住宅ローン見直し時期|変動金利の相談と交渉、借り換えとの違い!

 

 

住宅ローン見直し時期は?

変動金利の相談と交渉、借り換えとの違い!

 

 

本日は、「すでに住宅ローンを組んでいる人の見直しができるかどうか」についてのお話しです。住宅ローンの見直しを借り換えという人もいます。借り換えというのは、銀行を変えるやり方です。

 

ここでお話しするのは「見直し」です。見直しというのは、同じ銀行のままなんです。

 

この違いは何なのかというと、銀行を変えるとなると、たくさんの手数料がかかります。例えば、司法書士に支払う登記費用です。銀行は住宅に抵当権を付けていますので、銀行が変わるということは、抵当権を設定する銀行が変わってしまうことになるからです。

 

ちなみに、抵当権とは、「住宅ローンが払えなくなったら、住宅をもらって競売にかけますよ」という権利です。抵当権の設定というのは家の謄本に載っているということなのです。そして、謄本に載っているということが権利を有することになるのです。

 

スポンサーリンク

 

 

この抵当権の設定を変える手数料、あるいは税金が新たにかかってきます。しかも借り換えの保証料も新たにかかってきます。そうすると、50万円とか100万円という手数料がかかってしまいますから、住宅ローンの見直しのメリットがなくなってしまう可能性があります。

 

ということで、今回お話しするのは、借り換えではなく「住宅ローンの見直し」の時期についてです。

 

同じ銀行ですから、新たに住宅ローンを借りるわけではありません。今住宅ローンを借りているところに、相談・交渉するということです。相談や交渉することによって、住宅ローンの支払いや金利を下げてもらおうというお話しです。

 

 

なぜ銀行は住宅ローンの見直しをしてくれるの?

 

なぜ住宅ローンの金利を銀行は見直してくれるのでしょうか?銀行としては、高い金利で借りてくれているのならそのままの方がいいですよね。

 

あなたは家を買う時に「この金利でいきますよ」と、契約書にサインをして印鑑を押したはずです。

 

「金利は変更できません」という色々な縛りのあるものもあったりします。短期で2年変動金利とか、2年間だけ固定金利でその後は変動金利になりますとか、最初から変動金利とか、35年ずっと固定金利など、色々な契約があると思います。

 

契約の内容によっては、見直しができるできないあるのですが、最初にあなたは銀行と約束をしたのです。「この金利でお借りします」と。ですから、なぜ銀行がわざわざ見直してくれるのかというその背景を知っていただきたいのです。

 

まず家の話です。私の周辺でも、今はまだ家を買う人がいますし、どんどん開発が進んで家がたくさん建っています。ですが、全国的見ると、家を買う人はすごく減っているのです。当然、人口の多い世代というのは上の方に行ってしまっています。

 

団塊の世代は60歳を超えていますからね。その団塊ジュニアも40代に入っています。つまり、家を買う30代の人たちは少ないのです。

 

スポンサーリンク

 

 

また、景気の問題もあります。色々な事情が重なって、住宅を購入する人は毎年減っているのです。そして、住宅を購入する人が減っていっているので、住宅を借りる人も少なくなっているのです。ここが1つのポイントです。

 

 

もう1つのポイントは、・・・

 

銀行はどうやって収入を得ているのかということです。銀行の収入は何かというと、私たちから預かったお金を誰かに貸しているのです。その貸した金利が返ってきます。この金利が銀行の収益になっています。

 

そして銀行は、この収益の中から預けてくれた人に金利を支払ってもいます。当然受け取る金利は高く、支払う金利は低いので、この金利の差が銀行の収益になっているのです。

 

こうして考えると、銀行はお金を預かっていたら誰かに貸さないといけないわけです。お金を貸すことで利益を出しているからです。ただ、どうでしょう?今、景気は良いのか悪いのは不透明な状況です。銀行は中小企業にお金を貸し出しています。

 

中小企業が設備投資をする際にお金を融資して、その融資したお金で会社は利益を出して、そして金利を支払って、その金利が銀行の収益になっています。

 

今、中小企業の業績はよくありません。そうすると、銀行からお金を借りてくれる人がいません。銀行としては、お金を借りて欲しいのです。銀行は中小企業が借りてくれたその金利で儲かっているわけですからね。でも、借りてくれないのです。

 

なぜなら、これほど景気が悪いと言われている状況で設備投資をどんどんしていくような会社はないからです。

 

