なのは後ろの法務局がそれに登記済というハンコを押してくれて、受付番号と受付年月日の印鑑が押してあるところです。これで登記簿の記載と確認して、本当にこれが権利証かということをチェックしていくということになります。

 

一方、登記識別情報というのは、やはり同じように表紙を付けて中に色々と綴じ込みます。

 

具体的な登記識別情報にはシールが貼ってあって、このシールをはがすと数字とアルファベットのパスワードが出てきます。このシールは少し特殊なシールで、一回はがすともう貼れなくなっています。

 

ですから、一度はがされたものかどうかというのは注意して見ていきます。また、このパスワードは不動産ごとに発行されるのですが、必ずしもその所有者だからといってパスワードを知っている必要はありません。

 

というのは、売却をするときや担保設定をするときに、その登記を担当する司法書士がシールをはがして手続きをして、また同じような性質のシールを貼って返却するというのが一般的なやり方だからです。

 

実はこれだけで何か登記できてしまうということはなくて、印鑑証明書とか実印とかそういったものの組み合わせでやります。なので、自宅で保管する際には、登記済証や登記識別情報と、印鑑、実印、印鑑カードとは分けて保管しておくことをおすすめします。

 

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