事例で検討
例えば、次のようなケースで考えてみます。
■22歳の学生で、アルバイトなどからの給与所得が60万円、FXの利益が50万円(経費は0円)ある。
■国民年金を自分で支払っているので、社会保険料控除は約18万円である。
■現在は親の扶養に入っている。
FXの税金と
扶養控除の関係は?
まず、給与所得が年間60万円ですが、給与所得控除が65万円ありますので、これを差し引きすると給与所得は0円となります。また、FXによる利益が50万円ですから、雑所得は50万円ということになります。
というわけで、課税所得は「50万円−各種控除」となります。
このうち各種控除ですが、基礎控除38万円と社会保険料控除18万円を合計すると56万円となりますので、結局、課税所得は0円(50万円−56万円)となります。
なお、学生さんの場合ですと、勤労学生控除というものがあるのですが、こちら(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1175.htm)を見ていただくとわかるように、勤労学生控除の要件に「勤労による所得」というものがあるので、FXは適用外となります。
つまり、FXの利益には、勤労学生控除は適用できないということですね。
ちなみに、ちょっと現実的ではないですが、FXの経費が12万円以上あると、所得額が38万円以下になりますので、控除対象扶養親族になることができますね。
それから、親の扶養から外れてしまったことによる影響がどれくらいなのかが気になるところですが、確実に親の税金は増えることになりますね。
具体的には、所得税率は親の課税所得額で累進課税となります(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)ので、次の金額が増えることになりますね。
■所得税=38万円×親の所得税率
■住民税=33万円×住民税率10%=33,000円