自筆証書遺言の遺言書作成をおすすめしない理由!

 

 

自筆証書遺言の遺言書作成を

おすすめしない理由!

 

 

最近、遺言書を書く方が増えてきています。皆さんの意識の高まりもありますが、「終活」というのがちょっとしたブームになっていることも背景にはあるようです。しっかり遺言書を書いておかないと、後でもめてしまうということもあるのでしょう。

 

昔は家督相続といって、長男が全部継ぐのが当たり前だったのですが、やはり今の世代は、子供ならみんな平等にもらえるものだというのが当然になってきています。そういう意味では、昔の方とは大分考え方が違ってきているのかなとは感じます。

 

実際、親御さん世代とお子さん世代で全く考え方が違って、それが原因でもめてしまうというケースも非常に多いです。

 

そこで、子供たちがもめたり困ったりしないように、あとは少し多めにあげたい子供がいるとか、そういう自分の思いを伝えたい、財産の分け方も最初にこちらで決めておきたい、そういう人が遺言書を書いています。

 

スポンサーリンク

 

 

遺言書の種類は?

 

遺言書には2つの種類があります。

 

手書きの遺言書(自筆証書遺言)と公正証書の遺言書(公正証書遺言)の2つです。自筆証書遺言は、読んで字の如く、自分の手ですべてを書くということになるのですが、個人的には、公正証書でしっかり残せる公正証書遺言の方をおすすめしています。

 

なぜ自筆証書遺言をおすすめしないのかというと、それには色々な理由があります。わかりやすく言うと、やはりきちんと書けている方が非常に少ないということです。

 

書き間違いもありますし、法律のルールに則っていないような曖昧な書き方とか、よくわからない書き方、大事なことが抜けている書き方、遺産の一部が書かれていなかったり、不備のある遺言書を書かれる方が非常に多いです。

 

つまり、きちんとした遺言書ではないので、後に残された家族が非常に困るケースが多々あるということです。やはり、そういう形で悩まれている方が非常に多いと感じています。なので、手書きの遺言書はできれば避けていただきたいです。

 

 

手続きが大変・・・

 

もし万が一手書きできちんと書けていたとしても、自筆証書遺言の場合、その後の手続きがものすごく大変になります。

 

これは必ずそうなります。公正証書遺言と比較して自筆証書遺言の場合は、後に残された家族がやらなければならないことがものすごく増えるわけですから、それだけ大変になるのも当然です。

 

なので、残された家族からすると、「何で手書きで遺言書を残したんだ」と困ったりがっかりしたりするわけです。

 

具体的には、手書きの自筆証書遺言の場合、遺言書を家庭裁判所に出す手続きをしなければなりません。しかも、家庭裁判所に持っていっても、その日にその場ではなかなか確認できません。

 

とりあえず、その日は遺言書と戸籍謄本、その他添付書類を付けて、それらを提出して終わりです。

 

スポンサーリンク

 

 

後日、裁判所の方から「○月○日に家庭裁判所に来てください」と相続人全員に通知が出されて、その指定された日に相続人が出席して、そこで初めて遺言書の中身を確認して、「確かにこういう遺言書があります」という手続きをしなければならないのです。

 

この手続きのことを「検認」と言います。

 

 

検認とは?

 

この検認手続きに1ヵ月〜1ヵ月半くらいかかります。そうすると、その間に銀行預金を引き出したり、自宅の名義を変えたり、ということが一切できないわけです。1ヵ月〜1ヵ月半ずっと裁判所の手続きが終わりませんから、その他の手続きは進めることができません。

 

このように、家庭裁判所の手続き自体が増えてしまうと、残された家族の負担がものすごく大きくなってしまうのです。

 

それに比べて公正証書遺言なら、検認手続きのようなものが一切ありません。そもそも家庭裁判所に遺言書を持っていくこと自体しなくて済みますので、自筆証書遺言に比べるとものすごく楽なのです。

 

 

書き漏れや書き間違いがあった時も大変・・・

 

それから、自筆証書遺言の場合は、書き漏れや書き間違いがあった時に、ものすごくややこしいことになります。

 

例えば、遺言書の中で執行者が指定されていなかったら、それを家庭裁判所に選んでもらうという手続きが必要になったりします。これも1ヵ月〜1ヵ月半くらいかかります。

 

また、自筆証書遺言の場合は、書き間違いはもちろんですが、その後の手続きが本当にややこしくもなりますし、スムーズに進みません。こうしたことがあるので、自筆証書遺言はおすすめしていないのです。

 

 

自筆証書遺言は簡単?

 

一般的には本屋さんに行くと、「手書きの遺言書は簡単なのでおすすめします!」とか、「これ一冊で手書きの遺言書が書けます!」という本がたくさん出版されています。

 

ですが、実際に遺言書づくりを手伝っている側からすると、公正証書遺言で作成する方が実際には楽だと感じます。

 

それはなぜかというと、自筆証書遺言の場合、遺言書の文章を細かい表現まで全部自分で考えて書かなければいけないからです。これはなかかな一般の人には難しいのかなと思います。

 

スポンサーリンク

 

 

参考書を買ってそこに例文が載っていて、それをそのまま使う人もいます。もしかしたらそれでも上手くいくのかもしれません。ですが、遺言書は保険のようなものです。万が一トラブルになった時に始めて役に立つというところがやはり大きな遺言書の効果なのです。

 

そのもし何かトラブルが起こった時に、参考書の定型文をまま丸写しですと、役に立たないケースがよくあります。実際、せっかく遺言書を書いたのに意味がなかったということがよくあるのです。

 

そして、その後でトラブルになってしまって、例えば、裁判になったら弁護士さんを雇ってということになると、その費用もたくさんかかります。しかも、裁判になったら半年から1年以上かかってしまいます。

 

そうすると、残された家族には精神的にも費用的にもものすごく負担になってしまいます。

 

 

遺言書作成は公正証書遺言がおすすめ!

 

それに比べると公正証書遺言は、最初は公証役場に行ったりしてちょっと大げさだなとか面倒だなと思うかもしれませんが、文章自体は公証人が考えてきちんと文章を作ってくれます。

 

また、その後の手続き、その遺言書を作った人が亡くなった後も、トラブルになりにくいですし、もしもめたりトラブルになったとしても、公正証書にしておくことで最悪の事態は防ぐことができます。

 

実際、手続きはすごく楽になります。この辺は、残された家族には非常に助かります。そういう意味でも、やはり公正証書できちんと作成しておいた方がいいのかなと思います。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)