自筆証書遺言が無効になるケースとは?有効な遺言書の書き方!

 

 

自筆証書遺言無効になるケースとは?

有効な遺言書の書き方!

 

 

今回は、自筆証書遺言は無効になるケースがたくさんあるというお話です。遺言というのは、いくつか種類があるのですが、一般的なものとしては2つ覚えておけばOKです。

 

まず1つ目は全文を自分の手で書く「自筆証書遺言」、もう一つは公証役場で作る「公正証書遺言」というものです。

 

このうちどちらがおすすめかと言われたら、これは断然公正証書遺言です。公証人というのは法律のプロですから、内容に不備があったり、形式的に問題があったりすることは絶対にありません。

 

つまり、登記をしたり、預貯金を引き出したり、そういった手続きを確実にしていくことができます。

 

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自筆証書遺言はほとんど使えない?

 

一方で、自筆証書遺言というのは、やはり素人が書くものですから、内容に不備があったり、形式的に問題があったりして、実際の手続きでは使えなかったというケースがかなりあるのです。

 

私がこれまで見てきた中では、10人が自筆証書遺言を持って登記や預貯金の払い戻しをしに行ったら、半分以上の人が何かしら問題があって、例えば、「ここは調べてみないと」とか「ここは法務局と相談しないと」というようになってしまっています。

 

1〜2割のものは、箸にも棒にも掛からない、これでは全然ダメですというような遺言になっているのが現状です。せっかく遺言書を作成したのに手続きに使えない、それでは遺言書を作成した意味がありませんよね。

 

ですから、やはり公正証書遺言で作成する、あるいは自筆証書遺言で作成したいのであれば専門家にチェックしてもらって確実に使える有効な遺言書にしておく、これが大事です。

 

 

自筆証書遺言が無効になるケースとは?

 

では、ここで自筆証書遺言が無効になってしまう事例を紹介します。要は、こういうところがダメで使えませんでしたという事例です。

 

1つ目は、共同遺言です。夫婦が共同で遺言を作っているケースです。

 

これは実際にあるのです。例えば、「自分の財産は配偶者に相続させる、日付、そして、ご主人の名前、印鑑、奥さんの名前、印鑑」というものです。これはダメなのです。全体が無効になってしまいます。

 

なぜかというと、内容が複雑になるということと、それから、ご主人が遺言を書いてハンコを押して「お前もこれに名前を書いておけ」という遺言書の作り方ではまずいからです。ですから、遺言というのは1人1通書く、というのは絶対に覚えておいて下さい。

 

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私自身、夫婦共同遺言というのを何度も目にしたことがありますので注意して下さい。

 

 

2つ目は、本文がパソコンで書いてある遺言書です..

 

本文をパソコンで作って日付を打って、名前だけ手書きでサインしてあるものです。

 

名前だけサインすればいいと勘違いされたのだと思います。ですが、名前だけサインしてあるものは無効です。自筆証書遺言というのは、全文を自分の手で書く必要があるからです。こうした遺言もよく目にしますので注意して下さい。

 

 

3つ目は、訂正方法が間違っている遺言書です..

 

自筆証書遺言の訂正の仕方というのは、民法に記載されていますので、その通りに書かなければ無効です。

 

ただ、この訂正方法はかなり難しいので、私が自筆証書遺言の相談を受けた際には、間違えてしまった場合には、少し面倒でも一から書き直してもらうようアドバイスしています。

 

 

4つ目は、日付のない遺言書です..

 

日付というのは、遺言においては非常に重要です。なぜかというと、遺言書というのは何度も作り変えることができますから、最後に作ったものが優先するからです。つまり、日付というのが重要な要素になるのです。

 

例えば「平成○年○月吉日」と書いてあるものと、「平成○年○月15日」と両方出てきたときに、どっちが最後に作ったということがわからないですよね。ですから、日付がないものは遺言としては無効になってしまうのです。

 

 

5つ目は、私道部分の記載が漏れている遺言書です..

 

自宅の不動産、土地というのは、本地があって共有の道路を持っていることがありますよね。その道路について見落としてしまう、書き漏らしてしまうことが非常に多いのです。

 

道路が付いていない土地というのは、価値がすごく下がってしまう、建物の建て替えができなくなってしまったりということがあると思います。ですから、指導部分もきちんと入れる、権利証を見たり、固定資産税の納付書を見たりしながら、正確に書くのが大切です。

 

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6つ目は、不動産の特定の仕方がまずい遺言書です..

 

不動産というのは、土地や地番、建物は家屋番号で特定していきます。例えば、渋谷の自宅、新宿のマンション、軽井沢の別荘、というような書き方をしている人がいるのですが、これではダメなのです。きちんと地番や家屋番号で特定する必要があります。

 

 

7つ目は、読めなかったり

意味がわからない遺言書です..

 

やはり最後、亡くなる直前に書かれたものが多いので、とてもじゃないけど読めない、意味がわからないというものがよくあります。書いてあるものを何とか読むことができても、これではどういう意味なのかわからない、そういうものも結構あります。

 

実際にあったケースでは、ご主人が奥さんに財産を残したかった、そういう遺言書が作ってありました。お子さんたちがいたので、おそらくそのお子さんたちに向けて書いたという気持ちが強かったのだと思います。

 

「配偶者に財産を残したい」という趣旨の遺言なのですが、その方が書いた遺言には「私の財産はお母さんに相続させます」と書いてあったのです。

 

お母さんと言ったら、当然、母親のことになりますから、その方の意思としては妻にという意味だったのですが、これではダメだということになります。気持ちはわかりますが。

 

こういうことがあると、自筆証書遺言というのは残念ながら手続きには使えない、あるいは法務局と相談をしてお願いして通してもらうという形になってしまいます。

 

ということで、自筆証書遺言を作る場合は、一度専門家に相談なり有効な遺言書の書き方をアドバイスしてもらうことをおすすめします。

 

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