遺産分割協議書作成〜調停手続き〜審判手続きの流れ|遺産分割手続き

 

 

遺産分割手続き|遺産分割協議書作成

調停手続き審判手続きの流れ!

 

 

今回は遺産分割の手続きについてのお話です。遺産分割は何を目的に進めていけばいいのかというと、まずは遺言書を見つけてそれを使う、あるいは遺言書がなければ遺産分割協議書を作りましょう、ということになります。

 

では、どうやって、どういった手続きで遺産分割協議書を作成していけばよいのでしょうか?

 

遺産分割協議書というものは、遺産分割協議の結果を書いた紙ですから、当然遺産分割協議という話し合いをします。話し合いですから、まとまることもあれば、まとまらないこともあります。

 

ちなみに、遺産分割協議書というのは、法定相続人全員のハンコが必要です。誰か一人でも欠けてはいけません。

 

全員のハンコが集まったらどうすればいいのかというと、あとは手続きだけです。実際にこの遺産分割協議書を使って名義を変更したり、預金を下ろすなど実行するだけです。

 

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では、話し合いがまとまらなかった、誰かがどうしても印鑑を押してくれない場合はどうなるのでしょうか?

 

印鑑を押してくれないケースには2つあります。1つは、話し合いをしたけれど内容に納得がいかなくてハンコを押してくれないというケースです。もう1つは、そもそも話し合いにさえ応じてもらえないというケースです。いずれにしても結果は同じです。

 

なぜなら、全員が印鑑を押した書類が出来上がるか出来上がらないか、ここが問題だからです。ですから、どちらであろうが結果としては同じなのです。

 

 

そのような場合はどうなるのでしょうか?

 

そのような場合は調停という手続きに進みます。この調停でやることは遺産分割協議とあまり変わりません。

 

なぜなら、話し合いだからです。ただ何が違うのかというと、まず場所が違います。話し合いをする場所は、裁判所の一室を使って行います。そして、間に聞き役として調停委員という人が入ります。

 

聞き役としてというのはどういうことかというと、調停では直接話はしないということです。調停の場ではどうやって話をするのかというと・・・

 

会議室のようなところに机があって、調停委員の人はたいてい男女1人ずつ2名が座っています。その対面に相続人Aさんが座って自分の言い分を伝えます。その後、自分の言い分を伝えたAさんは待合室に戻っていきます。

 

そして、Aさんが出て行ったら、今度は相続人Bさんが入ってきて、また同じように調停委員に自分の言い分を伝えます。調停員はBさんの話を聞き終えると、「それでは入れ替わって下さい」と言って、またAさんが待合室から入ってきます。

 

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そこで「Bさんはこんなことを言っていましたよ、どうお考えですか?」というようなことを繰り返していきます。そうやってAさんとBさんの話しをまとめていくのが調停と言われる手続きになります。

 

この調停という話がまとまると、この場合には少し書類の名前が違うのですが、調停の結果を書いた紙なので「調書」という書類を作成します。

 

中身は遺産分割協議書と同じです。調書が出来上がると、やはりこれを実行していって実際に遺産を手にしましょうという話になっていきます。

 

 

では、誰かがどうしても納得してくれない、あるいはそもそも調停に出てきてくれない場合はどうなるのでしょうか?

 

この場合には、「審判」という手続きになります。審判はどういった手続きかというと・・・

 

場所が裁判所であることは同じです。ですが、手続きを進めるのは裁判官になります。調停も裁判所が関わっていますし、裁判官は調停の進み方を見ているのですが、決定的に違うことがあります。

 

それは何かというと、審判より前の手続きは相続人の合意で遺産の割り方を決めるということです。

 

一方、審判は判決(審判)で決めます。審判というのは裁判と同じだと思ってください。遺産相続の話は、家族の事件を取り扱う専門の家庭裁判所で行います。

 

この家庭裁判所で行う裁判のような手続きのことを審判というと思ってください。こうした流れで遺産分割が出てきます。

 

 

調停と審判の違いは?

 

あなたが遺産分割を自分自身で行うときに、何を考えなければいけないのかというと・・・

 

調停は合意で話が収まりますので中身は自由です。何をどのように決めていただいても構いません。遺産分割協議書というのは、相続人全員が印鑑を押す書類です。つまり、中身は相続人全員が合意すれば、どんな分け方をしてもいいのです。これが調停です。

 

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ところが、これが審判になってきてしまうと、裁判官が「こういうふうに遺産を分けなさい」というように、遺産の分け方を決めてしまいます。

 

この判決というのは、遺産分割協議書が銀行や法務局に持っていって手続きができる、調停調書を銀行や法務局に持っていけば手続きができる、というのと同じように、判決で手続きができます。

 

このときに裁判官がどうやって分け方を決めるのかというと、ここで初めて法定相続分というのが問題になります。例えば、父母2人と子供2人で夫が亡くなった場合、法定相続分は母が1/2、子供はそれぞれ1/4ずつになりますがこれのことです。

 

そうすると、話を進める上で何を考えなければいけないのかというと、まず遺産分割の話し合いでは、第一にあなたの希望というものを考えてください。それと相手の希望をつき合わせて、まとまるようであればそれでいいです。

 

一方、まとまりそうにないとなったらどのようにまとめなければならないかというと、「まとまらなければどうなるのか」というところから話を進めていくしかありません。

 

つまり、「話し合いがまとまらなくて、審判になって裁判官が判決を書いてしまうとこういう判決が出るよ、それに比べたら今話し合いでまとめている案の方がいいんじゃないの?」というような説明の仕方をしなければいけないということになります。

 

 

遺産分割協議書作成の流れは?まとめ!

 

そうすると、先ほど合意の中身は何でも構わないといいましたが、こうした話し合いを進めるに当たっては、相手に対して「裁判よりも私の案がいいですよ」とか「裁判になっても同じですよ」とか、そういったことを言って説明できなければいけません。

 

それなら、「裁判になったらどのように分けられることになるのだろう」、つまり、実際に亡くなった人が残した財産を誰がどのようにもらうのか、この結論の出し方を知らなくてはいけないということになります。

 

ということで、次回はそれぞれの相続人が何をもらえるのか、何を相続できるのか、それをどのように計算するのか、ということについて解説します。今回は遺産分割協議書を作成していく流れについてのお話でした。

 

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