IT資格を取得して転職する方法.
未経験から一番有利なおすすめ試験はこれだ!
IT資格には、ITに関する知識を証明するための資格と、スキル(技術)に関する資格があります。
まず知識に関する資格というのは、「今、私にはこんな知識があります」というだけではなくて、「私はこういった分野に興味があります」とか、「こういったスペシャリストになりたい」、あるいは「○○になれるための素質があります」というような将来性についても証明しやすい資格といえます。
また、スキルに関する資格というは、「今、私は○○ができます」という、今できることを相手に伝えるために有効なのものになります。
転職しやすいスキル系のIT資格とは?
スキルの資格で一番有名なのは、あなたもご存知かもしれませんが、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)の資格です。
これは、WindowsやMicrosoft Officeを提供しているマイクロソフトが実施している資格で、Microsoft OfficeのWordやExcelのスキルを証明するための資格になっています。
スキル系の資格は、知識系の資格と比較して、より具体的な操作や知識を求められます。
すると、どうしても資格の主体が、ベンダーと呼ばれるメーカーやシステムを作っている団体になりがちです。例えば、MCPのMはマイクロソフトです。要するに、マイクロソフトが認めたプロフェッショナルということです。
それから、データベースのオラクルマスター、非常に有名なネットワークのメーカーであるシスコが作っているCCNAという資格があります。
さらに、LPICは、メーカーではないのですがリナックスというウィンドウズではない、特にサーバーなどで使われているOSの資格になります。
こうしたスキル系の資格は、専門性を持って仕事をしたいという方が目指していく資格だと言えます。
特にデータベースのオラクル、ネットワーク系のCCNAは、非常に需要が高いです。実際、CCNAあたりになってきますと、セキュリティ関係の知識と技術をセットになってきます。
セキュリティは今注目を浴びていますが、セキュリティとネットワークというのは切っても切り離せない関係なのです。具体的にはルーターの設定などのスキルになってくるのですが、この辺りの知識を持っていると転職の際も強くアピールできます。
転職しやすい知識系のIT資格とは?
最近知名度が上がってきているIT資格として情報検定(J検)があります。おそらく情報処理関係の資格というと、情報処理技術者試験のイメージが強いと思います。
情報検定(J検)は、これとは主催団体が違うのですが、レベルとしてはもう少し易しくて、イメージとしては、情報処理技術者試験に行く前のステップアップとして、まずはここで知識を確認しておきましょうといった感じになります。
情報検定(J検)は、知識系の資格ではあるのですが、スキルも問われます。具体的には、ワープロや表計算についても求められます。そういった意味では、一番最初のリテラシー教育の導入としては非常に使いやすいと思います。
このように情報検定(J検)は、「コンピュータに関する最低限の知識を持っています」ということが確認できる検定になっています。
情報処理技術者試験とは?
情報処理技術者試験というのは、レベル1からレベル4まで、段階的に様々な情報処理に関する知識を学び証明するための資格になっています。
この情報処理技術者試験の中にもプロジェクトマネージャーという資格があるのですが、そのプロジェクトマネジメントに関するスペシャリストを証明するためにPMPという資格が非常に注目を集めています。実際、PMP資格を目指している人も多いです。
このような経営や責任者に近いようなリーダー養成のような資格があって、そのさらにその上に、中小企業診断士という資格が見えてきます。
中小企業診断士はIT資格というイメージはないかもしれませんが、実は、情報処理技術者試験の一部に合格すると、中小企業診断士の中の経営情報に該当するところが免除になります。
そういった意味では、特にITコンサルタントを目指している人にとっては、情報検定(J検)→情報処理技術者試験→PMP→中小企業診断士というようにスキルアップしていくのは、決して珍しいことではありません。
ですから、将来的に中小企業診断士を目指すその導入としてまずは情報検定(J検)から始めるのもよいと思います。
スキル系の資格も知識系の資格
どちらを取得したらいいの?
特に、即戦力として「今、私はこれができます」といったことを証明するには、やはりどうしても前述したスキル系の資格になります。
ですが、それとは違って、会社の信用を得て「あなたを信じるから、どうすべきかを考えるところからじっくりと仕事をして下さい」という話になるのなら、やはり上記の知識が必要になってきます。
もちろん、スキル系の資格も知識系の資格もどちらも取得するに越したことはありません。ですが、やはりスキル系の資格と知識系の資格どちらも最低1つずつは取得しておきたいところです。そんな感じでIT資格は捉えておけばよいと思います。
もちろん、これ以外にも様々な資格があるわけですが、後は興味や必要性に合わせて探していけばよいと思います。IT資格は本当にたくさんあります。資格の価値というのは、受験者の数で決まるものではありません。
資格の本来の価値は、その時自分が必要なものが体系的に身につけられるか、あるいは証明できるかということだからです。そういった意味では、資格の名称にとらわれずに色々な資格を探してみるとよいと思います。
情報検定(J検)とは?
