代償分割に生命保険を活用する方法!一時払い終身保険の注意点は?

 

 

代償分割生命保険を活用する方法!

一時払い終身保険の注意点は?

 

 

今回は、相続対策・遺産分割対策として、代償分割に生命保険を活用する方法についてのお話です。

 

相続財産が自宅だけといった場合や、相続財産のほとんどが不動産(自宅兼店舗や農地)であるという場合に、相続人間で公平に財産を分け合おうとなったら、それを売却してお金に代えて、それを分けるしかありません。

 

しかしながら、例えば、長男が自宅に住み続けたい場合や、事業や農業を続けたいといったケースでは、遺産分割をしてしまうと、事業や農業を続けることができなくなったりしてしまいます。

 

そのようなケースでは、遺産分割がなかなかまとまらず、相続人間でトラブルに発展してしまうこともよくあります。

 

このような場合に利用するのが「代償分割」という方法です。代償分割とは、例えば不動さんを一人の相続人が取得する代わりに、他の相続人には相当の金銭(代償金)を支払い、相続人間のバランスを取る方法です。

 

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この代償分割に生命保険を活用するというのは、その代償金の支払いのための資金を生命保険で準備しておくということです。

 

この場合、被相続人が被保険者兼契約者で、不動産を取得する相続人を死亡保険金受取人に指定した生命保険に加入しておきます。そうすると、受け取った保険金を他の相続人に代償金として支払うことができるようになります。

 

 

代償分割に生命保険を活用する方法の注意点は?

 

例えば、長男に事業を継がせるために、長男に自宅や事業用の不動産など多くの財産を引く継がせたい場合がありますよね。

 

そのような場合には、遺言書で「他の相続人には、長男から代償金を支払う」というようにしておけば、後継者である長男に多くの財産を相続させることがしやすくなります。

 

この場合には、死亡保険の受取人を長男にした生命保険に加入しておけば、死亡保険金は受取人(長男)固有の財産となりますから、遺産分割協議対象の財産にはなりません。

 

また、相続人の間で著しい不公平が生じるケース以外、生命保険金は特別受益には該当しませんから、代償金として有効に活用できます。

 

ただ逆に、長男以外の相続人(例えば長女)を死亡保険金の受取人にしてしまうと、長男からの代償金にはなりません。

 

その場合は、長女が死亡保険金をもらったうえで、長男に代償金やそれ以外の遺産分けを別途求めることができてしまいますので注意が必要です。

 

なお、これ以外の注意点もあります。

 

それは、生命保険を代償分割に活用することトラブル防止につながるメリットがある一方、保険料が高額になりがちなことです。どこまでが適正な範囲なのか、生命保険による方法だけにこだわらずに、総合的になメリットとデメリットを慎重に見極めることが大切です。

 

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一時払い終身保険の注意点は?

 

続いて、人気の一時払い終身保険の注意点についてのお話です。世間では、相変わらず一時払い終身保険が売れているようです。保険会社だけでなく銀行の窓口でも積極的に販売されていますからね。

 

平成27年から相続税の基礎控除額が引き下げられたことによって、相続税の対象になる人が増えたということもあるのでしょう。

 

また、それを営業トークにしていることもあって、本当によく売れています。実際、一時払い終身保険が売れすぎて販売を停止するかも、という記事が新聞に掲載されたこともありました。

 

 

一時払い終身保険とは?

 

一時払い終身保険というのは、一括で保険料を支払う終身保険のことを言います。この一時払い終身保険は、保険料を一括で支払うことによって、月払いや年払いに比べて保険料を安く抑えることができます。

 

また、「相続税対策にも利用できる」とか、「銀行の定期預金に預けておくより利回りが良いし、株式や投資信託より安心」ということで、最近人気の保険商品となっています。

 

 

一時払い終身保険の注意点は?

 

それでは、一時払い終身保険というのは、本当にそんなにお得なのでしょうか?

 

やはりそこには注意してほしい点もあります。まず何と言っても最大のリスクは、早期解約による元本割れのリスクです。最近は、販売する際に解約すると元本を下回ることがあることをきちんと説明しているようです。

 

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ですが、まだまだ銀行に預けておくよりも有利な商品だと考えて入っている人も多いようですね。また、保険会社や商品によってもパフォーマンスにはかなりの差があります。実際、元本割れにおけるリスクの度合いや、解約返戻金の額なども商品によって違ってきます。

 

それにもかかわらず、多くの人が、死亡保険金の非課税限度額のメリットや銀行預金より利回りが良い点などを強調されると、他社商品との比較を十分に行わずに、勧められるままに一時払い終身保険に加入してしまっているようです。

 

 

さらに・・・

 

相続税対策としての生命保険の非課税限度額のメリットにしても、実際にご自身が本当に相続税がかかるのかどうかもわからないまま、ただ「相続税の増税で相続税が不安だから」というだけで安易に加入してしまっているケースが多いです。

 

このような場合、いざお金が必要になったときに一時払い終身保険を解約したら、元本を割ってしまい損をしてしまったということにもなりかねません。まずは何の目的で本当にその生命保険に加入する必要があるのかをよく見極める必要があります。

 

その他のリスクとしては、パンフレットなどに載っている予定利率にも注意が必要です。予定利率というのは、各生命保険会社が見込む運用の利回りです。

 

実際には、そこから運用や事務コストを差し引いたお金を契約者に分配することになります。なので、契約時には実際の利回りを確認するようにして下さい。

 

また、万が一保険会社が破綻した場合には、元本が減る可能性があります。銀行預金の場合は、預金保険機構の制度で残高1,000万円までとその利息については全額保護されますが、保険商品の場合には適用されませんので注意が必要です。

 

それから、外貨建ての商品は一見すると利回りが高いように見えますが、為替変動リスクがあります。

 

つまり、円高になれば為替差損が発生して、死亡保険金や解約返戻金等を円換算した金額が払込保険料を下回るリスクがありますので、こちらにも注意が必要になります。

 

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