投資信託の基準価格とは?|受取コースと再投資コースの選び方

 

 

投資信託分配金

基準価格と個別元本

 

 

投資信託では、「基準価格」というものが定められています。

 

この基準価格は日々変動するものなので、株価のようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。一方、税金上の公正を図るために、投資をしている人ごとに「個別元本」というものを把握することになっています。

 

ですから、原則として、個別元本に対して価格が上回っている人は利益が出ていて、その反対の人は損をしているということになります。また、投資信託は分配金を出しますが、これは利益に対して出しているわけです。

 

ただ、個別元本に対して基準価格を比較した場合に、含み益がある人だけに分配金を出すというのは、かなり面倒な処理になり、実質的には不可能となります。

 

ですから、分配金というのは、すべての投資家に一律に出されることになっているのです。

 

スポンサーリンク

 

 

投資信託の価格とは?

 

投資信託というのは、「手数料ばっかり高くて全然儲からないよ」という声も聞かれますが、本当にそうなのでしょうか?

 

中には「分配金の出し方がおかしいんじゃないの?」とか「基準価格がどんどん下がっていくけど大丈夫なのか?」など、騙されているんじゃないかと言う人もいます。

 

では、これを素直に受けて、投資信託は資産運用の投資先としては、悪い金融商品なのかというと、決してそういうわけではありません。

 

投資信託は本当に良い商品なの?、あるいは毎月分配は良いの悪いの?、特に毎月分配は商品性としてどうなの?というようなことがよく言われていますが、これらは投資家によっても違ってくるからです。

 

つまり、どういった人にどういった商品が合うのかというのは異なるので、一概には言えないのです。ですから、毎月分配は絶対にダメだと言って切り捨ててしまうものもはないのです。

 

 

基準価格とは?

 

基準価格というのは、株式投資で言うところの株価のようなものと考えるとわかりやすいです。

 

株式は当然、日々値動きがありますが、投資信託も同様に値動きがあるのです。また、株式の場合は、基本的に1株単位でいくらという話になりますが、投資信託の場合は、基本的に10,000口当たりいくらという計算をします。

 

ですから、新聞の経済面など、株価が掲載されてる面の代表的な投資信託の基準価格は載っています。ちなみに、日本経済新聞ですと、追加型ならすべての投資信託の基準価格が載っています。

 

スポンサーリンク

 

 

基本的にはそれらの金額も10,000口当たりの金額で載っています。中に100口単位などたまに違うものもありますが、基本的には10,000口当たりの金額と押さえておけばよいと思います。

 

 

基準価格と株価の

違いは?

 

株価との大きな違いは、株価というのは、その株式の需要と供給で値段が変わるというところにあります。例えば、株を400円で買いたいという人と株を400円で売りたいという人がいれば、その株価は400円に決まるという単純な話です。

 

一方、投資信託の場合は、そうではありません(ETFやREITは、株式と同じで需給で決まるので除きます)。投資信託の基準価格というのは、中身の運用成績で決まるからです。

 

ですから、投資信託の運用成績が良ければ、単純に基準価格は上昇し、運用成績が悪ければ基準価額は下落します。つまり、投資信託はいくら買われて口数が増えても、基準価格には影響しないのです。ここは株式とは大きく異なるところですね。

 

 

投資信託の基準価格は

日にちのズレに注意!

 

発表される基準価格というのは、受け渡し日の違いによっていつの時点の金額であるかは違ってきます。これは、基本的に4日受け渡しのものであれば、その前日時点の金額、5日受け渡しのものであれば、その前々日時点での金額となるからです。

 

ちなみに、4日受け渡しの投資信託はあまりありませんが、日本株の投資信託や国内株が投資対象の投資信託なら4日受け渡しのものも少なくありません。海外ものですと、5日受け渡しのものが多いです。多いものですと6日受け渡しなどといったものもあります。

 

ですから、新聞に載っている基準価格というのは、少し違うということなのす。例えば、4日受け渡しのものであればその前日時点の金額になります。

 

スポンサーリンク

 

 

また、5日受け渡しのものであれば、例えば、本日の市場が終わった時点の金額が10,500円であったとすると、明日には10,600円になっているかもしれませんが、この10,500円という金額が新聞に掲載されるのは、明後日になるのです。

 

こういうふうに2日ズレて若干遅れたりと、株式と違い、日にちのズレがありますので注意が必要になります。

 

 

分配金は受け取るのと再投資するのと

どちらがいいの?