情報検定(J検)は、文部科学省の認定資格になっています。
そんなこともあって、大学や専門学校などで積極的に取り入れられていることから、比較的教育要素の強い検定とも言えます。この情報検定(J検)は、過去紆余曲折があって、現在では、以下の3つの試験で実施されています。
1.創る:情報システム試験(プログラマー認定、システムエンジニア認定)
2.使う:情報活用試験(3級→2級→1級)
3.伝える:情報デザイン試験(初級→上級)
1の特に創るという部分は情報処理技術ということですから、イメージとしては、プログラマーやエンジニア要素が強くなります。
2と3の情報活用や情報のデザインについては、まさにすべての職種、要するにビジネスマンとして働いていく、社会人としての常識として身に付いていなければいけないことが、ここにきれいにまとまっているというイメージです。
上記の3級や初級は、決して難しい試験ではありません。ですから、「まずどこから手を付けていいのかわからない」とか、「ITが苦手だから勉強しなければいけない」といった方には、非常におすすめの資格です。
MOS(Microsoft Office Specialist)とは?
MOSのラインナップとしては、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookとなっています。
ワープロソフトのWord、表計算ソフトのExcel、プレゼンテーションソフトのPowerPoint、データベースソフトのAccess、メールを初めとするコミュニケーションソフトのプラットフォームであるOutlookです。
現在、Officeというのは様々なバージョンがあります。今、実施されているのは、2007、2010、2013なっています。ただ、おそらく次のバージョンが出てくると、必然的に2007というのは終息するという流れになりますので、そこには注意が必要です。
また、WordとExcelに関しては、スペシャリスト(一般)とエキスパート(上級)という2段階の認証になっています。一般的によく言われているのは、WordとExcel、特に事務系の仕事をする場合には、やはりこのExcelの重要度というのは高くなっています。
ここで少し注意していただきたいのは、2013から、かなり試験の方法や内容が変わっていることです。過去にMOS試験にチャレンジしたことのある人はイメージが湧くと思うのですが、実は2007、2010までは1問1答形式の問題だったのです。
例えば、「この操作をしなさい」という問題に対して実際に操作をする、そうしたら全く違う画面になって、また次に「この操作をしなさい」…という、こういった形式がおよそ25問ぐらい出ていたのです。
ところが2013から大幅に変わりました。試験時間の中で、1つ、あるいは2つの文章なりファイルを作り上げていくというスタイルの試験に変わったのです。
要するに、1つのファイルの中で、「あれをやりなさい」「これをやりなさい」というのがたくさん書いてあるのです。それを1つずつこなしていかなければいけないということになったのです。
そういう意味では、より実務的になったということもできます。ただ少し試験の形式が変わっていますので、過去に一度受験したことがあるという人は、特にこの2013を受験する時には注意が必要です。
そうすると、2013は受験しづらいのかなと思うかもしれませんが、いい話もあります。それは2013のスペシャリスト(一般)に関しては、明らかに難易度が下がっているということです。
わかりやすく言うと、Excelであれば、今まで一般レベルで求められていた関数が求められなくなっています。有名なif関数も一般レベルでは求められなくなっているのです。そういった意味では、2013は資格を取得しやすくなっています。
この辺を難易度が高くなったと勘違いされている方もいらっしゃるようです。試験方法が変わりましたので、そういった意味では難しいとも言えますが、実は全体から考えると、資格を取得しやすくなっているところは理解しておいてください。
PMP(Project Management Professional)とは?
PMPというのは、資格取得までのステップが若干わかりづらいです。
まず、スタート地点において、大卒か高卒がで分かれます。そこから、まず実務経験がないと資格試験は受けられないことになっています。ここが大きなポイントになります。ですから、学生のうちには受けられない資格といえます。
そして、その実務経験をもとに、団体に認められた正式な研修を35時間受けなければなりません。
この研修を受けていないと、資格試験そのものにチャレンジできないのです。ちなみに、今は通信講座などでこうした研修は提供されていますので、これを上手く使えば、35時間が捻出できない人でも、以前に比べたら研修は受けやすくなっています。
その後は、PMPの試験を受験して合格すればよいのですが、合格後にまた注意点があります。
それは、PMPの資格保持者として認められるためには、更新をしていかなければならないということです。ここがポイントになります。ですから、きちんと実務を続けていって、更新して認定を受けることが重要になってきます。
PMPは、資格を取得するまでのステップが非常に難しくなっていますが、それだけに資格を取得できれば、かなり高い評価を受けることができますので、価値のある資格といえます。
情報処理技術者試験とは?
