癌は血液検査でわかる？
健康診断の数値以外で病気のがんを発見！
癌（がん）は、日本人の国民病とも言える非常に馴染みの多い病気です。実際、一生涯で2人に1人が癌（がん）に罹患すると言われていて、日本人の死亡のおよそ30％が癌（がん）で亡くなっているというのはご存知の通りです。
男性に多い癌（がん）としては、肺がん、胃がん、大腸がんなどがあります。女性の場合は、男性と同様、肺がんや大腸がんが多い一方、乳がんや子宮がんなども一定数いますので、不安い感じている方も少なくないと思います。
ただ、癌（がん）は昔とは違い、早期発見であれば治りやすい病気にもなってきているのも事実です。それなのに、がん検診を受ける割合は約30％程度と言われていて、実際にはそれほど多くないのです。
これは、健康診断の検診自体が乳がん検診など、種類ごとに分かれていたり、費用も自費だったりするので、どうしても後回しにしてしまう傾向にあるのではないかと言われています。
癌が血液検査でわかるの？
そのような中で、実はたった一滴の血液検査で癌（がん）が早期発見できる技術が研究されているのです。
NEDO（新エネルギー・産業技術総合開発機構）というところがあって、そこに、国立がん研究センターや東レ、東芝などの20機関以上と共同で実施している、体液中マイクロRNA測定技術基盤開発という研究があります。
これはどういったものかというと、がん細胞が分泌するマイクロRNAと言われる物質があるのですが、これに着目をして、従来の診断方法では見つけられなかった小さな癌（がん）を早期発見する技術になります。
マイクロRNAというのは、血液や唾液、尿などの体液に含まれる小さなRNA（リボ核酸）のことで、病気によって、患者の血液中で種類や量が変動することがわかっています。
しかも、癌（がん）の種類によって、マイクロRNAの内容も異なるということから、癌（がん）の種類ごとの解析がされていけば、自分が癌（がん）にかかっているのかということがわかるだけではなくて、何の癌（がん）にかかっているのかや、転移しているのかというところまでわかるので、非常に期待されています。
この研究は、2015年の夏に、乳がんと大腸がんの早期診断の試みを開始していて、2018年度末までに完成させるというところを目指しています。まさに癌（がん）の早期発見の新革命になるのではないかという研究なのです。
健康診断の数値以外で病気のがんを発見？
それ以外にも、例えば、臭いで癌（がん）を発見するという研究もされています。
これは、東京医科歯科大学の研究で、手のひらの臭いをセンサーで感知して、癌（がん）があるのかどうかを測るものです。また、九州大学では、線虫という細い虫が癌（がん）の臭いに反応するということから、腫瘍マーカーとして研究がされています。
これまでの腫瘍マーカーよりも精度が高いのではないか、というところに期待されています。
さらに、慶応義塾大学では、唾液に注目をして、唾液に含まれる500種類以上の成分を解析して癌（がん）の早期発見をする研究がなされています。
このように、癌（がん）に関する研究というのは、多くの研究機関や大学などで行われていて、より早期に発見をする技術であったり、手軽でしかも安く調べることができる技術の進歩に、非常に大きな期待が寄せられています。
こうなっていくと、いずれ日本人の死亡原因第1位は癌（がん）ではなくなる日もそう遠くない未来なのかもしれません。
癌が血液検査でわかるキッドが市販されるかも！
ファイナンシャルプランナー（FP）という見地からすると、こうした医療技術の進歩は、生命保険などの分野にも大きく影響してくるでしょうし、平均寿命が延びていけば、老後のファイナンシャルプランにも、ある意味では影響してくると思います。
いずれにしましても、長生きといっても、体長の悪い身体で長生きしても楽しくないですから、健康寿命、すなわち、健康でピンピンしていられる寿命が生きていく上では一番重要なわけです。
こうした癌（がん）研究は、私たちの期待を背負って、どんどん進めていただきたいところです。
というわけで、現在、血液一滴とか唾液とか、汗など、人間どこか体調が悪いところがあると、身体は必ず反応しているというところに着目して研究がなされています。
今後、私たちの私生活の中でちょっと様子がおかしいなとか、何か体調が悪いなと感じた時に、ちょっと唾液を取って病気かどうかを調べられるキッドが市販される時代が、もう間もなく到来するのかもしれません。