そうすると、中小企業は設備投資がないということは、お金を借りる理由がないのです。借りる理由のないお金を借りる必要はありませんから、銀行からお金を借りてくれる人はいません。

 

スポンサーリンク

 

 

逆に、借りる理由のある中小企業が仮にあったとします。でも銀行は、「お金を貸してくれないと、明日にでも倒産してしまう」という会社には、お金を貸したくありません。

 

リスクがあるし、貸倒てしまう可能性があるからです。その会社が返済できなくなってしまったら、銀行は赤字になってしまいます。ですから、こうしたこともできません。

 

ということで、お金を貸してもきちんと返してくれるところに、やはり銀行はお金を貸したいのです。そして、それは一体どこなんだといったときに出てきたのが「住宅」だったのです。わかりやすく言うと、日本人、すなわち個人にお金を貸そうということです。

 

しかも、家族を養っていくための家を買うためのお金なら、きちんと返済していこうと思いますから、安心してお金を貸すことができると考えたのです。それが個人の住宅ローンだったのです。その上、住宅ローンは30年とか35年とか、長期間借りてくれます。

 

要は、安定して長くお金を支払ってくれるので、銀行は長い間収益を得ることができるということです。

 

日本人は、借りたお金は返さなければいけないと考える人がほとんどですからね。海外ですと、借りたお金は借りっぱなしで、利息だけ返済しておけばいいというところも多いです。

 

一番貸していて安心、しかも個人が家族を守るために使うお金ですから、きちんと返してくれるだろうということで、銀行も返済の目途が立つのでです。

 

こうして、銀行の貸出先は、中小企業から一気に個人の住宅ローンの方に力を入れていこうということになったのです。

 

こうした動きは2008年とか2009年頃から始まりました。先ほどのとおり、住宅はたくさん建っているように見えますが、実は全盛期よりは全然少ないです。こうした背景があって、各銀行は、住宅ローンだということで一勢に走り出したのです。

 

 

なぜ住宅ローンの借り換えや

見直しができるようになったの?

 

例えば、Xさんが家を買いたいので住宅ローンを借りたいというと、A銀行、B銀行、C銀行が「うちで借りませんか?」と言ってくるわけです。実際には、Xさんに直接言ってくるわけではなく、Xさんが依頼している住宅会社の営業マンに各銀行が言ってくるわけです。

 

スポンサーリンク

 

 

Xさんは3つの銀行から住宅ローンを借りることはありません。この3つの銀行のうち1つからしか住宅ローンを借りることはありませんから、どこか1つの銀行が取ることになります。

 

ちなみに、私が知り合いの銀行マンから聞いた話だと、銀行の営業マンが半年間で貸し出さなければいけない予算(ノルマ)は、4億円くらいだそうです。

 

例えば、C銀行が今回は契約に至り住宅ローンを3,000万円貸し出すことができたけれど、他の銀行はダメだったとします。その後、今度はYさんが家を買いたいと言ったら、また各銀行はYさんのところに行って「うちで借りて下さい」と言うわけです。

 

すると、またここでもC銀行が契約にいたり、他の銀行はダメだったとしたらどうでしょうか?

 

実際、1人家を買うごとに、こうしたことが繰り返されているのです。ですが、半年で4億円という高い予算を組んでいて、しかも各銀行が住宅ローンに集中していくと、借りる人より貸す人の方が多くなるわけです。

 

そうすると競争が始まります。その競争が始まったことによって、金利競争が始まったのです。

 

そして、店頭金利が2.564%だったとすると、「うちは1%優遇しますので、1.564%で住宅ローンが借りれますよ」という銀行が出てきたのです。

 

すると、今度は「うちは1.2%優遇しますよ、この0.2%は影響は大きいですよ。うちで借りませんか」というふうになっていったのです。こうした状況がピークまで行きました。

 

そうすると、今は1.8%など優遇する銀行が出てきたので、1%に達しない金利で住宅ローンを借りているという人がたくさん出てくるようになりました。

 

ただ、こうした金利競争が始まったのは2010年くらいからです。それ以降の人は、1%とか1.2%優遇しますというものを使っていませんから、未だに2.564%など高い金利で借りているのです。

 

この金利の差額は、何十万円単位どころではありません。実際には何百万円単位にまでなってしまいます。

 

同じ金額を借りて同じ返済期間で返すのに、優遇金利を受けているかどうかで、何百万円も変わってくるのです。なので、こうした高い金利で借りたままになっている人は、見直しや借り換えをした方がいいと言われているのです。

 

スポンサーリンク

 

 

住宅ローンの借り換えの仕組みは?