情報処理技術者試験というのは、経済産業省認定の情報処理に関する認定試験になります。実は一昔前まではこの資格はありませんでした。ただし、全くなかったのかというとそんなこともなくて、以前は、初級システムアドミニストレータ―という資格だったのです。
ただ、システムアドミニストレータというのは、現場のITの専門家というイメージなのですね。技術者やエンジニアではなくて、あくまでも現場の人間のITの専門家がシステムアドミニストレータなのです。
でも、もうそういう時代ではないわけです。つまり、誰か1人、営業所なら営業所に1人専門家として詳しい人がいればいいという時代ではなくなったということなのです。
そういったわけで、「ITを利活用する社会人すべての人たちが知っていてくださいね」というのがITパスポート試験になって名前も変わったということなのです。
ですから、このITパスポート試験は、全員が取っていて然るべきであり、たとえ資格は持っていなかったとしても、ここに書かれている知識は当然理解できていますよねといった趣旨に資格になっています。
たた、実際に過去問集などを見ていただくとわかるのですが、結構中身は詳しいものです。
ITに関する知識はもちろん、情報経営、IT戦略であったり、プロジェクトマネジメントの初級的なものだったり、セキュリティ、ネットワークなど、システム開発のさわりについても勉強することになります。
そういった意味では、「本格的に情報処理の勉強をするぞ」となった場合には、この資格はおすすめです。もちろん、エンジニアを目指している人の場合は、スタート地点は基本情報技術者試験(FE)になります。
ただし、最初からこの基本情報技術者(FE)を目指して大変な思いをするのなら、ITパスポート試験から入った方が絶対にラクです。というのは、基本情報技術者試験(FE)のほうがITパスポート試験よりも難しいのは確かですが、試験範囲は同じだからです。
つまり、基本情報技術者試験(FE)は、ITパスポート試験の内容をさらに膨らませたものなのです。全く関係のない内容を勉強しているわけではないですから、易しい方から始めることをおすすめしているのです。
さらに、実務レベルになりますと、応用情報技術者試験(AP)まで必要だと言われる機会も多いです。そして、これを取得し終えると、いよいよ専門家としての試験が始まるわけです。
この専門家に関しては、IT経営のスペシャリストであるITストラテジスト試験、またシステム設計のシステムアーキテクト試験やプロジェクトマネージャ試験、人気のネットワークスペシャリスト試験やデータスペシャリスト試験、組込みシステムのエンベデッドシステムスペシャリスト試験、さらに一番人気の情報セキュリティスペシャリスト試験、運用に関する責任者の資格であるITサービスマネジャー試験、そして、第三者としてのシステムのチェックであるシステム監査技術者試験などがあります。
こうしたそれぞれの専門家の知識を証明する資格に繋がっていくわけです。
もちろんこれらは、あなたがどこを目指すのかによって、どれを選ぶべきかは変わってくるのですが、今、圧倒的に人気があってみんなが資格を取らなければと思っているのは、「情報セキュリティスペシャリスト試験」になります。
受験者数も情報セキュリティスペシャリスト試験が圧倒的に多いです。
その証拠に、これらの専門家試験については、1年に1回なのですが、情報セキュリティスペシャリスト試験だけは年に2回試験が行われているのです。要するに、それだけニーズがあって受験者がいるということなのです。
ですから、逆に言えば、仮にITストラテジスト試験を受けようと思った時に、タイミングによっては1年後にならなければ試験がなかったということにもなりかねませんので、注意が必要です。
ちなみに、就職や転職に関して言うなら、最低でもITパスポート試験の知識は欲しいところです。
さらに、エンジニアとして転職したいというのなら、基本情報技術者試験(FE)が最低ラインとなります。もちろん、高い報酬を得ながら専門家として転職したいというのなら、上記の専門家としての資格も欲しいところです。
(参考)
・基本情報技術者試験|独学で挫折..アビバの情報処理技術者試験対策でSEに!
・ITエンジニア転職サイト『ギークリー(Geekly)』の非公開求人情報の評判は?