 

あなたが投資信託を購入するとき、金融機関の人に、分配金受取コースにするか、それとも再投資コースにするのかの選択を迫られます。このうちどちらが良いのかというは、先ほど書きましたように、人それぞれなので一概には言えません。

 

巷では「受取コースにしてしまうと全然儲からない」という話もよく聞きますが、実はそんなに単純に決めつけられる話でもないのです。

 

ちなみに、「受取コース」にしたとしても「再投資コース」にしたとしても、配当所得として税金はかかってきます。

 

ただ、「再投資コース」の場合は、例えば、分配金が100円出てもそれで買い増しするのなら、購入手数料と消費税は発生しないことになっていますので、その面では複利効果が得られお得です。

 

かつて郵貯の定期で10年預ければ2倍になると言われたものがありましたけれど、この複利効果はバカにできません。

 

再投資の複利効果については、実際に計算してみるとよくわかるのですが、かなりの差が出てきます。利回りが高ければ高いほど、その差は大きくなります。

 

なお、再投資した時の基準価額は、決算日の基準価額で買うことになります。

 

だからといって、分配金受取コースよりも「再投資コース」が100%良いというわけではありません。これはあくまでも人によるのです。要は、分配金を受け取らないで再投資していけるほど余裕のある人なら問題ないということです。

 

スポンサーリンク

 

 

ただ例えば、投資信託を取り崩しながら、それを年金の足しにして生活していきたいというような人でしたら、「分配金受取コース」でも全然問題ないわけです。むしろ、これまでコツコツ貯めてきたお金や退職金の、理想的な取り崩し方と言ってもいいのかもしれません。

 

こういった考え方を取れば、単純に「分配金は元本から取り崩しているから悪い」という話とは、全く考え方のベースが違うという事がわかっていただけると思います。

 

 

分配方針とは?

 

分配方針というのは、ファンドごとに決まっています。

 

投資対象が株式のファンド、アクティブ性の強いファンド、例えば、コモディティ、金、原油など資源関連に投資するようなファンドや、今はあまり聞かなくなりましたが、BRICs(ブリックス、Brazil, Russia, India and China)に投資するようなファンドは、基本的に年1回だったりあるいは分配金を出さない方針のものが多いです。

 

その代わり、キャピタルゲインの方で稼いでいこうというものなので、値上がりや値下がりを楽しんでもらう商品性となっています。

 

一方、毎月分配型ファンドですと、高利回り株式や高配当の株式、リートや債券が投資対象のものが多いです。つまり、安定的に分配原資を稼げるものに投資するという商品性になっていまるのです。

 

スポンサーリンク

 

 

この分配方針の違については、あなたがどういうふうにお金を受け取りたいのか、あるいは投資ファンドにどうなってほしいのか、ということと照らし合わせて考えていただきたいです。

 

当然、値上がりを楽しみたいとか、儲けたいということであれば、毎月分配型ファンドで運用しないということになります。

 

 

投資信託の良し悪しは

あなた次第です

 

投資信託の良し悪しというのは、投資家によって違ってくると考えてください。運用対象が外国株、例えばアメリカのハイテク株に投資したいという人、個別の銘柄は選べないけれど買ってみたいという人は、そういった投資信託を買えばよいのです。

 

一方、そうではなくて、投資対象などよりも毎月安定した収入が欲しいという人は、毎月分配はとてもマッチしていると思います。

 

ただし、元本を取り崩していくのは、あくまでも運用しながら取り崩していくという発想を持っていることが大切です。もともと毎月分配自体、年金の保管としての役割を期待して設定された金融商品なのですから。

 

例えば、退職金1,000万円を年利3%で運用しながら取り崩していくと考えると、老後の資産形成としては、非常に有効に利用できると思います。

 

なお、値上がりや値下がりを楽しみたいのであれば再投資コースを選んだり、毎月分配型ではないもっとアクティブなファンドを購入した方がよいということになります。

 

スポンサーリンク

 

関連記事(一部広告含む)