 

先ほどの例ですと、C銀行だけは毎回契約に至りますが、その他の銀行は毎回契約に至らないわけです。するとA銀行は、「いつもダメなのは新しいお客さんのところに行くからダメなんだ」と考えるようになるのです。

 

一方、C銀行には、昔からの高い金利で住宅ローンを借りているZさんがいたとします。

 

このZさんのところにA銀行が行って、「住宅ローンを借りていますよね、今金利いくらですか?2.564%ということは優遇を全然されていないんですね。うちの銀行なら優遇1.5%までしますよ」とやるのです。

 

さらに、「Zさんは金利がかなり安くなりますから、返済額も減るし負担も減りますよ。ちょうど今、お子さんに教育費がかかる時期ではないですか?」と言うのです。

 

すると、Zさんは、「それならA銀行にお願いします」となって、C銀行を解約することになります。

 

こうしたことを、A銀行は、B銀行や他の銀行にも仕掛けていくわけです。そうすると、A銀行はどんどん契約が増えていって、この方法はいいということになります。

 

一方、お客を取られた銀行の営業マンは、半年の予算が4億円ということでしたが、例えば、住宅ローン3,000万円のお客さんを他行に取られたとすると、予算が4億3,000万円に増えてしまうのだそうです。

 

これではたまりませんよね。すると、今度はC銀行も他行からお客を取りに行こうということになって、お客の奪い合いが激しくなっていったのです。そして、借り換えをどんどん進めていったのです。これが、以前借り換えが流行った理由です。要は、銀行が仕掛けたのです。

 

 

ただ、実際この取られたら取り返すというやり方は、

結構大変でした..

 

そして、気付いたのです。例えば、C銀行がYというお客さんから「解約します」と言われたら、「もしかして、他の銀行から借り換えませんかと言われたのですか?」と聞きます。住宅ローンを解約するということは、当然、別のところから借りているわけですから。

 

スポンサーリンク

 

 

つまり、C銀行は、お客さんを取られてまた取り返しに行くのは大変だと気付いたのです。

 

そこで、Yさんに「うちで金利下げますけど」と言って、Yさんは他所の銀行に借り換える必要はなくなるということになったのです。しかも、同じ銀行で金利を下げてもらえるのなら、別の銀行に借り換える際にかかる手数料はほとんどかかりません。

 

こういった背景があって、同一銀行であっても住宅ローンの金利の見直しができるようになったのです。すると、これまであったようなお客を取った取られたという競争はなくなってきます。

 

ですが、常にこうした力は働いています。

 

なので、近郊の窓口に行って、「住宅ローンの借り換えを検討していて、他の銀行に変えようと思っているんですけど」と言うと、「ちょっと待ってください、今向こうの金利はいくらですか?それなら向こうと同じくらいの金利まで下げますよ」という話をしてくれます。

 

もちろん、これは単純化しているのでこのとおりにはいきませんが、要するにそういうことです。これで得をしたのは、金利を下げてもらったZさんです。

 

 

これが「住宅ローンの見直し」です。

 

借り換えたのではなく、あくまでも同じ銀行で住宅ローン金利を見直してもらったのです。

 

この方法が、実は最も手数料がかからず手続きも簡単な方法になります。余分な書類を出す必要もなく、簡単な書類の記入だけで済みます。借り換えだと手数料に100万円近くかかるところもありますが、数千円くらいで済みます。

 

ということで、住宅ローンの見直しでメリットがありそうだということになったら、まずは銀行に行って相談してみることをおすすめします。ここでは、あくまでも“相談”に留めておきます。

 

あなたの住宅ローン金利が高いままなのは、銀行が悪いわけではありません。銀行はその時期には、一番有利な金利で融資をしているわけですから。ただ、世の中の流れが変わっただけです。

 

なので、銀行に行って、金利が高いとクレームのような言い方をすると、銀行は「それなら他所の銀行に行って下さい」と簡単にあしらわれますので注意して下さい。

 

銀行はお金を貸しています。私たちはお金を借りています。お互いにメリットがあって商売が成り立っているわけです。銀行が悪いわけではありませんので、お互いに持ちつ持たれつの関係を大切にして、相談から交渉に挑んでいくことをおすすめします。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)